例年、8月後半から9月いっぱいは一年でもっとも50cm超の出現率が高くなり、大型ファンを魅了するのが千葉県君津市にある亀山湖だ。
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亀山湖の概況
ひと雨ごとにポイントとタナが変化する難しい時期でもあるので、できれば広範囲に探れるレンタルエレキを常備している舟宿から出舟したい。ボートハウス松下なら船舶免許不要のエレキ舟が複数あり、至近に好ポイントを多く有する立地なので大いに活用して超大型を狙おう。
周辺の田んぼはすでに稲穂が首を垂れ始め、水を必要とする時期も終盤にさしかかっている。また停滞する前線の影響で、同湖でもかなりの雨量となった。もともと満水近かったこともあり、流入量と同程度の排出を行っている。水位の上下動が減り、場合によっては流れだけがつく。
熱帯低気圧または台風をのぞき、前線による雨は冷たく、ダム湖の水温低下を起こす。さらに雨量によっては、濁りも発生する。
変温動物であるヘラブナは適水温を求めて移動を繰り返す。つまり濁っているからといって表層有利とは限らず、場合によっては24尺竿いっぱいのタナまで下がることも大いにありうる。
大雨が降る前は50cm超が何枚も上がって絶好調だったが、雨後は一変。しかしまた数日で元に戻り、また雨でリセットされるの繰り返し。直近の釣況は水温低下の影響かタナが深めで、21尺竿以上を振っている人が圧倒的によかった。ただし、ここまでタナを下げるとコイも多くなるので、竿操作には注意が必要だ。
なお千葉県も緊急事態宣言下となり、各舟宿ではボートが一日30隻限定での貸し出しとなっているので、予約をしてからの釣行をオススメする。
ポイント
前日は笹川筋がよかったかと思うと、翌日は川面台やトンネル下で釣れたりと、日並みの差が激しい。的を絞れないのが現状で、このような時はモジリを頼りに入釣するのが得策だ。ただし本命以外の魚もよくモジるので、判別は慎重にしたい。
抜けた直後に尻尾が見えたら100%コイで、大きすぎる波紋も疑わしい。ヘラはモコッと抜けることが多く、バチャッと水音を大きく出さないことが多い。また小ベラほど高く抜け、大型ほどイルカのように背中だけを出す。さらに信じられないだろうがニゴイもモジリを出し、その音はマブナのそれに似ている。
釣り方とエサ
この時期、底釣りはない。宙釣り一択。問題はタナだ。長竿チョウチンか、それとも中尺竿の半端ダナ(1本半~4本)なのか。振り込みのしやすさから言えば前者に軍配だが、アタらない時は半端ダナも覚悟しよう。
エサのパターンは次のとおり。
(1)フレークマッシュ主体の素練り
(2)マッシュ系両ダンゴ
(3)通常の両ダンゴ
(4)グルテンセット
亀山湖に通う常連のほとんどは(2)だが、他のエサでも釣れないことはなく、場合によっては(2)よりもアタリが増えることもある。ただしアタリ数の増加=サイズアップとは限らず、むしろ型が伸び悩むことが多い。ゆえに大型(45cm以上)のみをターゲットにする常連は(1)(2)の使用率が高い。
(1)(2)と(3)(4)の決定的な違いは、ハリ(以下はギガリフトを使った場合)の大きさだ。前者は超軟ネバタッチにすることが多く10号前後ではエサをタナまで持たせ、かつナジみきった後にトップを静止させるのが難しい。「いや、オレなら軟エサも打てる」と思うなら、ぜひチャレンジしてほしい。おそらくはエサが硬ネバ傾向になるか、大量の増粘剤の助けを借りることになるだろう。
逆に15号以上なら、エサの使えるタッチの幅が広がる。たとえばフレークマッシュが持つ、自然のネバリを利用した釣り方だ。
粉に水を入れて(粉2に対して水1.5前後)サッとかき混ぜたら10分程度放置。その後、全体に軽く圧がかかる程度に混ぜて、密着度を増したものが基エサ。これを別ボウルに小分けし、あとはすりつぶすような練り方はせず、手水と押し練りだけで持たせる。
注意したいのが最初に出すネバリ、つまりは基エサのネバリ。ここでその後のエサの持ち具合が決定づけられるので、よくよく基エサ作りには注意が必要だ。
なお水温によってネバリが異なり、低いほど混ぜる(エサとエサを密着させる)回数が増え、高ければその逆になる。この時期は表層で25~30度あるのでまずは20~30回とし、それで持たなければ40~50回と徐じょに増やすといいだろう。
このエサの特徴は、何と言っても軽さ。練りっぱなし(基エサをさらにすりつぶす)より軽めに仕上がるので1~1.5mm径のムクトップも使えるようになる。極太パイプトップの釣り(練り込んだ比重があるエサを、トップで支える釣り方)に抵抗がある人は試してみるといいだろう。
いやいや、そんな面倒なのはゴメン。太パイプトップで簡単に釣りたいのであればネバリやすい粉状マッシュや増粘剤入りの麸系エサをフレークマッシュと半々程度でブレンドしたものが使いやすい。ただしこれでもある程度の押し練り(圧着)は必要で、さらにネバリが出すぎた時の修正エサも必須となる。
そのような時にオススメなのが藻べら。(1)~(4)のすべてでエサを開かせたいと思ったときや、軟過ぎて締めたと感じた時に使うと、ハリ付けしやすくて、いかにも魚が食いたくなるようなタッチに仕上がる。
さらに以下のような使い方もある。たっぷりの増粘剤を入れて、練らずに水気たっぷりに仕上げた基エサをまず作る。それを小分けして、振り込める程度まで藻べらを絡めれば(練らない)タナまで持つ軟ネバボソタッチが可能になる。たまたまかもしれないが、実釣時にもこれを使って釣れたので興味があれば試してみてほしい。
道糸の強度
なお実践してほしいのが『道糸はハリスの2倍以上の強度』ということ。
タナが深いほど、さらにはヘラアタリが少ない時ほどコイが多くなる。掛けた瞬間はヘラの引きと似ていても、コイはいつまでたっても口が向かない。また重量感もハンパではないので、コイと分かったら潔く道糸をタオルなどでつかんでハリスを切ろう。「顔を拝むまで」などとやっている人ほど、また竿を強引に立てようとする人ほ竿トラブルを起こしやすい。
<週刊へらニュース編集部/TSURINEWS編>
亀山湖
問い合わせ:ボートハウス松下 TEL=0439(39)2926
舟代:舟の大きさにかかわらず¥2900(入釣料含む)。レンタルエレキセット¥3000。船舶免許不携帯でのエレキ使用は10ftに限る。釣り台、ライフジャケット、岸着け用ロープ2本必携。