伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「マッシュポテトを使おう」。今回はマッシュポテト(徳用)の特徴について考えてみよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース伊藤さとし)
王道の『マッシュポテト(徳用)』
麸系エサより歴史が古く、近年は大型狙いの必携エサとしても知られるマッシュポテト。特性、使い方、応用編など伊藤が知り得るこのエサのノウハウを余すことなく紹介しよう。
マルキユー公式HP内のへら鮒釣りカテゴリー内にある「マッシュ」の項目を開くと、5種のエサが掲載されている。順に『マッシュダンゴ』『マッシュポテト(徳用)』『巨べら』『尺上』『1:1粉末マッシュ』。
今回紹介するのは、そのなかでも王道とも言える『マッシュポテト(徳用)』だ。同エサは、いわゆる素のマッシュエサ。増粘剤や集魚剤などを含まず、ジャガイモのみで製品化されたものだ。
エサのかさ増しができる
「ジャミに強いとか大型ならマッシュなんて言われるけど、最大の特徴はエサのかさ増しができるからだろうね」
かさ増しとは、ずいぶんと下品な言いようではないですか(笑)。もっとシャレた言葉を使わないと。
「だって本当にそうなんだもん。とくに大型釣りにおいてはね」
つまり大きなエサを打ちたいからですか?
「そういうこと。通常サイズのエサボウルではなく、バケツなどを使ってエサを作りたくなるほど大型釣りでは1回のハリ付け量が多い。これをほかのマッシュエサや麸系エサでやると、『マッシュポテト(徳用)』以上にエサを必要としてしまう。でも同エサをメインに使えば、一日3袋程度あれば事足りるからね」
では成分としての役割ではなく、量を打ちたいから『マッシュポテト(徳用)』を使う。そう言いきっていいですか?
「それも困るけど、大方はそれでいいと思う。ただね、素のマッシュでないと出来ないこともあるんだよね」
素のマッシュ特有のバラケ
たとえば?
「よく言われるのは大型ほどマッシュエサに反応する。言い換えると、目的以外の魚の反応が弱い。だからこそジャミに強いとか、そういうメリットが生まれてくるわけだからね」
なるほど。たしかに夏の亀山湖で麸系エサなど打とうものなら、ブルーギルやワタカが寄りきってしまうでしょうね。
「それもそうだし不思議なんだけど、大型になればなるほど『マッシュポテト(徳用)』(素のマッシュ)が持つ、独特のバラケ性を好むようになる傾向があるんだよ」
白くて細かなタテバラケでしょうか?
「そういうこと。しかもそれが、大きなエサであればあるほどね」
大エサを食いたいからですか?
「ところが、それがそうではないんだよね」
ではなんですか?
「実際に食うのはハリに残った小さなエサ(いわゆる食いごろサイズ)なんだけど、そこまでの過程が大型にとって興味を引くのだと、ボクは思っているんだよね」
バラケ方が大型を寄せる
いまいち理解できないのですが……。
「つまりね、すぐにエサに飛びつくわけではなく、しばらくバラけるエサの近くにいて、ハリから抜け落ちるのを待っている。でもなかなか落ちない。そこでガマンしきれなくなって、パクッと食ってしまう。そんなイメージかな」
つまり食いたいけどどうしようかなぁ~、みたいな様子見の段階で『マッシュポテト(徳用)』(素のマッシュ)のメリットが生きてくる。そういうことですね。
「そう。だって溶けて小さくなってもハリに付いていればいいというだけなら、どんなエサでも可能だよね。でも実際はそうではない。現にグルテンを使えばジャミアタリが出やすくなるし、明らかにアベレージサイズが落ちる。また麸系エサではこの時期、逆に集魚力がジャマをして釣りを成立させられない可能性だってある」
そうなると、残るはマッシュしかないと?
「しかないと言いきるつもりはないけど、それに向いているのはたしかだろうね。だからこそ多くの大型ファンが愛用しているんだろうから」
次回も「マッシュポテトを使おう」です。
<週刊へらニュース伊藤さとし/TSURINEWS編>