チヌ(クロダイ)という魚は有名だが、「ライトブリーム」という釣り方についてはあまり広く知られていない。今回はこの釣りの基本的な部分に関わる用語について解説していこう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
ライトブリームとは
まずはライトブリームそのものについて紹介する。
フィネス・チニング。チヌ、キビレといったターゲットを、ルアーを使い、ライトタックルで獲ることを「ライトブリーム」と言う。とあるメーカーが2015年前後から提唱し始めた呼び名だが、チヌ釣りそのものの歴史は長く、おそらく名称化される前にチヌのフィネス・ルアーは存在したはずである。
昨今ではチニングが人気だが、同じ魚種を狙うのでも、ライトブリームとの大きな釣りの分かれ方は、扱うライン、またルアーウェイトだろう。チニングではPEライン0.6号以上、最大20g程度のジグを使用することもある。ライトブリームではすべてその半分以下、PEは太くても0.5号で一般的に0.3号、ルアーウェイトは1~7g程度となる。
ルアーフィッシングでは、なるべくライトライン化し、軽量リグを使うことで、基本的にどんな魚も反応がよくなる。ライトブリームでも同様、スレた魚や、これまでのチニングでは口を使わなかったようなサイズ、また大型の根魚などのゲストに恵まれる。
タックル
では、次にタックルに関わる要件・用語について確認しておこう。
メバリングロッドソリッド(7ft台)
釣り場の条件、また魚の機嫌的にワーミングメインとなる場合は、やはりメバルロッドのソリッドティップを使いたい。特に1g前後のリグを使うときの操作感が、明確に異なる。
メバリングロッドチューブラー(7ft台)
ワーミングにプラスして、気配のある時間には小型ジグを投げて回遊魚を狙いたい、または遠投して任意のコースにプラグを引きたい。そのような用途にはメバルロッドのチューブラーティップが操作感もよく、適する。
アジングロッド(6ft以上)
アジングロッドをライトブリームに流用することもできる。魚のサイズ感と釣り合わないライトロッドのように思われがちだが、アジングロッドの潜在性は高く、実は70cm級のシーバスも上げることもできる。釣りそのもののテクニック向上のため、アジングからソルトに入った人は、アジングロッドで一年目を通すのもいいかもしれない。
ただ現代アジング主流の高弾性のソリッドティップ、5ft台となると、本格的な流用ロッドとしての適正は低いので、筆者としては、やや軟らかめでアジそのものも乗せ掛けできるような調子、レングスは6ft台後半を推したい。
スピニングリール(2000番ノーマルギア)
リールはスピニングリールを主に用いる。2000番台、または1000番台というコンパクトなリールでいい。ノーマルギアで、ゆっくりとした巻き取りでリグを見せる。
ベイトフィネスもできなくはないが、ロッドとの組み合わせを考えたときにほとんどメバルのフィネスの世界しかなくなる上、今のベイトフィネスでも1.5g以下のソフトルアーのキャスティングはわりと難しいようで、ビギナーには向かないだろう。
PEライン(0.3~0.5号)
メインラインは必ずPEラインを使用する。号数は釣り場の条件、また釣り物の条件に合わせて、タフなシーンほどやはりリーダーとの組み合わせともに太くした方がいいだろう。
ただチヌもシーバスも0.3号で獲れないサイズはほとんどいない上、ラインを細くして乗せを上げることが釣りのキモなので、ライトライン入門者も0.3号という細さに蛮勇を奮って挑戦してほしい。中庸をとるなら0.4号だが、これだとあまりすんなり獲れる上、冬場のメバルの乗せがちょっと悪くなる。
ちなみにリーダーの号数は6lb、1.5号を基準に条件に合わせて上げ下げする。
リグ
リグとはルアーフィッシングにおける仕掛けのことだ。ライトブリームでは、その場の海の水深やチヌの着き位置にもよるが、1g程度~5g程度の重さのリグを使用する。湾奥のスレた個体には1g基準のジグ単ゲームが基本となるが、高活性時にはマイクロメタルジグなどのハードルアーも使って、面白い釣り方でチヌを仕留めてやりたい。