夏の風物詩のひとつ、茨城の夜イカ。昼の暑さを忘れて涼しい暗闇のなか、竿を出すのは独特の釣趣がある。タックル、仕掛け、釣り方までを徹底解説しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 編集部)
鹿島のイカ釣り近況
早ければ6月ごろから開始するが、今季は7月19日に那珂湊のかもめ丸が初出船。いい人100尾超えのスタート。鹿島エリアも状況をみて、順次出船を開始する。当初はムギ・スルメで、8月になるとムラサキイカも狙うパターンが多い。
夜イカタックル
次に夜のイカ釣りタックルをご紹介しよう。
竿
スルメ主体なら1.6~2.4mで7対3の先調子から6対4の胴調子。手返しを考えれば前者がいい。
リール
タナが浅いので中型両軸か小型電動でOK。ミチイトはPEライン3~4号を200m。
仕掛け
11~14cmプラヅノ、または5~7cm(3~4号)ウキスッテを用いたブランコ式が一般的。カラーは下から淡、濃、淡、濃と交互に配色するのが基本。コマセヅノ(捨てヅノ)と呼ばれる乗りの悪い色を交ぜることで仕掛け全体の配色にメリハリをだすといい。ミキイトは、フロロカーボンラインの4~5号、良型が多い時は6号を使う。枝スは3~4号8~15cm。
ミチイトと仕掛けの間には、必ず白色や緑色の点滅式の水中ライトを付けるようにしたい。オモリは60~80号前後(船宿で指定あり)。
接続は直結でも構わないがビーズなどを介すとヨレや絡みが少ない。スッテを使う場合は長さ1~2cmの直ブラ式や、扱いに慣れてきたら直結仕掛けでもいいだろう。
夜イカ船での釣り方
次に釣り方の説明をしよう。
完全に日が沈んでからが本番。ポイントが決まると、船長がパラシュートアンカーを入れて潮に乗せる流し釣りで狙う。
タナの指示があるので、その下限まで仕掛けを落とす。夜イカ釣りはいわば船中共同作業。周りや船長にタナを伝えて、そこから下には仕掛けを落とさないようにし、イカの群れを浅ダナに誘い上げる。
タナの狙い方
海面下10mくらいまで1m刻みに探っていくと、体力的にも無理がなく効率的。竿先を海面まで下げ、そこから目線辺りまでゆっくり聞き上げて止める。イカが乗ったらそこが当たりダナ。その水深を覚えておき、次投からはその付近で集中的に誘いをかける。
全員で協力してイカの群れを少しずつ上に誘い上げ、船下の浅いタナまで寄せよう。シャクリ方は日中の釣りと変わらないが、水深が浅いため、ソフトに行う。特にスッテを長めの枝スで使う場合は、スッテ自体の浮力を利用して誘い、ポーズは長めに取る。1mほど誘ったら数秒止め、水中を漂うスッテにイカが乗る間を与える。また、当たりダナを見つけたら数m手前から少しずつサミングして落とし込む誘いも効果的。
乗りがいいときは直ブラや直結仕掛けで狙っても面白い。こちらは手釣りと同じ要領で、間を与えずに上へ上へとスピーディーに誘っていく。
プラヅノでの誘い方
プラヅノの場合は1m刻みに段をつけてリズムよくシャクっていく。落とし込みも同様に段をつけると効果的だ。なお、プラヅノは新しいほど乗りがいいので、自分だけ乗りがなくなったらツノを交換してみよう。
シャクリのスピードを落とし、竿いっぱいに聞き上げるか数mゆっくり巻いて、追い乗りさせる。群れの活性が高ければ水面近くで乗ってくることも。「仕掛けが落ちない」「上のイカを外しているときに乗っちゃった」なんてこともある。こうなれば、あとは多点掛けを狙ってゆっくり巻き上げる。時合いを逃さないように手返しよく取り込もう。
取り込み
イカが水面に見えたら竿をキーパーに掛ける。竿を立てたらツノをつかんで、イカを足元のタルのなかに振り落とす。同時に次のツノをつかみ、絡まないように空いたツノはマットに掛けるか、イトが絡まないようにしておく。
慣れないうちは手前マツリを起こしやすいので、ツノ数を減らすなどして手返しを少しでも速めたほうがいい。
<週刊つりニュース関東版/TSURINEWS編>