本来は、専用のキャスティングタックルを用いて砂浜の沖へ遠投して狙うキス釣りだが、サイズさえ問わなければ近場の砂浜でも手軽に楽しむことができる。ファミリーで手軽に楽しむことができる『スーパーちょい投げキス』を紹介。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・辻原伸弥)
手軽なちょい投げキス釣り
釣れるサイズはピンギスと呼ばれる10~15cm前後だが、キス特有のアタリと引きを楽しむことができて面白い。もちろん、ポイントによっては25cmクラスが姿を現せることも!
キスは小さな口でエサを攻撃して捕食するエサ取り名人。微かなアタリをどのようにフッキングに持ち込むか?ここが釣り人の腕の見せどころだ!仕掛けの投入から誘いまで、気が抜けないスリルが味わえ、年々愛好者が増えている注目の釣りともいえる。
そんなキスを狙う時間帯だが、日中でも潮が動いていると釣れるので、1日中OKといえる。しかし、厳しい真夏日を考えると、朝マヅメの涼しい時間帯を狙うのがベスト。早朝の5時~8時ぐらいまで、早起きして短時間を狙うスタイルがお勧めだ。
スーパーちょい投げタックル
スーパーちょい投げタックルは、エギングロッドでもOKだが、繊細なアタリをとらえるために私はメバリングロッドorアジングロッドの5~7ftを流用している。1000番~2000番の小型のスピニングリールには、フロロカーボンライン2~4lbクラスを巻いている。
仕掛けは、近年人気から様々なものが発売されているが、辻原流ではメインラインを中オモリに結び、オモリの反対側にハリ付ハリスを結んでアオイソメを付けるだけの1本バリシンプル仕様。
中オモリは1号~2.5号、ハリ付ハリスはキス釣り1~3号を場所の水深やキスのサイズによってチョイスしている。
他に準備するモノとしては、
・魚をつかむフィッシュグリップ(毒魚が釣れる場合があるので必須アイテム)
・小型のバケツ(手を洗ったり釣れた魚を一時的に入れたりするため)
・ペンチ・ハサミ(ハリを飲み込まれることもあるので忘れずに!)
・ハリ外し(飲み込まれた場合にあると便利)
・氷を入れたクーラー(熱中症予防に飲み物も忘れずに!)
・偏光グラス(浅場でキスの有無を確認してサイトゲームに!)
が、挙げられる。
キスの習性と狙うポイント
キスは複数で居ることが多く、カケアガリなど海底の変化を好む。身を隠せる藻場が近くにあればキスが潜む確率が高い。この時期、深場だけでなく浅場でも安易にキスの姿を目で確認することができる。偏光レンズ越しにサイトフィッシングで狙うのもちょい投げの魅力だ。
ファーストブレイクからセカンドブレイクと水深が変化する海底のカケアガリ付近を狙ってキスを探していく。数投してアタリがなければ移動し、足でポイントを探して行くスタイルが釣果を伸ばす。
キスの狙い方の基本
遠くへ投げなくとも5~10m程のちょい投げでOK!オモリを着底させたら、海底でオモリを引きずりながら砂煙をあげてエサの存在をキスへアピールすることが大切。この時、エサの位置とオモリの位置関係がキモとなり、近過ぎたらエサが砂煙で見えないし、遠すぎてもアピール力に欠ける。オモリからハリまで20~25cmぐらいの長さが今までの経験ではベスト。
アタリは、キス特有のブルブル系から突然食い付く場合と様々。着底後、リールハンドルを巻いてキスへアピールしながら30cm間隔で止め、アタリに集中しながら誘うのが基本。
ロッドを握る『手感度』だけでなくロッドティップの動きの変化に注目して『目感度』の二刀流スタイルが、アジングやメバリングタックルをチョイスの秘密でもある。
そして、キスは水中の溶存酸素に敏感な魚。釣れたキスを海水を入れたバケツに長く入れていると死んでしまう。持ち帰る場合は氷の入ったクーラーへ、リリースするならできるだけ早く逃がしてあげたい。
招かざる客人たちと危険魚
キスを狙っていると他の種類の魚たちも食い付いてくる。同じくエサ取り名人のフグやベラ、テンコチ(ネズミゴチ)などなどだ。そのなかで、特に気を付けたいのが、ゴンズイ、ハオコゼ、アイゴなどの毒魚。決して素手では触らないこと。不用意に暴れる事も珍しくないので、必ずフィッシュグリップで挟んでペンチでハリを外そう。
※例え毒魚でも命ある魚。堤防に投げ捨てるなどはせず海に戻したい。
マナーを守ろう
最後に、絶対に守ってほしのが、
・安全の為にライフジャケットを着用すること。
・ゴミは持ち帰ること。
・他の釣り人の迷惑になるような行為はしない。
の3点。ぜひこれらを守って楽しいちょい投げキス釣りをしてほしい。
<辻原伸弥/TSURINEWS・WEBライター>