自動車整備の世界には「整備の基本は洗車から」という言葉があるが、釣り道具にとっても日々のクリーンアップはアイテムの寿命を大きく左右する大事な作業だ。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 編集部)
電動リールの洗浄方法
汚れが取れることで、見えなかった破損や消耗が見つかったり、潮や砂などを洗い流すことで回転性能を保つことができる。しかし、洗車同様にやりかたを間違えてしまうと傷つけたり、性能を低下させてしまう。
そこで、今回は道具のなかでも、特に高価な電動リールの釣行後の洗浄をメーカーが推奨する方法を基に解説。さまざまな釣行の思い出を提供してくれる愛機を、この機会にピカピカしておこう。
使用するもの
・流し台
・歯ブラシ(毛の軟らかいもの)
・ウエス(タオルなど)×2
・小ブラシ
(ストロー用や注ぎ口用ブラシなど)
・エアダスター
浸け洗いはダメ
カウンターモニター部分などは防水加工されているが、浸け込みは厳禁。基本的には流水で洗うため、洗浄作業は水道蛇口の洗面台などで以下の手順で行う。
メンテナンスの手順
実際にメンテナンスをしてみよう。
(1)準備
ドラグを締めて、電源コネクター部のキャップを閉じる。
ドラグ部はグリスの流出防止、コネクター部は接点の防錆と電極部が濡れてリークすることを防ぐため。
(2)イト
スプールに流水をあてながら指で軽く回転させて塩分や汚れを満遍なく洗い流す。このとき、ブラシ類を使用するとイトを傷つけるので、スプールは指で回すように。
(3)軸受け部
スプール部分の左右(軸受け部付近)に水をあてながら、クラッチを切ってイトを2、3m引っ張り出し、スプールを回転させる。これを左右軸受け部付近に行う。
カウンター部の汚れも洗い流す。
(4)ハンドル周り
コマセを触った手など持つことが多いハンドル部の洗浄は入念に。頑丈な汚れや指が届かない場所などは軟らかめの歯ブラシなどでていねいに洗浄。硬いブラシや金属製のブラシは塗装を痛めるので使用しない。
(5)レベルワインド部
イトを均一にスプールに巻くために左右に動くレベルワインド部は、狭くなっているうえ、イトの水を跳ね上げて汚れが付着しやすいので入念に行う。狭い部分などは、ストローや、注ぎ口用のブラシ(100円ショップなどで購入可能)を使うといい。
イトを通す穴(ラインガイド)部を傷つけないように注意。ここが傷つくと、通ったイトがすべて傷ついてしまうので要注意。ここで、ほかの狭い部分などをブラシで細かく洗浄する。
(6)水拭き
軽く水分が残る程度に絞ったウエスでリール全体を水拭き。
コマセの汁などを残らずふき取る。
(7)水滴を飛ばす
水滴を飛ばすリールのハンドルを思いきり回して、ハンドルやスプール周辺の水滴を飛ばす。
これでも飛ばしきれない水滴は、エアダスター(エアスプレー)などを使うといい。このときリールの外側に水滴を飛ばすようにして、内側や内部には入り込まないように気をつける。
(8)空拭き
乾燥しているウエスでリール全体を空拭きして水気を取る。
(9)乾燥
ドラグを緩めて、直射日光があたらない日陰で乾燥させる。
最後に
以上が電動リール洗浄の基本的な流れ。高価な釣り具だからこそ、釣行後は洗浄を行い、不具合の早期発見などにつなげたい。また、次回予定しているグリスアップ、注油の際には、ここまでの洗浄を行っておくことが前提となるので、最低限の洗浄はできるようにしておこう。
外出自粛によって釣りに行けないときは、愛機の洗浄を行って、リールも気分も奇麗にして、また釣りが楽しめる日に備えよう。
<週刊つりニュース関東版 編集部/TSURINEWS編>