暖冬で不安定な釣況が続いていたが、ここにきてようやく春らしい釣りができるようになった。千葉県香取市を流れる与田浦水道もその一つだ。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース APC・五木田富雄)
与田浦水道の概況
小ベラのイメージが強いフィールドだが、この時期だけは別物。尺上のイレパクや、さらなる良型まで狙えて春の釣りを思う存分満喫できる。足場もいいので気軽に竿を出せるのもうれしい。今回はJR鹿島線鉄橋~与田浦橋間の約2kmの水路をガイド。
利根川の堆積作用によってできた砂州に取り残されるかたちで形成された湖沼で、かつては与田沼などとも呼ばれていた。3つの湖ような地形とそれらを結ぶ水路からなり、上流は西部与田浦・長門川を介して横利根川とつながり、下流は泪川を介して外浪逆浦へと吐き出す。
今回紹介するのはそのなかで、川のような地形を有する通称・与田浦水道と呼ばれるエリアだ。と言っても水域はかなり広大なので、今号では春に実績のあるJR鹿島線鉄橋から県道101号線が通る与田浦橋間に絞る。
ポイント
水深は1~1本半で、一部2本前後の所も。地形変化に乏しいのでモジリを最優先にして、あとは以下のポイントを参考にしてほしい。
ポイントA(北岸)…鉄橋~新左衛門川はこの季節の好ポイント。とくに農業倉庫~同川の実績が高く、意外にも流れに強いのが特徴だ。
ポイントB(南岸)…鉄橋寄りは水深が浅くバサーが多いので避ける。オススメは砂山やソーラーパネル前付近。オダ場にはたしかに魚は付いているが、ジャミが多いのが難点。
ポイントC(北岸)…新左衛門川~与田浦橋は水深が比較的に浅め。オダ場は根掛かりが多い。出島屋前の杭回りは大型のジャミが多いものの、型は見られる。
ポイントD(南岸)…新左衛門川対岸のオダ場~タテ堀。緩いカーブの突端付近が面白い。タテ堀付近はバサー多し。
ポイントE(南岸)…タテ堀~与田浦橋。水位次第で水深が2本近くになる高圧線下付近は、乗っ込み後に狙ってみたい。
大きくは霞ヶ浦水系の一部なので、どこかの水門が開閉するとそれに呼応して強い流れが発生する。また全体に水深が浅いので、仮に水門が閉じていても少しの風で流れが発生しやすい。つまり常に水の動きがあるので魚の活性は高め。
本命アタリがない時は打っているラインが違うか、ポイントを外していることのほうが多い。もちろん食い渋っていることもあるが、その時はヘラ以外の魚(マブナやコイ)も動きが悪くなり、ジャミアタリがエンドレスで続く。車を移動させやすく足場もいいので、アタリがなかったら一カ所で粘らずにポイント移動して活路を開こう。
釣り方とエサ
流れが出やすいのでエサ・タナとも難しい面があるが、出来る限りバランスの底釣りで挑みたい。モジリのラインにもよるが、通常は竿8~13尺で十分。竿が長くなるほど流れの影響を強く受けるし、水深が浅いのでウキが見づらくなる。
水位変動にも要注意。数cm単位の小幅な変動が多いので、変化に気づきづらい。これを解消するにはムクトップのウキがベスト。PC・グラスは問わない。さらに流れでトップがシモるので、水面上に多く出るようにエサ落ち目盛を設定する。
なお、シモリによるナジミと通常のナジミ幅を混同しないように注意したい。仮に上バリ10cmズラシにしても、流れがあればシモリでナジミ幅が出てしまうし、ここでアタってもスレが多発してしまうのは道理。流れがある時こそ、上バリトントンに近いタナ(底が切れてはダメ)を維持し、これにシモリが加わってもトップが水面上に出るようにしたい。いくらタナをズラしたところで流れは止められない。むしろ流して、一定間隔で打ち返したほうがアタリにつながりやすいだろう。
エサはグルテンセットを主体に、アタリが増えたら両グルテンが基本。ジャミが多い時は「ヘラが寄っていない」と判断してセットで続けるか、両ダンゴにしてさらに本命の寄りを加速させる。魚の気配はあるが力強いアタリが出ない時は、以下の点に留意する。
(1)エサのバラケ過ぎ、または食わせのグルテンが持ってない
(2)タナが切れ気味
とくに(2)は気付きづらいので、おかしいと思ったら底ダテをやり直すのがベストだ。
<週刊へらニュース APC・五木田富雄/TSURINEWS編>
与田浦水道
釣料:無料。釣り台必携。