毒があるけど実は美味しいサカナ3選 取扱いと美味しい食べ方を紹介

毒があるけど実は美味しいサカナ3選 取扱いと美味しい食べ方を紹介

釣りに行くと、毒を持っていたり見た目が怖かったり、ヌルヌルしていたりという理由でリリースされがちなサカナがたくさん。でも、正しい扱いさえすれば実は美味しいことも。そんなサカナ3種を紹介します。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

TSURINEWS編集部 TSURINEWS編集部

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リリースされがちなサカナ

魚釣りをする人にとって、釣れて嬉しいサカナは色々いるはず。例えばすごくおいしいサカナだったり、すごく大きいサカナ。その両方を兼ね備えているサカナだと、釣り人は笑顔で、家に持ち帰ることが多いはずです。

反対に釣れて嬉しくないサカナも存在します。例えば、「毒」があって対処が大変なサカナや、ヌルヌルしていたり、見た目がちょっとグロテスクなサカナなどが挙げられ、その多くは釣れてもすぐにリリースされがちです。

しかしこのリリースされがちなサカナが、実は美味しいということを皆さんはご存じでしょうか?

今回はリリースされがちなサカナの中から、毒があっても実は非常においしいサカナを厳選し、3種ご紹介します。この記事を読んだあかつきには、今までは釣れても「うわぁ…」と思っていたサカナが、今後は「キタキター!」と思えるようになるかもしれません。

釣り人からしたら、「こんなヤツ食べれるの?」と思う人もいるかもしれませんが実は非常に美味しいんですよ!

ゴンズイ

毒があるけど実は美味しいサカナ3選 取扱いと美味しい食べ方を紹介ゴンズイ(出典:PhotoAC)

厄介ポイント

なんとなく口の周りにある黄色いヒゲが不気味で毒がありそうですが、そこは無毒。一番の厄介なポイントは、背ビレと左右の胸ビレに大きな毒棘が存在することです。

この毒棘は非常に長く鋭利で、靴底を貫通して刺さってしまうほど強力です。この毒棘に刺されると、刺さった瞬間から激痛に襲われ、患部は赤く腫れあがり、痺れが出てきます。

ひどい場合には、吐き気、下痢、呼吸困難などの症状があらわれ、患部が壊死してしまうこともあり、過去には死亡例があるほどです。また、毒は棘だけではなく、体表からでるヌルヌルした体液にも含まれています。このヌメリが小さな切り傷などに付着しても激痛が走るので注意が必要です。

対処法

まず、ゴンズイが釣れた場合はトングなどのサカナ挟みで掴むようにしましょう。またハリを外す際も、サカナ挟みで掴んだ状態で直接触れないようにペンチやハリ外しでハリを外しましょう。

※この時ハリを外すのが困難な場合は糸を切ってしまうのも一つの手です。

ハリが外れたら、毒のことは気にせず、氷の入ったクーラーに直接ぶち込んでください。ゴンズイは陸に上げると非常に激しく動き回ります。氷締めして動かなくさせることが、最善な持ち帰り方と言えるでしょう。

そして注意したいことが、ゴンズイが死んでも棘には毒が残っています。クーラーから取り出す際も絶対に触ってはいけません。

調理の際には、まず調理ばさみで根本から棘を除去するか、頭を落とす時にトゲごと落とすようにしてください。また体表のヌメリは塩もみすることでしっかり取り除くことができます。

この状態にまでなれば問題なく触れ、調理をすることができるでしょう。

美味しい食べ方

ゴンズイの身は、外見からは想像もできないほど美しく、ほんのりと脂の乗った淡白な白身です。あまり身が取れない為、上手にさばくスキルが求められますが、刺身がオススメ。

ゴンズイの身質は、筋肉質で、ほどよく弾力があり、コリコリとした食感が特徴です。

ゴンズイを食べる地域

ゴンズイを食用にしている地域はあまり多くはありませんが、千葉県外房の町ではしばしば見かけることがあります。

外房での主流の食べ方は、季節の野菜などと共にみそ汁に入れて食べる方法です。具だくさんの味噌汁は、非常に食べ応えがあります。

他にも兵庫県の一部の地域でも煮つけなどにして食べられています。しかし、調理に手間がかかる上に身があまり食べられないこともあってか、全国的に釣れる割にあまり好んで食べている地域は少ないようです。

アイゴ

毒があるけど実は美味しいサカナ3選 取扱いと美味しい食べ方を紹介アイゴ(出典:PhotoAC)

厄介ポイント

アイゴには、背ビレ、腹ビレ、臀ビレに硬くて鋭く、針のように発達した毒の棘(硬いヒレ)があります。

これらのヒレに刺されてしまうと、その患部が腫れあがって激しい痛みを生じます。酷い場合は、痺れや麻痺などの症状が出る場合もあり、約半日から数日の間、症状が続きます。

一般的にアイゴは、ヒレに気をつけるよう言われていますが、実はもう一点、気を付けなければならないポイントがあります。それは背ビレと頭部の間にある小さな角のような棘。

この棘は非常に見にくく、ぱっと見では気づきにくいですが、他の棘と同様に毒があるので、触る際は注意が必要です。

対処法

アイゴもゴンズイ同様、釣れた場合はトングなどで掴み、直接触れないように心がけてください。持ちかえり方もゴンズイと同じくクーラーに直行で問題ありません。

持ち帰って調理をするとき、先ず各ヒレを調理バサミで切り取りましょう。この時、頭側からハサミを入れると背びれが倒れてしまって切りにくいので、おビレ側からハサミを入れるようにしてください。また頭の角のような小さい棘も忘れずに除去しましょう。

なかなか見つけにくい場合は、気を付けてすこし大きめに頭を落とすのも一つの手です。

美味しい食べ方

アイゴは雑食性で食欲旺盛なため、内臓はかなり匂いが強いことでも知られています。特に胃袋の中は貝や海藻、甲殻類などが消化されて腐敗が進んでいることがほとんどです。捌く際は、内臓を傷つけないように除去しましょう。

上手に内臓が取れたら、シンプルに塩焼きがおすすめです。アイゴの身は、フワフワとした食感で、味もかなり濃厚で、美味しいサカナです。鮮度が良いものは、お刺身でも美味しく食べることができます。ただ中には、少し海藻の風味や磯の香りがする個体もいるので、臭いが気になる場合は、柑橘類やネギなどの薬味で臭いを軽減させると美味しく食べられます。

アイゴを食べる地域

アイゴは日本各地で食べられていますが、瀬戸内海の辺りでは高級魚として扱われています。豊富な栄養で育ったアイゴは20cmを超え、活魚としてお刺身で食べられています。

20cmを超えるアイゴは引き味も抜群。釣魚として狙って釣るアングラーもいるのだとか。また沖縄県では小型のアイゴを海水で煮る「まーす煮」という料理もあり、中部や関西地方よりもさらに西の地域では、アイゴは割とポピュラーな食材として愛されているようです。

ハオコゼ

毒があるけど実は美味しいサカナ3選 取扱いと美味しい食べ方を紹介ハオコゼ(出典:PhotoAC)

厄介ポイント

堤防からのんびり釣りをしていると、よく釣れてくる小さくても狭量な毒を持つサカナ、そう「ハオコゼ」です。

モヒカンのように立派に逆立つ背ビレには毒があります。背ビレ以外にも、腹ビレや尻ビレにも毒があるため、小さいからと侮ってはいけないモンスターです。

夜行性の為、夕方から夜にかけてたくさん釣れます。夜釣りで釣れても、暗い中で不用意にサカナに触らないようにしてください。もしそれがハオコゼだと大惨事になってしまうかもしれません。

対処法

ハオコゼの毒のあるポイントはアイゴと変わりません。同様の方法で毒のハリを取り除いてください。

取り除いた毒針は、そのままビニール袋にいれて捨ててしまうと、ごみ回収業者の人が刺さってしまうかもしれません。新聞紙に何重にもくるんだリ、ガムテープでぐるぐる巻きにして捨てるようにしましょう。

美味しい食べ方

ハオコゼはカサゴ目に属すため、カサゴやメバルなどの高級魚に似た味わいがあります。しかし、最大でも10cm前後にしか成長しない為、あまり食べ応えが無いというのが少し残念な点です。

この小さな体を最大限に楽しむには、身をそのままカラッと揚げる素揚げや唐揚げがオススメです。また、ぶつ切りにした身を味噌汁に入れることで、濃厚なダシの旨味を楽しめます。

どのような食べ方にしろ、数匹は用意する必要がありそうです。

ハオコゼを食べる地域

好んで食べる地域はあまりないようですが、個人レベルでは持ち帰って食べている人もいるようです。

やはり身があまり多く取れないことが、食用とされていない大きな原因のようです。青森県以南で釣ることができ、潮止まりなども関係がないため、一度狙って大量に釣ってみるのも面白いかもしれません。

「美しい花にはトゲがある」理論と同じ?

私たちが好んで食べているサカナやスーパーに並んでいるようなサカナには、毒が無いものがほとんどです。しかし、実はあまり流通しないものの方が美味しかったりもします。

流通しにくい理由としては、毒があって加工が必要だったり、身が小さかったりとコスパが悪いことが大きな理由だと思います。

「美しい花にはトゲがある」と言うように、美味しいサカナには毒があるのかもしれません。リリースされがちなサカナほど、美味しいのかもしれません。

ただ、扱いに自信がない場合は、くれぐれもむやみに触らずリリースしましょう。

<近藤 俊/TSURINEWS・サカナ研究所>