相模湾の特長
光合成ができる浅場の海域にカジメが生息している場所がある。海藻の一種で、固くて丈夫な茎の上には、ハタキのような葉がある。ヤシの木を想像してもらうと分かりやすいだろう。
そういった形状でコンブ色の海藻が海底に群生している。もちろん、砂地や根回りも存在している。
茅ヶ崎エリア
茅ヶ崎港の真沖からエボシ岩周り。エボシ岩は磯釣り場でもあり、ここに上陸して磯竿を使ってカワハギ釣りをする人がいる。この岩から東の海域は急な根が連なる海底形状で変化に富んでいる。その周辺は緩やかなカケアガリの砂地になっていて、ツブ根が点在しており好ポイントを形成している。
腰越・江の島エリア
江の島周辺から腰越沖、七里ヶ浜周りがポイント。島周りはかなり複雑な根が連続しており、それを遠巻きにカジメ帯が取り巻いている。島から腰越、七里ヶ浜はカジメの分布域で、魚を育むゆりかごになっており、様々な魚種が生息している。
相模湾の攻略法
何といってもこのエリアの特徴はカジメ。高さ50cm~1mのヤシの木のような海藻で群生しているエリアがある。広がった葉がじゅうたんのように、海底から距離を置いて生えており、潮の動きで右に左にユラユラ動いている。
そんなカジメ帯の攻略法だが、その揺らめく葉の上を攻めるのか、カジメの葉の途切れた穴から仕掛けを落とし込み、根元を探るのかに分かれる。
カワハギの活性が高い時
葉の上っ面を狙うことになりオモリを切った宙釣り主体。硬調のロッドとフトコロが開いたハゲバリ、ハリスは短く太くして掛けにいく。または近年トレンドになっている、たおやかな穂先~穂持ちのロッドを使い、軽くて吸い込みがいいハリ、細くて長いしなやかなハリスを使った攻めになる。どちらの釣法も、揺らめくカジメの葉の挙動を仕掛けやオモリで捉えて、それが無くなる臨界点がタナだ。
カワハギの活性が低い時
気象状況や水温の低下などで低活性の時は、カジメの根本付近を狙った縦の釣りで攻めたい。このとき中オモリを使って仕掛けを倒していく、いわゆるたるませ釣りやハワセ釣りをすると、高確率でカジメに掛かってしまう。誘った後はゼロテンションまたは中オモリを弾くような誘いが有効。
シーズン初期、カジメ帯には小型のカワハギが群がることがあり、その小さくて巧みにエサを取っていく、テクニカルなコッパの数釣りが楽しめる。
<週刊つりニュース関東版 林良一/TSURINEWS編>