10月23日、大阪・泉佐野の北中通港から出船する大型乗合船・夢丸でテンヤタチウオ釣りへ。この日は前半こそアタリの少ない厳しい釣りとなったが、後半はアタリが増えて一時は入れ乗り。メーター級を頭に数釣りを楽しむことができた。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・大西満)
夢丸でテンヤタチウオ釣り
大阪湾のタチウオ釣りは、タチウオの産卵がらみで今は一時ほどの活性が見られない。食い渋るタチウオをどう食わせるか、釣り人を悩ませる時期ではある。しかしそれを克服してうまく食わせたときの、あの「やった!」との達成感はまた格別なのだ。
釣り場は大別すると神戸沖と泉南沖に二分されるが、それぞれにまた細かく分かれていて、潮時によって濁りが出たり、二枚潮になったり、潮の反転流のせいで動かなかったり。場所によっていろいろと変化があるため、それを熟知してその日の釣り場を選ぶ船長のウデが釣果を決めるともいえる。
その点、この日お世話になった夢丸は、ほぼ周年タチウオ釣りに出船しているタチウオ釣りに特化した乗合船だ。それゆえに船長のウデは間違いない。
洲本沖で実釣開始
午前4時に受け付け、手続きを済ませて船に乗り、午前5時前に出船。久々のナギで釣り人は23人と多い。この日は洲本沖へ向かった。
夜明けごろにポイントに到着。「水深80m。底から60m付近まで反応あります」のアナウンスで釣り開始だ。この状況説明で「底から誘いながら60mまで上げてきたらやり直す」と、釣る目安ができるからありがたい。
船内アナウンスでは「テンヤは動かさないとアタリが出ません。どんどん動かして、誘いをかけながら上げてください」と、「誘い」を強調されるから、底から、電動巻き上げレベル4で1mごとにジャークを入れながら誘い上げ、20mでまた下ろす動作を繰り返したが、反応なし。
2時間アタリなし
約2時間アタリがなく、時々はイワシをかじられていたこともあったが、沈黙の時間が続いた。
突然、隣の人がバシッとアワせて1m級のタチウオを釣り上げた。「あっ、タチウオは居るんや」と安心した。その後にも同型を1匹釣り上げたのだが、よく見ていると、ほとんど穂先を動かさない(誘いを掛けない)釣りだったから「今は、穂先を動かさない方がいいのか」と、ワラにもすがりたい気持ちでじっと待ってみた。しかしそれでも私にはアタリはない。
移動後にヒットもチビタチ・・
10時前、今度は水深130mの深場に移動した。「水深は130m。100mから80mまで反応あります」のアナウンスで、105mまで落として誘いながら巻き上げると、今度はすぐに穂先に反応あり。深場だからか、穂先にふわふわとソフトな動きが出て、アワせてみても掛からない。
何度か空振りして、もう少し大きいアタリでアワせると微かに掛かった感じ。いくら伸びがないPEラインでも、深場ではイトふけがあるからか、アタリがダイレクトには出ないのだろう。
やがて、上がってきたのは指2本級のチビタチだった。これでは掛からんわなぁ…と納得。チビタチはその場で捨てる人が多いが、ほとんどは水圧の関係で死んでしまうため、鳥に食われるか死んで流れるか、どちらにしても死んでしまう。漁師から「死骸が網に掛かってかなわん」と苦情も出ているようだし、船長からは「チビタチは捨てないで持ち帰ってください」とアナウンスもあった。
巻き速度アップで指4本級
これまでとは違う反応が出始めた。水深100mから誘いながら巻き上げてくると、コツコツ、ククーッと、ともかく穂先が賑やかになる。アタリがなくなって仕掛けを上げてみると、イワシはボロボロ。すぐ、サンマのエサに切りかえて、これまでレベル3だった巻き速度を、チビタチがついてこられないだろうレベル6に上げて誘いをかけながら巻き上げる。
するとすぐにコツコツ、グイッとはっきりしたアタリが出た。速く巻き上げるからラインが張るし、動きが速いからタチウオも食いついて反転するからか、アタリが大きく出たのだろう。これは、90cmあまり。指4本級の、まずまずのサイズだった。
これが正解か、同じ釣り方をすると次々とタチウオが掛かる。しかも、チビタチではない。
118㎝指5本級も登場
入れ食いに気をよくして釣り続けていると、小アタリなのに掛けアワせたときにドンッと重々しい手応えが返ってきた。すかさずレベル18で巻き上げをかけると、ギューンッと穂先が一気に水面に引き寄せられる強烈な引きがきた。
サオをのされて棒引きになるとハリ外れの可能性もあるから、サオ尻を下げ、サオの弾力を利かせながら巻き上げると、水面下に大きい「銀太刀」が見えてきた。リーダーを持って引き上げ、メジャーを当てると118cm。指5本級の大タチだった。
その後にも同型の大タチが釣れ、「これはすごい」と喜んだのだが、その後は指3本級の中タチが続いて午前11時半に沖上がりとなった。