大阪湾波止タチウオ開幕 短い時合いを3つの釣法で攻略!【汐見埠頭】

大阪湾波止タチウオ開幕 短い時合いを3つの釣法で攻略!【汐見埠頭】

今季、シーズンインが遅れていた大阪湾の波止タチウオだが、ようやく各地で回遊が始まった。まだまだ、本格的とは言えないが、待望のシーズン開幕に10月5日(土)、時合いを逃さないための秘策を講じて大阪・泉大津の汐見埠頭へと向かった。

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(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

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堤防釣り 海釣り

汐見埠頭で竿出し

週末の半夜釣りと言う事もあって、波止は大混雑が予想されるため、昼前には現地に到着したが、少し周辺を見てみようと言う事で、現在タチウオの好釣果情報が出ている、泉佐野食品コンビナート、貝塚人工島などを見て回ったが、どこも竿を出せる余地すらない混雑ぶり。

そこで、徐々に北上をしながら釣り場を見て回ると、広い護岸である汐見埠頭で空きスペースを見つけた。両サイドの釣り人に声を掛けると、1人はつい先ほど到着したところで、夕方までのサビキ釣りと半夜のタチウオ狙いと言う。もう1方の人はタチウオ狙いはせず、夕方までサビキでアジを狙って帰ると言う。

マイワシ回遊でサビキ釣り

こちらもタチウオの用意をしつつ、同行の初心者女性2人にはサビキタックルを持たせて釣りを楽しんでもらう。が、数週間前とは違い、すでに日中にアジの姿はなく、お隣さんに聞くと、「夕方の短時間にいいサイズのアジが回遊してくる日がある」と言う。

時間はたっぷりとあるので、ゆっくりタックルの準備をしていると、周囲が騒がしくなった。突然のマイワシ大回遊!水面下には良型のイワシが大群で通過し、サビキ仕掛けを垂らすと一気に食って走る。それも20cm以上あるマイワシだ。まきエサには反応せず、通過していく途中にたまたま口を使う…と言った感じで群れを止める事はできないので、少々効率は悪いが仕方がない。

白系のハゲ皮サビキがアタリ

女性2人の内、1人にはマルシン漁具のサバ皮・ハゲ皮サビキのハゲ皮(白)の5号を使ってもらい、もう1人には絶好釣アジサビキのピンク(スキン)を使ってもらった。

反応のいい方に揃えるために全く違った系統のサビキを使用してもらったが、この日は白系のハゲ皮への反応がいいようで、すぐに2人ともハゲ皮タイプに交換すると、一気に食いがよくなり、それまで単発で掛かっていたのが連で掛かるようになった。サビキもタイプの違ういくつかの種類を持参しておくだけで、人よりも簡単にたくさん釣れるのだ。

大阪湾波止タチウオ開幕 短い時合いを3つの釣法で攻略!【汐見埠頭】ハゲ皮サビキでイワシ連掛け(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

いよいよタチウオ登場

夕暮れまで時折回遊してくるイワシと遊んでいると、日暮れ前にイワシの群れの動きがかわった。波止際を逃げまどうように素早く回遊する群れと、沖の方で何かに下から突き上げられてナブラ状態になっている群れが見られる。

おそらく、タチウオの回遊が始まったのだ。こうなると「時間が勝負」だ。まず、早い時間帯に威力を発揮するワインドでやってみるが、初心者の女性には難しいので早めにウキ釣り仕掛けを渡す。

ここからは短い時合いを3パターンの釣法で攻略していこう。

1,ワインドでリサーチ

ワインドタックルはエギングロッドにスピニングリール3000番、PEライン0.8号の先にはフロロカーボンのリーダー4号を1mほど接続。その先にはタチウオの鋭い歯に備えてダート専用ワイヤーリーダーである「サーベルダート」の15cmタイプを付ける。

ここでアドバイス。日によってタチウオがワイヤーリーダーを嫌う時がある。そんな時のためにナイロンリーダーも持参したい。この日は「STナイロンリーダー」の10cmと15cmタイプも持参していた。周りに反応があるのに、自分に反応がない時には見切りよくリーダーの素材をかえると一気に食いがよくなる場面が多々ある。

大阪湾波止タチウオ開幕 短い時合いを3つの釣法で攻略!【汐見埠頭】ワインドタックル(作図:TSURINEWS関西編集部・松村)

3種類のワームが付いたセット

ワインド用のヘッドはお手軽にサンダートセットを使った。これはあらかじめアシストフックまでついたダートヘッドにピンクラメ、グロー、シルバーラメの3色のワームがセットになったアイテムで最低限、これだけ持参しておけば釣りになる。

大阪湾波止タチウオ開幕 短い時合いを3つの釣法で攻略!【汐見埠頭】当日使用したワインドアイテム(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

反応がないのでSTナイロンリーダーに変更して、グローからピンクラメに変更した途端、カカッとショートバイトながら反応が出るようになった。ワームカラーのローテーションは必須なのだ。が、タチウオのサイズが小さいのか、反応はあるもなかなかフッキングに至らない。

で、日が暮れたので早々にワインドでの釣りを見切って、次は引き釣りへ移行。この見切りも波止のタチウオ釣りでは非常に重要なファクターになってくる。

2,テンヤの引き釣りへ

引き釣りはタチウオJOYヘッドにサンマの切り身、キビナゴ、冷凍のドジョウをセットしてローテーション。JOYヘッドはヘッドの重さでS、M、Lの3サイズがあり、それぞれにピンクグローとブルーグローの2種類がある。その場で交換すると時間が掛かるのであらかじめ、SとL、そしてピンク、ブルーの2タイプの合計4アイテムにドジョウとサンマの切り身を付けてクーラーボックスに保管し、いつでも交換できるようにした。

大阪湾波止タチウオ開幕 短い時合いを3つの釣法で攻略!【汐見埠頭】引き釣り用アイテム(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

ロッドはワインドのタックルをそのまま使用して、リーダーもSTナイロンリーダー15cmをチョイス。できるだけ遠投して、5カウントほどフォールさせたら、ゆっくりとリールで巻いてくる。するとコツッ、カツッとやはりショートバイトが出た。

大阪湾波止タチウオ開幕 短い時合いを3つの釣法で攻略!【汐見埠頭】引き釣り用タックル(作図:TSURINEWS関西編集部・松村)

巻くだけでガツーン!

そこで、初心者女性に持ってもらってリールで巻いてくると、突然ガツーンと竿が引ったくられるような激しいアタリ。ブルーグロータイプのJOYヘッドにヒットしたのは70cm級の中型だが、今季初の波止タチウオだ。

大阪湾波止タチウオ開幕 短い時合いを3つの釣法で攻略!【汐見埠頭】あすかさんにタチウオがヒット(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

初心者女性のあすかさんも「こんな簡単に、いきなり強烈な引きが来るんですね。びっくりしました」と大喜び。まだ釣れる…と、何度か引き釣りで試してみたが、ショートバイトはあるもののフッキングに至らない。

3,ウキ釣り

と、隣でウキ釣りの仕掛けを出していたゆかりさんのウキに反応が出ている。すでにウキ釣りで釣れる時間帯に突入か…。この見極めが早ければ早いほど時合いを逃さない。

ちなみにウキ釣りのタックルは磯竿2号4.5mに4000番のスピニングリール、道糸はナイロン4号を使った。オモリ負荷3号の電気ウキに仕掛けは数タイプを用意していつでも交換できるようにしていた。

大阪湾波止タチウオ開幕 短い時合いを3つの釣法で攻略!【汐見埠頭】当日のウキ釣り仕掛け(作図:TSURINEWS関西編集部・松村)

複数の仕掛けでパターンに対応

今回使用したマルシン漁具のタチウオ仕掛けはタイプが豊富でその時々の状況に合わせやすいのがキモだ。

大阪湾波止タチウオ開幕 短い時合いを3つの釣法で攻略!【汐見埠頭】豊富なラインアップが嬉しい(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

太刀魚キラー仕掛けはシングルフックと縦型のダブルフックがあり、どちらかといえば食いが渋い時にはシングルフックがオススメ。時合いで食いが活発な時には即アワセもできるダブルフックタイプで数を稼ぎたい。その他、ダブルフックの先にトリプルフックが付いたタイプもあって、こちらもエサに付いたタチウオを確実に掛ける事ができる即掛け用なので、短い時合いに効率よく数を稼ぎたい日にオススメ。

またタチウオ水平2連、水平3連はエサのキビナゴが水中で水平になり、あたかも泳いでいるような姿勢になるよう工夫された仕掛け。2連は頭部のすぐ後ろと尻尾の手前、3連は頭部、背びれ付近、尻尾の手前とハリを刺し分けて、水中でキビナゴがバランスよく水平になるよう設定する。

タチウオは本当に不思議な魚で、そんな仕掛けの少しの違いで食い込みやアタリの数が大きくかわる。いかにその時の状況に合わせる事ができるのかが、釣れる人と釣れない人の分岐点なのだ。

さて、当日は1本バリでアタリはあるものの、魚が小さいのか食い込みが浅く、フッキングに持ち込めない状況が何投か続いたので、すぐに太刀魚キラー仕掛けのダブルフックタイプに変更してみた。

竿ごとに仕掛けをかえる

あすかさんには1本バリでのサンマの切り身エサで釣って貰う。エサや仕掛けをグループ内でかえる事で、その日のアタリパターンを見つける事ができる。

ダブルフックにかえたゆかりさんのウキが少し沈み、また浮いてきた。タチウオがエサに付いた証拠だ。ここで慌てず、そのまま放置しているとまたまたスーッと沈んだかと思ったら、今度は一気に突っ走って、竿ごと持っていかれそうな引きがダイレクトに伝わってきたところでアワせると磯竿が満月に曲がる。この瞬間がタチウオ釣りの醍醐味だ。

ダブルフックで即掛かり

しかし、即掛けもOKなダブルフック仕様の仕掛けだけに、こちらがアワせる前にハリが掛かって、タチウオが突っ走ったのだろう。これは初心者にも明確で分かりやすい反応だ。

大阪湾波止タチウオ開幕 短い時合いを3つの釣法で攻略!【汐見埠頭】ウキ釣りでもヒット(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

時折、やってくる強烈な締め込みをかわして波止に上げたのは、先ほどと同じようなサイズのタチウオ。工夫と見極めの甲斐あって、ようやく2匹目をキャッチした。

大阪湾波止タチウオ開幕 短い時合いを3つの釣法で攻略!【汐見埠頭】70cm級でも嬉しい1尾(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

3つの釣法で短い時合いを捉える

ただ、この日は極端にタチウオの時合いが短く、タチウオの回遊が始まった…と認識してから、アタリが止まってしまうまで、約30分。周囲ではこの間に、タチウオの反応すら得られなかった人が多数いたが、3つの釣法を見切りよく組み立て、構成する事でタチウオを手にする事ができた。

2タックルの併用で荷物少なく

ちなみにこの日使ったタックルは、ウキ釣りが磯竿+スピニングリール(ナイロン道糸)、ワインドと引き釣りがエギングロッド+スピニングリール(PEライン)の2タックル。いろいろな釣りを展開しようと思えば、どうしても持参する道具が多くなると思われがちだが、先に付ける仕掛けを事前にしっかりと準備しておく事で荷物は少なくなし、効率よく時合いを攻める事ができる。

大阪湾波止タチウオ開幕 短い時合いを3つの釣法で攻略!【汐見埠頭】当日持参した2タックル(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

大阪湾の波止タチウオはいよいよこれから本番を迎える。3つの釣りを効率よく使う事で、時合いをモノにしてタチウオ爆釣に挑んでみよう!

<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>

▼この釣り場について
汐見埠頭
所在地:大阪府泉大津市