相模湾キハダマグロも後半戦。今年は大型のキハダマグロが多く、9月半ばからは小田原沖で俗に言う50kg、60kg級「小田原モンスター」が釣れ続けている。9月24日、ちがさき丸での模様をレポートする。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・近藤 惣一郎)
ちがさき丸のプレミアムマグロ船
午前6時出港。ちがさき丸では今年から米田船長の一号マグロ専門船をプレミアムマグロ船としてグレードアップ。乗り合い料金は1万6千円と多少高価にはなるが、インターネットで希望の座席を事前指定が出来、全ての釣り座には、ロッドキーパー、コマセ、付けええさ、タオル、釣り座クッション、氷がセッティングされている。
だからこそ当日も午前5時20分位に港に到着すれば良く無理な早起きも不要でベストコンディションで釣行出来る。
当日の状況
当日は8名の釣り人、私は左舷ミヨシ。ポイントの小田原沖には午前7時に到着。平日であるものの相模湾近郊のマグロ船30隻ほどがこの海域に集結。台風17号が日本海に抜け前日23日は南西風が強まりシケに。
この日は前夜まで強かった風も収まり良い凪の海。船長の指示ダナは45m。仕掛けハリスは22号以上6mの指示。大物に備え私はいつもより太めの26号ハリスでスタート。
シケ前は朝から活発にアタリが出たが、この日はマグロの感度はあってもなかなか浮かずスロースタート。午前9時くらいまでは海域で3隻ほどがヒットした程度だった。
マグロヒットも針外れ
マグロ釣りではソナーと魚探を見つめ続ける船長のアナウンスが頼り。午前9時過ぎ「マグロが上がってきた上がってきた!」と船長の力が入ったアナウンス。このタイミングに大抵船上の誰かにヒットする。
ロッドを手持ちに集中力を高めてアタリを待つと私のマッドバイパースティングのサオ先がググッと入り込む。「ヒット!」と叫んでサオ先を上げてアワセを入れたものの、70m位魚が走った頃に針外れ。
モンスターを想定し、ヒット瞬間の衝撃を和らげシステムブレイクが生じないよういつもよりも少しドラグを緩めに設定し、アタリを待っていたことが裏目に出て、針掛かりが甘くなったことがバラシの要因になった。
この後も、ずっと感度はあるもののナブラはなかなか浮かない状況。ハリスを長くする工夫をしても結果が出ず、時間も過ぎ正午を迎える。
それでも朝が悪いときは大抵お昼頃から食いが良くなってくることを信じて集中力を保つ。
午後になり船中連発!
正午過ぎから南西風が強まり雲も出始めた。すると周りの船にもアタリが出始める。そして「船の周りにマグロは居るよ、だんだん船下に入ってきた入ってきた」と米山船長のアナウンス。
すると私の右舷ミヨシの橋本さんにヒット、手巻きで奮闘し、最後は中乗りの米山翔太君が手でたぐり寄せ30kg級の船中一本目がギャフに掛かる。聞けば仕掛けはハリス22号。いくら大物を狙っていてもアタリが出なければ始まらないので、私もいつもの22号に変更。
午後1時、今度は左舷胴の間・山口真人さんにヒット。同舷なので私もかけよってアドバイスしつつ15分ほどのやりとりで見事な35kgが仕留められた。
ラストに待望のヒット!
納竿の午後2時まで残り30分。それでも「船の下にずっとマグロは付きっぱなし!入れてください!」と船長の檄。
一生懸命な船長や翔太君の気持ちに応えるためにも何とか一本をと、コマセを振り出しタナを取り、アタリに備えていると、待望のヒット!
今度はドラグも締め気味でアワセもバッチリ。ファーストランは110mほどで止まったが、なかなか弱らず、170mまで糸が出る。慌てずここで十分弱らせて巻き上げる策に。マグロリングも投入する。
海面でまさかのサメ
しばらくすると弱りはじめ、ドラグを締めてゆくと巻上が出来るように。70mラインで再び抵抗を見せるもののシーボーグ800MJのパワーとドラグ調整で順調にあがってくる。50mを切ったところからサメにやられないよう一期に高速で巻き上げる。40、20、10…そしてリーダーが入り、翔太君にハリスを手繰ってもらう。
しかし、大きな魚体が海面に近づいた瞬間、もう一つ大きな影が現れキハダを襲う。青鮫だった。鮮血が流れたが、それでも素早くハリスを手繰り、何とかタモ入れ。