伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「マッシュ系エサの宙釣り」。この釣りで多く見られる場面は大型釣り。とくにダム湖などの大型狙いではなくてはならない釣り方だ。なぜ大型にはマッシュなのか。そのへんのところを考えてみよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
マッシュは大型狙いに向いている
マッシュを使った宙釣りは、おもにダム湖などでの大型狙いのケースが多い。つまり逆の見方をするなら、大型を狙うならマッシュが向いているともなる。それはなぜだろう?両ダンゴとかではダメなのだろうか?
「たとえば関東を代表する大型釣り場(宙釣りの)である亀山湖や片倉ダムを例にしてみると、ほとんどの人がマッシュエサを基本にしているよね。それは大型だけを釣りたいからなんだ。小さい(尺半以下)魚は不必要。だからアタリ数は少なくても我慢できる」
マッシュだとアタリが少ないのですか?
「そもそも同じ条件で両ダンゴと比較したことがないから何とも言えないけど、両ダンゴを試したことがある釣り人からは『アタリは増えるけど型は小さくなる』という声が聞こえるよ」
集魚性の問題?
「それは確かにある。マッシュに比べたら、明らかに集魚力は高いだろうからね。それとエサ玉のサイズも関係してるんじゃないかなぁ」
エサの大きさに合わせハリのサイズを調整
ハリ付けサイズのことですか?
「そう。両湖でマッシュの釣りをする人の多くがハリはサイトを例にするなら15号以上を使う人がほとんどだからね」
ちなみに伊藤さんの場合は?
「上下ともサイト18号だね。以前は20号があったんだけど、今はカタログ落ちしてるから」
両ダンゴだと、それほど大きなハリは使わない?
「うーん…ゴメン。両ダンゴでそんな大きなエサを打った経験がないから何とも言えないなぁ。ただ、もし仮に大きなダンゴを打つのなら、ハリは大きくする必要があるだろうね」
それはエサを持たせやすいからですよね?
「ご名答。エサの大きさに見合ったサイズのハリを使う。これは釣りの基本だからね」
両湖にはブルーギルがいますよね。大エサを必要とするには、そのへんも関係しているのでしょうか?
「もちろん。小エサ(と言ってもハリで言うなら10号前後)を打ち込むと明らかにブルーギルの反応がいいし、集魚成分の多いエサを打てば打つほどヤツが寄りやすくなるのも事実だからね。あとはエサを小さくすると、ブルーギルがハリ掛かりした時に飲み込まれる確率が高くなるよ。あれを外すのはかなり厄介だからね」
エサの種類でアタリにも違いが
つまりジャミがいる釣り場は、亀山湖や片倉ダムに限らずマッシュ系がいいということですか?
「ジャミの種類にもよるけど、大方はそうことになるよね。あとはマッシュの特性がジャミに向いているとも言えるんじゃないかなぁ」
そのマッシュの特性とは?
「練り込むと非常に粒子が細かいバラケ方をする。むしろ粒子感ではなく、表面が溶けて煙幕状になるとも言えるかな。だからジャミがエサを突いた時に、表面の剥がれ方に差が出ると思うんだ。実際に水中を見たわけじゃないから何とも言えないけど、それをウキで表現するなら下図のようになることが多いかもね」
つまりジャミがアタってもマッシュだとウキに現れにくいということですね?
「そういうこと。両ダンゴだとアタリとして出てしまうから、釣り人はアワせてしまう。でもマッシュならアタリになりづらいから待てる。ここが大きな違いだと思うんだよね」
ジャミに突かれた時の耐性が、両ダンゴよりもマッシュのほうが強いわけですね?
「まあ練り方とかタッチにもよると思うけど」
次回も「マッシュ系エサの宙釣り」です。
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>