ハゼ釣り名人の祖父・誠さんと父・佑(たすく)さん、そして娘のまほろちゃん(8歳)で家族3代で、のんびりハゼ釣り。さてまほろちゃんの人生初ハゼは、釣れるだろうか。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 大谷俊夫)
初心者入門に最適な「ハゼ」
船はもちろん、陸でも釣りをしたことがない人にとって最初のターゲットになる魚はなんだろうか。フナで始まった人もいれば、堤防でウミタナゴに出会った人もいるだろう。夏になると強いスポットが当たる、そんな初心者入門に最適な魚がいる。鮮魚店にはなかなか並ばない隠れた美味魚、ハゼだ。
食卓に並びにくい魚なので「食べたことがない」と言う人はいるかもしれないが、刺し身にしても天ぷらにしてもとても美味。その食味を楽しむためには自ら釣りに行くしかないが、比較的、魚影は濃く、シンプルなタックルや仕掛けで狙えるので釣りやすい。夏のレジャーとして小さな子どもを連れたファミリーの姿が多く見られる、まさに入門用のターゲットだ。
関佑(たすく)さんは「子どものころ一度やったことがあるかな」程度の経験値。娘の、まほろちゃん(8歳)を連れて「江戸川放水路からボートで出舟する」と聞き、同行させてもらった。
祖父のサポートでハゼ釣りへ挑戦
祖父の誠さんがサポートとして同舟する。和竿に精通したハゼ釣りのエキスパートで、今季、すでに何度も同エリアでハゼを実釣している。
「小型がメインで、ハゼバリは大きすぎる。袖バリの2~3号がいいだろう」と竿から仕掛けまでしっかり用意。これは心強い。しかも並んだ3本の竿は、”竿かづ” “正勇”の作品で、お値段は¥12万、¥8万、¥4万なり。
マニア垂涎の和竿を手に、ビギナーと小学生がボートに乗り込む。
エサ付けも自分でトライ
3人は曳舟をしてもらい、水深50cm~1mのポイントへ。
状況に合わせせて場所を移動、水深が変わることが前提なら、イトを調節できる手バネが最適。
同じポイントで長く楽しむなら、ノベ竿でも対応可能な水深だ。
エサは青イソメ。まほろちゃんは初めて見る釣りエサに四苦八苦しながらも、自分でエサ付けにトライ。
金ホロたいこオモリの天ビン仕掛けを見て「何で金色なの?」と、素朴で純粋な疑問をぶつけながら初投入。彼女にとって、人生初となる釣りが始まった。
待望の人生初ハゼヒット
ちょうど潮止まりから上げに転じる時間帯。あまり活性は高くない。こうなると、子どもは飽きてしまう。
誠さんは少し移動して、水底にカキ殻が密集しているポイントへ。ここに来ると、ぽつぽつ魚が顔を出す。佑さんも少しずつ数を伸ばすが、まほろちゃんはカキ殻に引っ掛かって苦戦。
「何で2人には釣れるのに、私は引っ掛かってばっかりなんだろう」の疑問に「オモリを水底に着けないとダメ」とか「イトをたるませるから引っ掛かるんだ」とか「ジジ(おじいちゃん)みたいにアタリをうまくとるんだよ。まほろはへたっぴなんだよ」と、愛と笑いあるスパルタ教育がほどこされていく。
そのかいあってか、まほろちゃんは無事に魚の顔を見ることができた。これには「人生初のハゼだな」と父、祖父ともに破顔。
時折、10cm超えの良型が顔を出し、3人とも楽しそうに釣り続けた。数を狙うテクニカルな釣りもいいが、そこにはこだわらずのんびり楽しむのもいい。そんなボートハゼの魅力を実感させてくれた一日だった。
まほろちゃんの感想
私は、夏ハゼ釣りに、パパと千葉のジジと行きました。
小さなみどり色のボートに乗りました。
私は、初めて川で釣りをしました。
青イソメというミミズのようなエサを付けて、釣りました。
竿の先がピクピク動くのを感じて釣ることが難しかったです。
パパと私の釣ったハゼは45尾です。私が釣ったなかで一番大きかったのは15cmでした。またやりたいなと思いました。
<関まほろ>
<週刊つりニュース関東版 大谷俊夫/TSURINEWS編>