8月18日は神戸・和田防波堤沖新波止へ落とし込みでチヌを狙って釣行。残念ながら垂直岸壁での落とし込みでは釣果を得られなかったが、テトラ帯での前打ちでは本命3匹を仕留めることができ、大満足の一日となった。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・伴野慶幸)
和田防波堤沖新波止へ渡堤
8月18日早朝、和田防波堤渡しの河内渡船を訪れた。当初は岩ガニをエサに前打ちで、和田防波堤でのチヌ釣りを予定していたが、「岩ガニのエサがあるのなら、新提が面白いよ。昨日はアコウとサンバソウが釣れた」と、ホットな情報を教えてくれた。
猛暑の時期、釣れる可能性がより高い釣り場に行くのが賢明と急遽予定変更。神戸・和田防波堤沖新波止行きを決めた。
釣り場と渡船店
今回釣行した神戸・和田防波堤沖新波止は、正式名称を第1南防波堤といい、和田防波堤の白灯台から南の沖に見える全長約300mの防波堤だ。西向きは垂直壁面のケーソンで、回遊魚と落とし込みの好釣り場、東向きはテトラ帯で、フカセ釣りでチヌ、ミャク釣りで根魚が狙える。
渡船店は複数あるが、私は長年河内渡船にお世話になっている。河内渡船は老舗ともいえる存在で、和田防、新波止、ポートアイランド赤灯波止の3か所に渡している。多くの常連から寄せられる日々の生きた情報のほか、ホームページも充実しており、フィッシングマックス神戸ハーバー店とも協力関係にあるので、情報収集や下調べには事欠かない。
利用する際は、まず店舗で乗船手続きを済ませて乗船券を受け取ってから、離れた場所にある乗船場に向かう。なお、大阪湾の沖波止は全域で救命胴衣の着用が義務付けられているので注意のこと。
エサとタックル
当日の釣法は落とし込み釣り。タックルは、落とし込み専用リールに、ストライプカラーの落とし込み・ヘチ専用の2号ライン。ラインの先には市販の目印仕掛けを接続し、ハリス1.7号を直結する。ハリスは硬めのものがいい。ハリはチヌバリ3号で、チモトにはガン玉2Bをかませた。
エサはイガイの入手が今年は無理なので、岩ガニを買って持ち込む。カニは脚の付け根からハリを刺し、横掛けにして、甲羅からほんの少しだけハリ先を出す。横掛けは、エサの落ち方の安定感では尻掛けに劣るが、カニの動きが活発という利点がある。
当日は猛暑でカニが弱らないように、海水とカニを入れたビニールバケツに、冷凍ペットボトルを漬けて水温を下げる対策をとった。こまめに新鮮な海水に入れかえることも大切だ。
そしてロッドだが、西向きの垂直壁面がフィールドになるので、3.9mの落とし込み専用を使用した。ただし、元々は和田防での前打ちを予定していたので、別で6.3mの前打ち専用ザオも持参していた。これが後に大きな決め手となって、好釣果を得ることになろうとは、釣り始めの時点では知る由もなかった。
ルアーではブリも登場
朝5時の始発便は15人ほどの釣り人を乗せて出船。根魚やアジ狙いの常連の姿も見えるが、大半はルアーマン。新波止には私を含めて5人が降りた。他の渡船で先に渡っていたルアーマンたちは、すでに西向きに居並び、キャスティングを繰り返していた。
5時半ごろからツバスや大サバが釣れだした。ツバスも初夏のころに比べて一回りサイズアップしているようで、あちこちでパワーファイトを楽しんでいる姿が見られた。8時過ぎごろにはブリを釣り上げた人もいて、波止は活気に溢れていた。
落とし込みではヒットに至らず
その一方で、私が目論んでいた落とし込みが可能なスペースは限られており、私を含め5人ほどいた落とし込み、ヘチ釣りの人はアウェー状態だ。しかし、中の1人が「魚が浮いているみたい」と私に教えてくれた。当日は大潮で朝7時半ごろの満潮と、時合いが近づく時間帯。好機を逃すわけにはいかないと、空いているスペースで落とし込みを開始した。
すると6時ごろ、コツンという感触が手元に伝わってきた。しかしアワせられず、エサだけが取られてしまった。その後しばらくして出た止めアタリも、カニが噛み潰されただけでハリ掛かりさせられず。魚はいるのに、自分の下手さに情けなくなるばかり。
テトラの前打ちに光明が
そうこうしているうちに、探り歩けるスペースが早々に尽きてしまった。さあ困ったと思案していると、ふと目にしたのは、北端のテトラの縁でチヌを釣り上げた人の姿。垂直壁面から早々とテトラをフィールドに切りかえて、4mそこそこのサオで足元を上手く攻めている。
私はそこでピンときた。私の6.3mの長ザオなら、もっと広範囲に探れて勝負できる。ここが乗りかえ時だと、朝7時ごろに目印仕掛はそのまま、ロッドだけかえて、テトラの前打ちに転じることにした。