Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック【電動リール使用のメリット】

Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック【電動リール使用のメリット】

今日の問診票

釣り人なら誰でも憧れるマグロやヒラマサ、カンパチ、モロコといった大物釣り。 ベテランアングラーは手巻きリールで行う方が多いのですが、先生は電動リールを使われているようですが、手巻きでは行わないのですか?大物釣りでの電動リールのメリットを教えて下さい。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・近藤惣一郎)

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近藤 惣一郎

医学博士・京大卒。SOグレイスクリニック院長。脳外科・美容外科専門医。DAIWA沖釣りフィールドスタッフ。ロンリー侍ドクターとして各種メディアで活躍中。

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船釣り エサ釣り

ヘビー級電動タックルの持ち方

軽量化が進んだとは言え、電動リールは手巻きリールに比べ重く、それと大物ロッドを組み合わせたタックルの総重量はかなり大きくなります。例えばSB800MJは1.7Kg、マッドバイパースティング175は700gで総量2.4kgになります。単純にこれを手に持ってみると男の私でも重いのです。

アタリは置き竿でも出ますし、置き竿でも運良くカンヌキに針掛かりすることはあります。しかし運では無く狙ってキハダを仕留めるためには、キハダが餌を咥えた瞬間の道糸の変化を手指で感じとりアワセを入れることが必要なのです。キハダ用のヘビータックルを終日手持ちにすることは無理があるように思えるかも知れませんが、持ち方、構え方次第です。

持ち方

リールをパーミングした左手を支点に、右腕でバットを握り、脇を締め竿尻(デカアテ)を脇腹と左上腕で挟んで抱え、左肘を自分の腸骨(骨盤の外側骨)に載せて構えることで、タックル重量は右手、左手、挟んだ脇腹、腸骨という四箇所に分散されタックルが終日楽に持てるようになるのです。

構え方

Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック【電動リール使用のメリット】手持ちスタンディングのポジション(提供:WEBライター・近藤惣一郎)

サオ先は海面に向け、右手は道糸を抑えながらバットを握ります。こうすればアタリの瞬間引き出される道糸の変化をサオ先より早く手指がよそ見していても目を閉じていても感じとります。そして右手で道糸毎バットを強く握ってアワセを入れればドラグ設定に関係なく道糸の出を止め、確実なフッキングにつながるのです。

無限の可能性を追い求めて

以上大物を釣りで電動リールを用いるメリットや留意点、スタンディングポジションでの工夫を述べさせてもらいました。ただし、数では無く一匹とのやりとりを自力で行いたいという巻きリール派の考えを否定するものではありません。

電動リールは、単純に女性や体力に自信の無い方が大物を釣り上げるのに役立つと言うだけでは無く、ベテラン釣り師であっても魚と真剣に勝負でき、ヒットした魚を取り込む確率を上げ、やりとり時間を短縮することで船全体の釣果も向上させ得ます。また電動リールは今まで逃していた夢のような更なる大物を仕留める可能性を無限に拡げる人類の英知の賜だと思っています。

私は未来を見つめ電動リールを使っているのです。

Dr.近藤惣一郎のフィッシングクリニック【電動リール使用のメリット】釣り人の心技体が集約された釣果(提供:WEBライター・近藤惣一郎)

<近藤惣一郎/TSURINEWS・WEBライター>