こんにちは。秋丸美帆(みっぴ)です。今回、はじめてのカットウ釣りに茨城鹿島にある不動丸でチャレンジしました。果たして初体験の結果は?
(アイキャッチ撮影:週刊つりニュース関東編集部)
高級毒魚『フグ』を狙う
美味しいと分かっていても、リリースしなければならない魚がこの世には存在します。私は食に貪欲なので、立派なそれが釣れた際はリリースをするのが毎回惜しいくらいです。「美しいバラにはトゲがある」のと同様、この魚はとても美味ですが、体の至る部分が猛毒。
ここまで言えば、もうわかりますよね。一般の釣り人が安易に持ち帰って食してはいけない魚、それは高級魚『フグ』。
ひと口でフグといっても、さまざまな種類がいて、筋肉・皮・内臓など、毒のある部位が変わってくるので、免許を持たない人が調理するのは大変危険だし、絶対にやってはいけない行為です。
フグの免許取得には、各自治体ごとに受験資格が定められ、都県によっては調理に関わる仕事を長年していなければ、受けることができません。
では、自分で釣ったフグはやはり食べることを諦めなければならないでしょうか。いえ、じつは毒のある釣りフグを釣って持って帰ることのできる、夢のような釣りが関東にはあります。
持ち帰りOK!のカットウ釣り
私がこの釣りを知ったのは、ずいぶん前のことです。美味しそうなショウサイフグやアカメフグを釣り、そのあと料理までアップしている写真がSNSなど定期的に載るようになり、とても興味を持ちました。
調べてみると、カットウという釣り方で、フグは処理免許を持っている船宿が処理してくれます。
しかし、私の地元・九州にはこの釣り文化がなく、関西や関東まで足を運ばなければできません。
そこで、今回はこの釣りを熱望してリクエスト。はじめてのカットウ釣りにチャレンジすることができました。
鹿島港から出船
お世話になったのは、茨城鹿島にある不動丸。良型主体に釣れているので、平日でも多くの釣り客で賑わっていました。
私は初めてということで、ベテランにエサのつけ方から釣り方まで教わりました。
エサはアオヤギやエビを使用し、集魚目的で大きなハリに、たっぷり付けます。
その下には二組のハリが段差で装着されていて、仕掛け自体はシンプルで簡単なものでした。
流す場所によって根掛かりがあるとのことなので、仕掛けは多めにあったほうがよさそうです。
1投目から特大サイズをゲット!
まず、水深25m前後のポイントからスタート。海底まで仕掛けを落としたら、一度空アワセをして、50cmほどあげたらゆっくりと誘い下げ。
すると、1投目からコツコツという小さなアタリ。直後、激しくたたくような引きに変わったので、思いきりアワせるといきなりヒット。とにかく重くて、たまに抵抗する動きをみせます。
上がってきたのは、特大に入る衝撃のサイズでした。これにはベテランの人もびっくり。
続いた2尾目も大きく、この時点で頭のなかは「テッサ」でいっぱい。
その後、アタリが少なくなるとキャストして広範囲に探り、フレッシュなポイントをたくさん探ります。
半信半疑でもアワセが重要
朝のラッシュが終わると、やがて食い渋りモードに。
エサはアオヤギだけでなく、エビを合わせて使ったり、誘いの速さを変えることで、その時々のパターンでアタリを拾っていく釣りになりました。
違和感があれば半信半疑でも必ずアワセを入れることが、かなりキモだったように思えます。
かなり小さなアタリが多く、フグではないような疑わしいシグナルが意外にも良型だったので、しっかり竿先を見て、手に伝わる感覚で、「今だ!」というアタリがわかれば、小さくシャープに鬼アワセ。
薄造りが大好評
当日は本命以外にも、マコガレイなど美味しい土産がよく釣れました。
捌いてもらって九州の自宅に空輸(撮影:週刊つりニュース関東編集部)
ショウサイフグの薄造りは、料亭で出されるような高級な味で、家族からも絶賛の嵐。一気に3、4枚とって食べる、ぜいたくな食べかたもできて、とにかく大満足のひとことでした。
次は、ぜひアカメフグを釣って食べてみたいな。
<週刊つりニュース関東版 秋丸美帆/TSURINEWS編>
▼この船について
不動丸
エリア:茨城南エリア
出船港:鹿島港