伝統釣法『シャクリマダイ』で3kg級本命を手中【千葉県・彦次郎丸】

伝統釣法『シャクリマダイ』で3kg級本命を手中【千葉県・彦次郎丸】

内房上総湊はカワハギやアオリイカ、アジ釣りなどで人気を集めているが、何といってもメインターゲットはマダイ。それもコマセを使わず、リールがない手バネによるシャクリマダイに注目したい。

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彦次郎丸で『シャクリマダイ』

古くからの伝統釣法は、マニアックで熱狂的な「この釣りひと筋」というファンに支えられている。

最近は若い船長が増え、時代に即した、ひとつテンヤや鯛ラバにも柔軟に対応して、新たな客層の開拓にも力を注いでいる。6月22日(土)、上総湊港の彦次郎丸から出船。例年8月にある同港でのマダイ大会、その予行演習を兼ねて様子見をするつもりだ。

えさは活けエビ

5時半に畑中功・若船長の操船で出港。まず港前に沈めてあるカゴから活エビを積み込む。10cm近い、いい型ばかりで、いかにも釣れそうだ。

伝統釣法『シャクリマダイ』で3kg級本命を手中【千葉県・彦次郎丸】期間限定のエサ「活エビ」(提供:週刊つりニュース関東版・坂本康年)

30分ほど走って金谷沖のポイントに到着。すこし前にエビが配られてスタンバイ完了。船長の指示ダナは25ヒロ。手バネは難しいと思われがちだが、基本を理解すれば極めて簡単。シンプルイズベストで利にかなった釣りかたは、釣れたら昔もいまも興奮度はマックス。この釣りは船長が竿を出すので、初心者は見て覚えるのが一番いいだろう。

伝統釣法『シャクリマダイ』で3kg級本命を手中【千葉県・彦次郎丸】シャクる(提供:週刊つりニュース関東版・坂本康年)

いつもさわやかな若船長は、「若」といっても船長歴24年のベテラン。シャクリから一手、二手のアワセは実にスムーズだ。「何でも遠慮なく聞いてほしい」と言っているので、教えてもらうのがマダイゲットの近道だ。

シロサバフグの猛攻の中

左舷胴の間の福原一郎さん(江戸川区)と船長、私が手バネ。左舷ミヨシの立野武裕さん(富津市)がリールシャクリ、右舷トモの堀口貴史さん(市原市)と胴の間の人が鯛ラバとひとつテンヤで挑む。

伝統釣法『シャクリマダイ』で3kg級本命を手中【千葉県・彦次郎丸】筆者のタックル(作成:週刊つりニュース関東版編集部)

4月から5月半ばまでは鯛ラバがよかったようだが、乗っ込みはほぼ終わり、これからは浅場主体になるので、果たしてどうだろうか。

最初のポイントではシロサバフグの猛攻に会い、たまらず移動。今年の東京湾はフグが多く、春先は高級魚・トラフグが交じったようだが、ショウサイやヒガンフグならともかく、この魚は厄介だ。

7時すぎに右舷胴の間の人が出す、ひとつテンヤの竿が豪快に曲がる。「本命浮上か?」と思われたが、上がってきたのは40cm級のイトヨリ。今まで見たことのない大きにビックリだ。

40cm級のハナダイ

8時ちょうど、私がシャクり上げた瞬間にガツンとくるアタリ。まずまずの引きをみせたのは40cm級のハナダイ。タイはタイなので、うれしい1尾。

ほぼ同時に福原さんにもアタリ。同宿でカワハギ釣りから始まり、マダイにのめり込んで約20年。毎週のように通うだけにアワセがきれいに決まって、私と同型をゲット。

9時すぎにも同サイズをゲットして、本命ではなかったが引きは楽しめたようす。

伝統釣法『シャクリマダイ』で3kg級本命を手中【千葉県・彦次郎丸】手バネで40cm級のハナダイ(提供:週刊つりニュース関東版・坂本康年)

エサの活エビは、マダイだけではなく、多くの魚が好むため、たくさんのゲストが上がるのは魅力。この日はイトヨリのほかマゴチも掛かった。

私は、「上げて」の合図にたぐっていると、かなり上層でサワラがヒット。まともに掛かれば鋭い歯で簡単にハリスを切られる。今回も孫バリは切断されたが、大きなタイバリはしっかりと口の脇に刺さっており無事にゲットできた。

3kg超えの本命マダイ

「そろそろ本命が欲しい」と思っていた11時すぎ、立野さんにかなり強いアタリが到来。ひと月に2回ほど通う地元の常連は、巧みな竿さばきで見事3.1kgの良型をゲット。ハナダイとは違って迫力満点だ。

伝統釣法『シャクリマダイ』で3kg級本命を手中【千葉県・彦次郎丸】リールシャクリで3.1kg(提供:週刊つりニュース関東版・坂本康年)

しばらくして堀口さんの鯛ラバにアタリ。上がってきたのはハナダイだ。同氏は「月に何回」どころか「週に何回」という常連中の常連で、釣りは鯛ラバと、ひとつテンヤ専門。4~5月は鯛ラバが絶好調で、ホームページにはたびたび写真が載るほど。同沖の釣りかたを知り尽くしているようだ。

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