新緑が芽吹く初夏のエギングは一年の中でもっとも大型が狙いやすい季節だ。産卵を控えたアオリイカが接岸し、あちこちから2kgを超える大物の釣果がきこえる。エギングを始めたばかりの人には1kgの壁は厚くなかなか越えられない。しかしながら釣れる潮や時間を読むことで上級者と同じような釣果を上げることも可能だ。タックルやシャクリ方などの技術と同じく、イカの習慣や行動などの知識を身に着けることでエギングのステップアップができる。今回は春~初夏にかけてのエギングを紹介したい。
狙うポイント
5~6月は活発に泳ぎ回るアオリイカが多く、堤防をランガンするスタイルで数を狙うことができる。
堤防で釣りをするときはいきなり先端に行くのではなく堤防の付け根にいる活性の高いイカから順に探るのがセオリーだ。堤防の付け根は浅く海藻が生えている。産卵を意識した大型個体は海藻帯に集まるためまずは水深が2~3mの浅場をチェックする。
浅場を攻めるときはスロータイプなどのゆっくり沈むエギを準備しておくとよい。キャストしたら1~2秒フォールさせて5回ほど連続ダートさせよう。イカがいたらすぐに抱きつくので2~3投で勝負がつくことが多い。
浅場で反応がなければ堤防の中間くらいを攻める。3~4mほどの水深ならノーマルタイプのエギに変更しよう。エギを海底まで沈めたら3~4回の連続シャクリ、そして10秒ほどカーブフォールで着底させよう。
釣り方
イカが抱きつくのはシャクリの直後と着底の瞬間が多いのでフォール中はサオ先に集中しよう。アタリはサオ先にでずに張っていたラインが緩むことが多いので違和感があればすぐにアワせてみよう。
堤防の中間でやってもダメなら堤防の先端でイカの回遊待ちをするのも得策だ。
夜は堤防の先端にできた流れのヨレにイカが溜まることが多いので、ヨレを中心に狙ってみよう。昼間なら海底近くにいることが多いので5m以上の水深なら沈下の速いディープタイプのエギを使って海底を直撃しよう。使い方はノーマルタイプと同じでシャクリ後のカーブフォールで十分だ。
また、カラーも重要で同じ場所で粘るなら3投ごとにカラーを替えるなど目線を変えてあげると釣果に繋がる。アオリイカは目が良く、色によってその日の釣れるカラーが違う。その場にいてもエギに抱きつかないイカが多いので金や赤、ケイムラのように系統の違った色を投げて反応を見てみよう。
持参すべきアイテム
大型イカを狙ったエギングに行く際は必ずタモかギャフを持っていこう。ハリ掛かりが足1本だったり、足場が高い堤防は抜き上げられないので持ち運びが楽なショートギャフがあると便利だ。
また、昼間のエギングでは偏光グラスもなくてはならない。イカの追尾を見るのはもちろん、水中の海藻や沈み根、ベイトの有無などイカが釣れそうな状況かどうかの判断をするのに役立つ。
イカを釣る上ではロッドやリールと同じくらい大切な道具なので、使いやすいギャフやよく見える偏光グラスを揃えるのをお勧めする。