意外に簡単な美味しい『魚醤』の作り方 小魚釣れすぎた時にオススメ!

意外に簡単な美味しい『魚醤』の作り方 小魚釣れすぎた時にオススメ!

魚釣りに行って、サビキ釣りでイワシやアジが余ってしまうほどたくさん釣れてしまった。魚屋さんで魚が安く売っていたから買ってみたけど、結構余ってしまった。どこういった経験はないだろうか。こんな時にオススメなのが手作り魚醤。魚と容器と塩さえあれば簡単に作れるので是非お試しあれ。

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目次

魚醤の概要

魚醤(ぎょしょう)とは、魚を塩漬けにし、発酵によって出来た汁の事です。

日本では、秋田の「しょっつる」、能登の「いしる」、香川の「いかなご醤油」が日本3大魚醤として生産され、郷土料理の調味料として利用されています。

東南アジア諸国では日本よりも魚醤文化が盛んです。タイのナンプラーや、ベトナムのヌクマムなどは、スーパーなどでも簡単に手に入れることが可能です。

醤油との違い

醤油と魚醤って具体的に何が違うの?と思っている人も多いはず。

醤油は植物性タンパク質を原料としているのに対し、魚醤は動物性タンパク質を原料としています。

味については、醤油はクセのないシャープな旨みがありさっぱりしていて食べやすくなっています。一方で、魚醤は甘さを伴った豊かなコクがあるぶんクセが強いのが特徴です。

この通り、味にも違いがあり、料理への使い方も変わってきます。

使い方のコツ

醤油には、アミノ酸が豊富に含まれており素材を引き締める力があるのにの対し、魚醤にはペプチドが豊富に配合されおり、素材をしっとりやわらかくする力を持っています。

味付けする際には醤油が向いているとされていますが、白身魚のお刺し身を食べるときには、魚醤の方が生臭さを消し素朴な味を引き立たせ、美味しく食べることができると言われています。

水っぽい魚や肉を調理するときには醤油を使うことで、余分な水分が抜けグット引き締まります。魚醤は旨みたっぷりの魚や肉を調理する時に使うことで、旨味をふっくらと仕上げることができ、より美味しく料理を楽しむことができます。

また醤油と魚醤を合わせて使うと、それぞれの美味しさが合わさり、良い調味料になると言われています。

魚醤の作り方

では早速、魚醤を作っていきましょう。手順は以下になります。

用意するもの

・魚(カタクチイワシ、アジ、ハタハタ、イカ、オキアミなど)
・容器(梅酒用の容器など、蓋がついていているもの)
・塩(岩塩などミネラルを多く含んでいるものが望ましい)

意外に簡単な美味しい『魚醤』の作り方 小魚釣れすぎた時にオススメ!写真提供:Pixabay

手順1 魚を容器に入れる

まず、容器に入れる前に魚の量を計ります。

計り終わったら手元にある魚を容器の中に入れます。※容器は使用する前に必ず熱湯消毒をしてください。

なるべくぎっしり入れると、魚から旨味がたくさん染み出てきます。

手順2 塩を入れる

魚の入った容器の中に塩を入れます。

分量は手順1で測った魚の量に対して20%~25%の分量です。
【例】魚400gの場合、塩は100g程度

手順3 空気に触れないようにする

魚と塩に落し蓋をするようにラップをかぶせます。

これは空気に触れている部分が腐らないようにするためです。塩蔵なので腐りにくいですが、空気に触れている箇所や塩がついていない部分は腐ってしまう危険性があるため、念のためラップをかぶせることをオススメします。

手順4 放置する

基本的にはここまでの工程が終われば、あとは待つのみです。塩蔵なので常温でも問題ありませんが、冷蔵庫で熟成させるのがいいでしょう。

時間とともに、だんだんと魚の身が柔らかくなり、約6か月くらいで魚の身は崩れ、個体と液体の層に分かれてきます。

手順5 ろ過

熟成環境にもよりますが、中身が層に別れるようになれば、魚醤としてろ過抽出してもいい段階だと推察できます。

容器の中身をキッチンペーパーなどでろ過し、液体のみを抽出します。この工程により抽出された液体が「魚醤」となります。

放置する期間を延ばし、魚の身がドロドロの状態、にじみ出た液体の部分が黒くなっていれば、かなり濃い魚醤を抽出することができます。自分の好みに合わせてろ過するタイミングを選びましょう。

オリジナルを楽しむ

じっくり待つ時間は必要ですが、簡単に作ることができ、色々な料理にも使うことができるのも魚醤の特徴です。

余った魚がいればぜひ試してみて欲しい一品です。一つの魚種ではなく、エビやイカなどの魚介類を入れてみるのもいいかもしれません。

自分好みのオリジナルの魚醤を作って、奥深い旨味や風味を楽しんでみてはいかがでしょうか。

意外に簡単な美味しい『魚醤』の作り方 小魚釣れすぎた時にオススメ!写真提供:Pixabay

<近藤/TSURINEWS・サカナ研究所>