冬になると釣りたくなる魚は、私の場合はアマダイである。理由はよく分からないし、それをあえて考えようともしないくらい自分にとっては必須の魚である。今回は、冬の定番のであるアマダイ釣りの釣果を安定させる条件(与件)を検証してみよう。
最高の推しメン=アマダイ?
最近では、なかなか大型の魚体に会えることも少なくなり、市場価値はウナギ昇りだが、料理研究家や調理人の「アマダイは柔らかい魚ですねん!」というのを聞くと、思わず「それは違う!」と言いたくなるくらい身がしっかりした魚なのだ。
ピンク色の魚体はさることながら、かわいい大きな目をした顔つきは女性的で、釣り上げた瞬間に思わず「愛(う)い奴じゃのう!」とつぶやきたくなる。
かわいい顔しているが引きは豪力であり、不意の攻撃(海底から海上に上がるまで2~3回は思わず「あっ!」と言いたくなるくらいに引く)にはびっくりしてしまう。
釣れても釣れなくてもアマダイを狙っているというだけで至福の気分になるのはちょっと変でもあるが、私にとってアマダイは最高の推しメンなのである。
今回のテーマとは?
アマダイ釣りに限ったことではないが、1回だけの釣行、ましてや初回の釣行でたまたま訳も分からず釣れる(釣れてしまった)のと、理論や背景を熟慮して釣り上げた1匹とでは、同じ1匹ではあるが多少趣が違うような気がしている。
ましてやコンスタントに一定の釣果を上げていくにはなかなか難しい。
そこで今回は天候&海況い応じたアマダイの釣果を上げるための確率期待値を検証していきたいと思う。
組み合わせは
1.天気(空の明るさ)
2.風の強さと波の高さ
天気(空の明るさ)
冬に旬を迎えるアマダイ釣りであるので、釣期としておおよそ12月~翌年2月ごろまでとなる。
そのころの日本の気象条件は、シベリアからの高気圧が順次日本に到来してくる。等圧線が縦に並ぶ、いわゆる西高東低と言われる気圧配置となるケースがほとんど。風が吹かない日はまれで、快晴でも風はビョウビョウと吹きまくる日が続く。
事実、今現在も年末の「大荒れの天気」の状況であり、船宿に予約を入れてあるのだが、3日間は出船の可能性はない状態だ。
低気圧が通過し雨が降り、その低気圧が東に抜けて西高東低となり風が吹く。西からの高気圧が日本列島を包むようになると、快晴で風も穏やかになる。
アマダイの食いが活発化するのは、この快晴でかつ風が穏やかになってくる日が多い。
風がないが曇天、もしくは雨天の場合と比較した場合、晴天の方がアタリが多い。また朝のうちに曇天であったのが、次第に晴れて(風も吹きだすが)くるに従ってアタリが多くなる。
これはつまり太陽の明るさによってアタリが変動する要因の1つだ。
最近テレビなどで海中、それも深海まで高精度カメラを投入して放送してくれる番組があるが、それらを見ていても水深が60mを超えると徐々に太陽の光は少なくなり、150mを超えるとかなり暗い状態になる。
もちろん海中に漂うプランクトンなどの浮遊物によって透明度と光の透過率は左右されるが、晴天と曇天ではアマダイ釣りの場合にはかなりの差が発生していると思われる。
つまり好釣果を期待するのであれば、晴天の日に出かけるべきであり、曇天の日に当たったのであれば、天気というハンディキャップ分を上回るような釣り方をしなければ同等レベルの釣果は期待できないと考えるべきだろう。