超がつく高級魚として知られるアマダイ。底付近を狙う釣りになるが、この魚の捕食ゾーンをタイトに捉えていく必要がある。今回、基本的な攻略術、仕掛け選択のキモとともに、オーナーばりの西馬さんと訪れた、遠州灘での実釣をレポートしたい。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS編集部・五井)
遠州灘でアマダイ釣り
西馬さんと静岡県の遠州灘を訪れたのは11月17日、乗船したのは同県磐田市にある福田漁港の大寿丸(だいじゅまる)。
出船後、船は水深100mラインのポイントに入った。西馬さんが最初に選んだ仕掛けはオーナーばりの「アマダイ3本3m」。
遠州灘の釣りに端を発した全長3m、3本バリのこの仕掛けは、大型アマダイに対応したタフネス仕様。ハリスは標準的な3号から、太めの5号までラインナップされている。アマダイ自体がよく引くうえ、キダイなど歯のあるゲストが掛かって知らぬ間にハリスが傷むことを考慮し、強度を重視している。ハリスを繋ぐ親子サルカンは、ヨリ防止に優れたダブルクレンだ。
まずは捕食層を広く探るべくこの仕掛けとした。
早々にアカアマダイが登場
エサのオキアミとホタルイカをハリに刺し投入。
着底後、底から1mほどオモリを浮かせて待つと、すぐにアタリがきた。
しかし、なかなか食い込まないのでエサのホタルイカをツボ抜きにして再投入。すぐに返事が返ってきた。難なくキャッチしたのは35cmほどのアカアマダイ。幸先いいスタートだ。
続けてシロアマダイも手中
次の投入でも同じ要領でヒット。中層で再び引き込むようすから、これも本命のようだ。やがて海面に現れたのは、幻とも言われる超高級魚シロアマダイだった。
「夜行甘鯛2本」で50cmシロアマダイ
このあとも、待つ間もなく西馬さんはアカアマダイを追加。型も先ほどよりでかい。
釣り上げた個体は、いずれも仕掛けの一番上のハリに食っていた。このことから、アマダイの捕食層は、海底から少し上と判断。タナが絞れたので、仕掛けを2本バリ仕様のオーナーばり「夜光甘鯛2本」に変更する。全長2mの2本バリ仕掛けでテンポ良く誘い、食わせていく作戦だ。
この仕掛けに使用されているハリは、オキアミカラーの夜光塗装が施されたインブライト甘鯛。長軸でエサを支え、2つのケンでしっかり保持するハリなので、大きくエサを付けることもできる。アピール性に優れた仕掛けだ。
投入後、すぐに元気の良いアタリがきた。
エサを咥えたアマダイは、もと居た場所に戻ろうと反転する。このとき強いアタリが出るのだが、今度のやつはかなり強烈だ。現れたのは見事なシロアマダイ。50cmほどある立派なサイズの登場に船上が沸いた。
アマダイの時合いに突入
ここから時合いに突入したようで、西馬さんは本命を連発していく。まるで工事現場の車両誘導の旗のように、白、白、赤とアマダイが次々に浮上する。
ハイアピールの仕掛けの効果ももちろんだが、西馬さんは海底の変化に仕掛けをうまく追従させ、アマダイを食わせていった。
概ね1m幅で仕掛けをゆっくり上昇、下降させ、波打つような軌跡で底付近を通過させつつ、時折オモリで海底を撫で、泥煙でアマダイの注意を引いた。
また、砂泥質の海底の凹んだ部分にはアマダイの巣穴がある可能性が高い。西馬さんは、オモリを底で引きずっている時このような地形を見つけては、特に集中力を高め、凹みの中にゆっくりと仕掛けを下降させていくイメージで攻めたと言う。