タチウオの調理は「守(も)り」が大事です。守り、つまり魚のシメからワタ処理、そして冷蔵庫で保管するまでです。釣魚全体に言えることですが、この過程を怠ると、途端に魚の味わいは落ちてしまいます。タチウオの守りは釣り場でも簡単にできるので紹介します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
釣り場で下処理する手順
実にこれくらいの、実質二工程なので、タチウオの下処理は釣り場でもできます。
用意するものは、はさみと、魚の入れるのとは別の、スーパーとかでタダでもらえる薄いビニール袋です。
まずは、喉を切って血抜き。
そのあと、はさみでお腹を割いて、ビニール袋を手にかぶせてエラとワタを出してしまいます。素手でもできますが、臭みが手に移らないように、ビニールを手袋にした方がいいでしょう。
タチウオの尾をエサにする手も
釣りに関していえば、もしエサ釣りや、ルアー釣りでもテンヤの仕掛けを持っているならば、タチウオの尾をエサにする方法もあります。タチウオは悪食で、活性が高いときにはタチウオ同士で共食いします。つまりタチウオのベイトがタチウオになるのです。蓄光ヘッドに尾をつけて投げて、巻いてくるだけで、高活性時にはタチウオを追釣できるかもしれません。
命をおいしくいただこう
魚をさばく工程は、見る人によっては心が痛むものかもしれません。私も以前、友達と淡路島に釣りに行ったとき、カサゴを目の前でさばいて、友達を吐かせてしまいました。
しかし命をいただくというのは、このような生々しい行為なのです。そしていただく命ならば、おいしく無駄なくいただいてやった方が魚のためです。それもアングラーのエゴなのでしょうか?
けれど少年時代の私は、父がダイニングキッチンで釣ってきた魚をさばくところを見るのが大好きで、興奮しました。何か本質的で、本能を昂ぶらせるものがそこにはあると思います。そうして命の大切さを学ぶこともできるのではないでしょうか。釣って食べてこそ、釣りは一生の趣味に値するのではないかと思います。
<井上海生/TSURINEWSライター>