最大で150kg超える大型魚『イシナギ』の味は鶏の胸肉そのもの?

最大で150kg超える大型魚『イシナギ』の味は鶏の胸肉そのもの?

最近様々なニュースでよく目にする「イシナギ」という魚。一部の地域で非常に人気のある食用魚なのですが、その味はちょっと「魚離れ」しています。

(アイキャッチ画像提供:あきお)

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超巨大魚が大漁

青森県西部に位置し、日本海に面した鰺ヶ沢町。ここで先月、とある「超巨大魚」が大量に水揚げされ、ちょっとしたニュースになりました。

その巨大魚とは「オオクチイシナギ」というもの。22日には30~90kg台というマグロもかくやというサイズのオオクチイシナギが、一度に11匹も水揚げされ、当地の漁をよく知るベテランも驚いたそうです。

なお、同じく青森県にある外ヶ浜町では、かつて167kgというモンスターサイズのオオクチイシナギが水揚げされたこともあるといいます。(『大型オオクチイシナギ大漁  一度に11匹水揚げ/鯵ケ沢漁港』東奥日報 2022.5.28)

同時期には、実業家の前澤友作氏が38kgというオオクチイシナギを釣り上げたことをSNSで報告し、これも話題になりました。

オオクチイシナギとはどんな魚?

このオオクチイシナギとは一体どのような魚なのでしょうか。

その迫力ある見た目からは、海中を盛んに泳ぎ回り、あらゆる魚を襲って食べそうな印象を受けますが、実際はやや深いところに棲息し餌となる生き物を待ち伏せして捉える巨大な「深海魚」です。

寸詰まりで体高があり、胴体が太いのでぱっと見はハタの仲間に似ていますが、実際はイシナギ科という独立した別のグループに属しています。このシルエットで全長が1mを遥かに超えるので、「深海の超大物」と称され、釣りの人気ターゲットのひとつとなっています。

オオクチイシナギは通常は水深500mほどの場所に棲息していますが、春から初夏にかけて産卵のために浅場に上がってくるので、漁業においてはその時期が旬となります。

味はまるで「鶏肉」?

さて、実際にオオクチイシナギをゲットしたことのある人に話を聞くと、この魚のもっとも特徴的な点は大きさや見た目ではなく「味」であると言われることが多いです。個人的にもそのように感じます。

このオオクチイシナギ、全身が美しい白身なのですが、繊維の一本一本が太くて強く、加熱すると固く締まります。更に深海性の大型魚の割には、全体的に脂のりは弱く、さっぱりとしています。

最大で150kg超える大型魚『イシナギ』の味は鶏の胸肉そのもの?オオクチイシナギの天ぷら(提供:茸本朗)

そのため加熱すると、まるで「鶏の胸肉」のような質感となります。特に衣をつけて唐揚げにするとフライドチキンそのもので、初めて食べる人であれば魚と思わないかもしれません。

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