青い魚は本当は青くないとは? 意外と不思議な魚の色素の話

青い魚は本当は青くないとは? 意外と不思議な魚の色素の話

青い魚の多くは「実際に青いわけではない」ということをご存知でしょうか?魚が持つちょっと不思議な色素の話を紹介しましょう。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

TSURINEWS編集部

その他 サカナ研究所

「海のネモフィラ水槽」が展示

茨城県大洗町磯浜町のアクアワールド大洗水族館で、この時期の茨城県を代表する花である「ネモフィラ」の色に合わせた4種類の青い魚の展示が行われ、話題となりました。

青い魚は本当は青くないとは? 意外と不思議な魚の色素の話ネモフィラの花(提供:PhotoAC)

この展示は、ゴールデンウィーク中の名物となっている同県「国営ひたち海浜公園」のネモフィラの開花に合わせた企画「海のネモフィラ水槽」の一貫としておこなわれたものです。展示されたのは、「ルリスズメダイ」や「デバスズメダイ」、波のような模様の「サザナミヤッコ」の幼魚、しま模様が特徴的な「ホンソメワケベラ」の4種。

水槽の背景には満開に咲き誇るネモフィラの写真を用い、魚たちとネモフィラの青が共演する様子は壮観だったということです。

青い魚は実は「青くない」!?

さて、今回展示されたこれらの魚は「美しい青色」が特徴ですが、ネモフィラの花と魚たちの間には、非常に大きな違いがひとつあります。それは彼ら魚たちは「青い色素を持っていない」ということです。

青い魚は本当は青くないとは? 意外と不思議な魚の色素の話ネオンテトラ(提供:PhotoAC)

魚の体色を決定する色素は通常「色素胞」という細胞の中にあります。そこには黒い色素のメラニンや、赤・黄色の色素となるプテリジンやカロテノイドなどが存在しています。

しかしその色素胞の中に、何らかの青い色素を持つ魚はほぼおらず、現在ではごくわずかな種類でしか確認されていません。したがって青く見える魚も、そのほとんどは実際に青色をしているわけではないのです。

なぜ青く見えるの?

我々が感知する色には「色素による発色」と「構造色」の2種類があります。

後者は実際になにかの色の色素が存在するのではなく、物体表面の微細な構造によって光の中のそれぞれの色(いわゆる七色の光)が互いに干渉しあうことによって現れるものです。シャボン玉や水面の油膜、CDの裏面が七色に輝いて見えるのは、この構造色によるものです。

青い魚は本当は青くないとは? 意外と不思議な魚の色素の話海の中で「青」は保護色となる(提供:PhotoAC)

「青い魚」の多くは、体表面が「虹色素胞」という細胞で覆われており、そこにはグアニンという光をよく反射する物質の結晶が層状に並んでいます。この虹色素胞は光を散乱させる能力が高く、中でも波長の短い青や紫の光が特に強く散乱されます。その結果魚の体表で反射した青系統の光が我々の目に入ってくることで、実際の色にかかわらず我々には青く感じるのです。

青い魚は、水中に届く光を体表で散乱させることで、敵に見つかりにくくしていると考えられています。いわば青い魚の青色は「迷彩」のような役割を果たしているのです。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

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