カンダイと呼ばれ、冬が旬の大型魚コブダイ。実はとある部位を活用した刺身が非常に美味しいのです。
(アイキャッチ画像提供:茸本朗)
冬が旬の「でこっぱち」
冬に旬を迎えるとある魚で、その名前で「冬が旬であること」を表しているものがあります。
その魚とは「カンダイ」。漢字だと「寒鯛」と書き、寒い時期に美味しくなることから名付けられたといいます。
カンダイの標準和名は「コブダイ」。大型個体の頭部や下顎に大きな瘤ができることからそのような名前になりました。あまり食用にされない地域ではコブダイという見た目から来た名前が、よく食用にされる地域ではカンダイという食味から来る名前が用いられているのはとてもユニークです。
コブダイの不思議な生態
コブダイは大型のベラの一種で、他のベラ同様に、成長する中で性転換を行うことで知られています。
コブダイはすべての個体がメスとして生まれると考えられています。ある程度のグループとなって生活するのですが、その中で一番大きなメスがやがて性転換し、オスになって縄張りとハーレムを形成します。
雄になった個体は頭部と下顎に瘤ができ、膨らんでいきます。大きなコブは成熟したオスの証なのです。もし、釣られるなどしてそのオスがグループからいなくなると、また最大のメスが性転換しハーレムを形成するそうです。