9月に入って秋の色が濃くなってきた。絶好の釣りシーズン到来だ。コロナ禍の釣りブームと言われて久しいが、今回は初めて釣りをする人に向けた秋の堤防五目釣りがテーマだ。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
秋は堤防五目がイチオシ
釣りに最適なシーズンといわれる秋。その理由は気温が下がって釣り人が釣りやすくなるだけではなく、魚にとっても活動しやすい水温になってくるのが理由。特に堤防周りには、さまざまな魚が集まってくる。
まずはアジ。サビキ釣りが一般的だが、夏に釣れていた10cm未満の豆アジではなく、15cmほどの成長した小アジが釣れるようになる。時には20cmを超えるものもハリに掛かることも。
そしてグレ。20cm前後のいわゆるコッパサイズが多いが、キュンキュンサオを絞り込む引きは釣り人を魅了すること間違いなし。もちろん食べてもおいしい。
カサゴやハタ類などの根魚も、好ターゲット。岩礁やテトラ帯などの障害物周りに生息しているため、ほんちょっぴり難易度は上がるかもしれないが、ビギナーでも十分に手にしやすいといえるだろう。
キスは主に投げ釣りや船釣りのターゲットだが、ビギナー向けのチョイ投げでも十分に狙える。特に秋は深場に落ちる前に荒食いする季節でもあるので、身近な釣り場でびっくりするような良型が出ることもある。
他にも水温がまだまだ高いこの時期は、ベラも元気だ。外道扱いされることが多いが、20cmを超えると引きはなかなかのもの。派手な見た目とは裏腹に淡泊な白身で、食べてみると意外なおいしさに驚くはずだ。ベラは種類が多く、おいしいのはキュウセンと磯ベラといわれるササノハベラ。
他にツバス(イナダ)やシオ(カンパチの幼魚)などの青物やカマスといった、回遊魚の群れに当たることもある。少し難易度は高いが、ルアーフィッシングや生きた小魚をエサにした泳がせ釣りで狙える。
おすすめは釣り公園
初めて釣りに行く人が最も頭を悩ませるのが、「どこへ行こう」ということだろう。コロナ禍の現在、感染防止のため港自体を封鎖してしまっているエリアもある。そこでまずオススメしたいのは、釣り公園とか釣り広場といわれる釣り専用の施設だ。
その名の通り、釣りをするための施設なので、釣り人のための駐車場やトイレ、自販機などが設置してある所が多い。もちろん足場は良く、安全面もばっちりだ。
中部エリアでいえば、福井県敦賀市の鞠山海釣り公園、同県おおい町の赤礁崎海釣り公園、愛知県・南知多町の豊浜釣り桟橋、同県碧南市の碧南海釣り広場、三重県・南伊勢町迫間浦の釣り公園・佐助屋、静岡県焼津市のふぃっしゅーななど。
もちろん他にも漁港や堤防など、釣り場は豊富にあるが、近年の釣りブームによってゴミの放置問題や迷惑駐車問題で、釣り人が非常に迷惑がられているエリアもある。詳しい情報が手に入らないうちは、釣り専用の施設へ釣行した方が無難だろう。
釣り道具をそろえよう
何をおいても、まずは釣り道具がなくては釣りに行けない。サオやリールはもちろん、仕掛け、クーラーボックス、救命胴衣、エサなども必須アイテムだ。
最初はサオから。どの魚を狙うかにもよるが、万能に使える道具は2セット。まずは3.6~4.5mのノベザオだ。釣り方の項で説明するが、硬調子であればウキ釣りからサビキ釣りまで、多用途に使える。ノベザオはリールがないので、ミチイトが必要になる。1.5号を目安に50m巻きを用意したい。
もう1セットは、アオリイカを釣るときに使うエギングタックル、もしくはバスタックルだ。8ft(2.4m)前後のエギングロッドか6~7ftのバスロッドに、小型スピニングリールの組み合わせだ。
サビキ釣りはもちろん、チョイ投げにも使える万能選手。本格的なものでなくても、量販店に入門用エギングセットと銘打っているものがあるので、それで十分だ。
他に頭部を保護するキャップ、目を保護する偏光グラス、手や汗を拭くタオル、魚を入れたり飲み物を冷やすクーラーボックス。さらに魚をつかむフィッシュグリップ、手を洗うための水くみバケツ、釣った魚を生かしておくならスカリなどなど。
エサを用意しよう
エサはサビキをするなら、まきエサ用にアミエビやダンゴ釣りなどで使う配合エサ。ウキ釣りでも周囲に魚の気配がなければまきエサが有効になるので、少量でも用意した方がいいだろう。
さしエサは万能ともいえるオキアミ。サイズはSかM。他にチョイ投げ用にイシゴカイかアオイソメもあると万全だ。