PEラインをしっかりと断ち切れるPEラインカッターは、普通のハサミとは少し違います。ここではその違いと、撚り糸を切断するPEラインカッターの仕組みを紹介します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター無道寺辰哉)
ハサミとPEラインカッター
海釣りではよく使われるPEラインですが、最近ではベイトフィネスと称して軽いルアーをベイトリールで使用する釣りが流行っているため、淡水でもPEラインを利用しているアングラーが増えています。
一般的なハサミとPEラインカッターは、刃の形状に若干の違いがあります。
一般的なハサミの刃を見ると、切るものの違いはありますが、基本的に真っ直ぐな形をしています。板金ハサミのように湾曲しているハサミもありますが、どんなハサミでも剪断できるポイントは刃と刃の合わせ面になります。
爪切り型のハサミも同様に、真っ直ぐな刃が合わさっている部分でしか断ち切ることはできません。
PEラインカッターもこの法則に変わりはありませんが、PEラインカッターの刃面はセレーションと呼ばれるギザギザとした構造になっています。
PEラインカッターの仕組み
一般的なハサミは、刃と刃を滑り合わせ、対象物を挟み込むようにして切断します。
この際、できるだけ動きが滑らかになるように、一般的なハサミには多くの遊び部分が用意されているのです。
ナイロンラインやフロロカーボンラインの場合、一般的なハサミでも十分断ち切れます。これは、釣り糸が「1本」の糸だからです。
剪断を開始してから断ち切り終わるまで、これらの釣り糸はしっかりとハサミに食い込んで切られます。
しかし、PEラインの場合、複数の撚り糸が集まって作られているため、ほつれた所からどんどん滑ってしまい、断ち切られた瞬間の隙間からハサミの遊び部分に残っている撚り糸が逃げてしまう現象が発生します。
爪切り型の場合、刃の合わせ面にズレが生じるため、断ち切りきれない状況が発生します。
PEラインカッターは、セレーションが施されていることで撚り糸が滑っていくのを抑え、1本1本をしっかりと断ち切れるのです。