メバリングのPE本線とリーダーの結束には「FGノット」を推奨する。結束強度が高く保てることだけが理由ではない。今回はFGノットについて、私見を語りたい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・井上海生)
メバリングにおけるFGノット
まず、メバリングで0.3号以上のラインを使用していることを前提としたい。0.25号までは可能だが、0.2号、0.1号となるとFGノットは難しい上に、締め込みの摩擦で切れる。
0.3号あれば、視認も悪くなく、慣れれば多少時間はかかっても必ず結束できるはずだ。
メバリングでFGノットを使う長所のひとつとして、当然、ライン強度が強く保てるという点はある。PE0.3号ならば6lb程度、リーダーが5lbならほぼそのままの強さが残せる。結束強度2kg以上と、細イトでも相当強靭だ。魚有利のストラクチャー絡みなどで、イトの力にものを言わせてドラグをしっかりと締めて一方的に巻き上げられる力は強い。
ライトラインでそんなに全力でキャストしないメバリングの場合、あまり体感できることはないが、結束部分にコブができないので、ガイドのイト抜けが滑らかになるのも長所だ。
釣りが慎重になるというよさも
FGノットは高度なシステムノットで、組むのが非常に難しい。基本的には釣行前に室内で行うノットで、私も何年もやっているがまあまあの太さがあっても3分程度は確実にかかる。メバリング用の0.3号なら5分以上はかかるし、1回は確実に失敗する。
こういう難しいノットだからこそ、絶対に現場でブレイクしないために、組んだラインシステムを丁寧に丁寧に扱う。メバリングは「静」の釣りで、どこまで慎重になってもなりすぎることがない。キャストのアキュラシーなどもそうだ。ブレイクさせまい、失敗しまいという気持ちが、いいポイントに落とせるという結果につながる。
これは精神論だろうか?いやそもそも釣りは精神のアクティビティだ。ルアーフィッシングのアングラーは特に、なんらかの実益より、釣った喜びや海に出る自由を求めているはずである。だから細イトの扱いさえゲームである。そう考えるとシステムノットを組むのも苦にならないし、ブレイクすると真剣に自分に腹を立てる。その思いが現場でのキャスト意識や、釣りの全般の所作に繋がり、よりよい釣果をもたらす。
ラインブレイク後は3.5ノットに
メバルは表層の魚なので、キャストをキワにタイトに打ちすぎない限り、苦労して組んだシステムノットを根掛かりなどで切ることはない。だが、アクシデントはある。
釣り場でラインブレイクしたら、ここは効率を考えて、簡易に結束できる3.5ノットにかえた方がいい。その際なぜブレイクしたのか、その反省をノットに組み込む。魚の口か?それならリーダーを太くしないといけない。PEの擦れ?それなら長めにリーダーをとる。