冬も狙えるアジ。今はほとんどプランクトンパターンで、リグを水中に定位させるレンジキープ釣法が主体。しかし、一部リトリーブが有効となる状況もある。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・井上海生)
常夜灯下の見えアジに効く
筆者の経験上、常夜灯下の見えアジは、基本的に釣れないものだと思っている。明らかにアミパターンのはずなのに、なぜかレンジキープ釣法が通用しない。それよりは、ちょっと光の範囲の外に出てレンジを入れて釣った方が、型もいいのが食ってくるものだ。
しかし最近、しばしば常夜灯下にエントリーすることが増えてきて、「リトリーブ」で見えアジを釣りきれるというパターンを発見した。これは理屈では説明しにくく、いまひとつ理由がわからない……。
だが、常夜灯下の見えアジは、豆アジ含め、多少、巻き速度は加減気味のリトリーブで釣れる。みなさんも一度試してみてほしい。
ベイトフィッシュパターン
アジングでリトリーブが有効となるのは、ベイトフィッシュパターンが代表的なものだ。明らかにアジがベイトフィッシュを追って表層でライズしていたり、ベイトが水面にわいているようなときには、やはりワームを小魚に模す巻きの釣りが効く。
等速リトリーブと止め
リトリーブは上記のような状況で、優先的に試すべき方法といえる。しかし、アジングのリトリーブは難しいものだ。アジは吸い込み系の魚なので、ちょっとでもリトリーブ速度が合わないと、ショートバイト連発で乗せきれない。そして乗せきれないアタリを出し続けるか、乗せバラしを連発すると、疑似餌と見切られて群れ全体にプレッシャーがかかる。
アジングにおけるリトリーブ速度は、あくまで、「ゆっくり、ゆっくり」である。3秒か4秒にハンドル一回転、それくらい。そしてアジがアタってきたら、一瞬だけ、止めを入れる。食わせの間を作る。追尾しているアジはそこでふっと小魚(ワーム)がよろよろと落ちるところで食ってくる。やはり食いのきっかけとなるのは、巻きでも「フォール」なのだ。
等速スローリトリーブ、そして一瞬のポーズ。これがアジングにおける巻きの釣りだ。ポーズはあくまで一瞬間。そして、アジの群れの中を横切らせていくときに、一度か二度見せるだけにする。ベイトフィッシュの気持ちにもなってみよう。捕食相手が周りに群れている状況で、不用意に何度も止まるだろうか。それはない。不自然だ、とアジにも見切られる。