伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「固形物の食わせエサ」。感嘆や力玉に代表される固形物系は、セット釣りの食わせエサとして、もはやなくてはならない存在だ。今回は『感嘆』&『感嘆Ⅱ』について。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
簡単な『感嘆』
固形物の食わせエサの代表格といえば『力玉』または『感嘆』を挙げる人が多いだろう。実際に釣り場で見聞きしても、この2種類のいずれかを使っている人がほとんどだ。
「2種類とも手軽だしね。とくに『力玉』に関してはすでに出来上がっているから、作るという作業がない」
その点、『感嘆』は水で溶いてシェイクする工程がありますね。まあ難しい作業じゃないですけど。
「釣り場の水で溶いてシェイク。まさにそのとおりだよね。しかも水で溶くということは、硬さ調整も簡単にできるってことだから、各自好みのエサに仕上げることができる。まさに魔法のようなエサだよね」
いわゆる白色の『感嘆』と黄色の『感嘆Ⅱ』。この違いは何でしょうか?
「ズバリ比重だね。仮に同量で作った場合、『感嘆Ⅱ』のほうが重く仕上がる。また見た目も黄色くなるから、水中でのアピール力に一役買ってくれるかもしれない」
分量は正確に作ろう
作り方での注意点やコツってありますか?
「正確な分量を計量することと、水を入れたら素早くシェイクすることかな」
だから人によっては注射器で計量している場合もあるんですね。
「そういうこと。でもそれは水量の話でしょ。ボクが言っているのは”粉量”も同じだってこと。さすがに注射器で計ることは出来ないから、計量カップを使うことになる。しかもシェイクすることを前提にしているから、ある程度の大きさが必要になる。となると計量する目盛も10㏄刻みが普通だろうから、できればもっと正確に分量を計れるカップを別に用意して、シェイクするカップとは分けて使うといいかもしれないね」
でもそのやり方だと、わずかですが計量するカップに粉が付着して目減りしませんか?しかもカップの内側が濡れていたら、よけいに正確さを失うことになります。
「そうだね。計量カップが濡れているのは論外だけど、乾燥していても微量分は付着してしまうよね。でも毎回その方法で作れば別に問題はないんじゃない?それでもし軟らかくなってしまったら、次の計量では水分量をわずかだけ減らせばいいだけだから」
素早くシェイクし均等に
要はズボラな作り方がダメなんですね。素早くシェイクとは、どういうことでしょうか?
「シェイクするカップに計量した水を入れて、次に同じく必要量の『感嘆』または『感嘆Ⅱ』を入れるよね。そうしたらふたをしてすぐにシェイクしろってこと。ここでモタモタしていると、ダマになったり均等に粉と水が混ざらずに不均等な仕上がりになる」
なるほど。それはたしかにダメですね。
「とくに硬め(粉に対して水分量が少ない)の仕上がりにする時は、より素早さが要求されるから、必要なもの(とくにふた)は手元に準備しておいて、あたふたしないようにしたいよね」
シェイクしたあとに指先で練っている人がいますが、あれは必要なことですか?
「必要かどうかは釣り人が判断することだからボクには何とも言えないけど、練ることでコシが出ることはたしかだよ。でも最近ではコシが出やすいように糖分(コーラ)などを混ぜて作る人もいるから、そのへんは応用的に試してみればいいんじゃないかな。ただし練らずとも用法・用量を守って作れば、問題なく使えるエサにはなるはずだよ。そもそも『感嘆』や『感嘆Ⅱ』はそういう成分で作られているのだからね」
薬の話じゃないですが、用法・用量を守ってねってことですね(笑)。
「そういうこと!」
次回も「固形物の食わせエサ」です。
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>
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