落とし込み用の竿にはベイトの小魚を掛ける繊細さと、本命の大型青物などと真っ向から勝負するパワーの異なる2つの機能が求められる。今回はアルファタックルから発売されている2タイプの趣きの違った竿を使って、和歌山・白浜沖で青物を狙った。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)
当日の模様
最初のポイントは水深63m。海底の起伏付近に小さなベイト反応が出ている。船長のアナウンスでは「40mより下です」とのこと。この○mより下というのはベイトの映っているタナのことで、このタナを通す時には集中してベイトを掛けたい。ボトムまで仕掛けを落としてもベイトが掛からなければ、ベイトの居る指示ダナの一番上まで上げて再び落とす。
ベイトを掛けるコツを船長に伺うと、ズルズルと仕掛けをストレートに落とすよりも、落としては少し止めて食わせる間を持たせること。
穂先に明確な反応
早々に相川さんのアルファソニックPGがベイトの反応をとらえた。チタン製の穂先がベイトの反応を大きく表現してくれるので、「ベイトが元気すぎる?もしくは大きい?」と思わせられるほどだ。おそらく掛かったのはアジだろう。そのまま、オモリを着底させたらすぐに1mほど上げて待つ。底を切る幅はその時々で船長からアナウンスがあり、起伏が大きければ3m以上は上げておくように指示が出ることもある。
結局、この流しでは大型魚の反応がなく、仕掛け回収の合図。巻き上げると仕掛けには13、14cmのマルアジが掛かっていた。ちょうど「食べごろ」サイズのアジである。
竿が小躍りする?
少しずつ移動をしていくが、ベイトは順調に掛かるものの、本命の青物がやや渋い感じ。船中ではメジロクラスがポツリポツリと上がっているが、船長も「うーん」と首を傾げるくらい食いが渋いのだという。数回目の流しでかなり濃いベイト反応が出て、相川さんのチタン穂先には大きな踊るようなアタリ、下地さんの竿にもグリグリと小躍りするような反応が出ている。
メジロが大暴れ
ボトム付近に沈めるやいなや、相川さんの持つ竿が大暴れを始めた。と思った瞬間、一気に竿先が水面に突き刺さるほどの強烈な引きが襲ってきた。竿を一定の角度でため、竿のバットパワーで引きをかわす。
引きがほんの少し緩んだところで一気に電動のスイッチをオン。やや強引に巻き上げる。最後まで大暴れしながら浮いてきたのはメジロだった。
その直後、「食いそうですよ」と下地さんから声が掛かった。見ると、すでに柔軟なデッキスティックの竿先が上下に暴れ、直後にテンションが抜けた。食い上げだ。
すかさず、テンションが掛かってくるまでリールで巻き取るが、どんどん食い上げてくる。引きが竿に乗り、すぐに浮いたのはハマチだ。
その後、反応を探してメジロやハマチは追加されていくが、本来の白浜沖の爆発力には欠ける感じ。当日はそれまで釣れ盛っていたカンパチの姿も少なく、船中でシオ(カンパチの若魚)が数匹上がっていただけだ。
柔軟な竿だから待てる
納竿のお昼が意識され始めた頃、真っ赤なベイト反応のエリアが現れた。2人とも速攻でベイトを掛けることに成功。ボトムへと仕掛けを入れた下地さんのデッキスティックが、50cm近い振れ幅で大暴れを始めた。柔軟な竿だからこそ、この状況で食い込ませるまで待つことができる。そのうち、一気に竿が舞い込んだ。そこで強引にアワセを決めた。
強烈な引きでデッキスティックは大きく曲がり込むが、下地さんはおかまいなしに、強引に浮かせる。
極限まで曲がり込んだように見えたが、下地さんいわく「まだまだこの竿には余裕がありますよ」。
曲がり込んでもまだまだ
そのパワーを信じてさらに曲げ込むように竿を持ち上げると、今度は竿の力で魚が勝手に浮いてくるような感覚を目の当たりにできた。あっという間に浮かせたのはメジロだった。
このクラスの青物で、シリーズ中もっともライトな73・フルアームド・201でも十分な余裕が感じられるとは、ライトな中にも粘りとパワーの真骨頂を見た思いだ。確かに、ブリクラスが掛かったとしても、問題なく取り込むことができるだろう…と1人で感心してしまった。