秋になると接岸してくるタチウオ。今回は、アジンガーにとって脅威となるタチウオを避けて、本命のアジを釣る方法を考えてみた。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・井上海生)
タチウオが釣れる理由
小さいワームはどんな魚の口にも入る、とよく言われる。タチウオがアジング中に食ってくるのは、マイクロベイトパターンのとき、とも限らないのだろう。「なんとなく食ってみました」という感じか。
さらには、釣ったアジそのものに食ってくることも。これはアジを掛けて寄せてくる途中で、明らかにガツンとくるので分かりやすい。特に「常夜灯回り」はタチウオが集まりやすい。しかし悩ましいのが、常夜灯周りはアジの一級ポイントでもある。
ここでひとつご注意を。アジとタチウオ、ワンタックルで二兎を追っては一兎も得ることはできないだろう。リーダーは、例えばアジングで最大の8lb程度にしても、タチウオに切られるうえ、アジがかなり釣りにくくなる。
さてそれでは、タチウオを避けてアジを釣る方法があるだろうか。
1. リバーアジング
タチウオ回避術の1つ目はずばり、河口域でアジを狙う「リバーアジング」。筆者の感覚上、タチウオは真水を嫌うのか、ほとんど河口域には入ってこない。河口域で「タチウオカッター」に遭遇したことはない。
そして、河口域での「リバーアジング」は、まだ一般には広く知られていないので、場所に人的プレッシャーもかかっていることが少ない。いいポイントを見つけておくと、シーズンを通して場所を独占してアジングができることもある。
2. 闇ポイント狙い
2点目は、真っ暗な場所を打つこと。「闇打ち」とでもいうか、常夜灯回りを避けると、比較的タチウオアタックを受けにくい。
ただ、これは比較的足場から近距離にアジのポイントがある場所に限る。というのも、アジは釣られてくるときに、フィッシュイーターに聞こえる特殊な音(波動?)を出すといわれる。それがシーバスやタチウオを呼び寄せてしまうのだ。アジを掛けた後、あまり泳がせてしまうと、デカい魚が寄ってきて、アジの群れ全体にプレッシャーが掛かってしまう可能性もある。
よって、すぐ手前にアジのポイントがあり、掛けた後にささっと釣り上げられる闇ポイントが理想である。早めに勝負をつけるために、ドラグは強めにしておいた方が良いかもしれない。
3. シャローを狙う
タチウオは、水中で立った姿勢で定位する魚だ。つまり、あの長い魚体を収納できるような水深がない浅瀬には、定位しないのではないかと考えられる。ベイトを追ってくることはあったとしても、だ。
つまり、シャローはタチウオを避けたアジングポイントといえる。現に筆者の場合、サーフと漁港のドシャローにアジングのマイ・ポイントがあるが、そこでは年に1回程度しかタチウオカッターに遭遇していない。しかも、サーフやシャローはアジのほかに釣れるゲストも面白い。サーフの盛夏では、アジングでソゲが釣れるともよく聞く。
タチウオカッターをゼロに
今回はタチウオを避けたアジングについて考えてみた。
紹介した回避術と別に、ワームを1inch程度まで小さくする術もあるが、それだと最盛期のアジの反応は落ちる…。また、タチウオカッターがあるからといって、ワインドの装備に持ち替えて釣ろうとすると、タチウオは反応しなかったりするのが難しいところ。
基本的には上述のように場所で釣り分けるしかないが、私はこの秋こそ、アジングタックルでタチウオをしとめる術を考案中。もし成果があったら、報告します。
<井上海生/TSURINEWS・WEBライター>