水温の上昇とともに常盤の海で、浅場の猛者・ムラソイが釣れだした。そこで、5月24日(日)に日立港久慈漁港大貫丸へ。9人のファンとともに、豪快な引き込みを存分に楽しんだ。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 APC・大村隆)
大貫丸でムラソイ狙い
大貫丸の両舷5人ずつに分かれ、十分な間隔をとった釣り座に入る。4時40分、大貫茂雄・大船長の操船で、すっかり明るくなった岸壁を離れ、ムラソイ釣り場を目指す。根魚をもっとも得意とするだけに、広範囲に点在した根を熟知していて心強い。
天候は晴れ、南西の微風で絶好の釣り日和。緑が連なる常陸の山並みに沿って北上し、航程30分でスローダウン、潮回りに入る。この間に配られたサバの短冊を上バリにチョン掛け。下バリは冷凍カタクチイワシを、下アゴから上アゴの硬い部分に刺し通しにして装餌。
荒根を果敢に攻める
やがてポイントが定まると軽く制動がかかり、「はい。いいですよ。水深は14m。はい12m、9mになりました」と、刻々と変わる水深がアナウンスされる。海底はかなり荒く、荒根や大小交じったゴロタで形成されているのだろう。
攻略の基本は「底をトレースするように探っていく」とのことだが、そんな生易しいものではない。アッという間に3組のオモリと仕掛けを失ってしまった。だが、根掛かりを恐れていてはこの釣りは成立しない。果敢に攻めていくべきだと心に決める。
本命ムラソイにクロメバル一荷も
船は小移動を繰り返し、次つぎと新たな根を探っていく。流しによっては、ムラソイのほかクロメバルやアイナメ、カサゴなど定番ゲストが着いている根もあり、船中あちらこちらで取り込まれていく。
右舷ミヨシの人は、この釣りにぞっこんの様子。慣れた手返しで仕掛けを替えると、30cm級の良型クロメバルの一荷。「日立沖は根魚の魚影が濃いのでシーズン中は何回も訪れる」と話す。
右隣りに座る高橋頼雄さん(いわき市)も根魚釣りが大好き。良型の本命に続けてクロメバルと次々に取り込む。
良型の引き込み堪能
一方、私はその後も根掛かりの連続だったが、諦めずひん繁に底ダチを取り直すうち、オモリが底に当たる感触と明らかに異なる振動が穂先を微妙にたたいた。一拍おくとグックインと持ち込む。
根に潜られないように注意しながら竿をタメて巻き上げ。怒とうの引き込みが襲いかかるように訪れ釣趣を満喫。フットワークのいい船長がころ合いをみて駆けつけて、30cmを超えるムラソイをサッとタモ取り。
この1尾に余裕ができて、面白いように掛かるようになる。クロメバルが着いている根では、良型の2点掛けが連続してオケが埋まる。