遊漁船と水産庁が強力タッグ 東京湾シーバス保護の取り組みを取材

遊漁船と水産庁が強力タッグ 東京湾シーバス保護の取り組みを取材

「シーバス釣りのメッカ」と言われる東京湾で、遊漁船と水産庁が新たな取り組みを開始しました。東京湾のシーバス保護に向けた活動について、水産庁に取材をしました。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版編集部)

TSURINEWS編集部

その他 お役立ち

東京湾とシーバスの関係は縄文時代から

全国一のシーバス(スズキ)のストック量を誇ると言われる東京湾。主にルアーフィッシングで狙うことが多いですが、陸・船問わず人気の釣りターゲットです。

東京湾のシーバスの歴史は古く、江戸時代には「江戸前」の魚の代表格として、さらには縄文時代の貝塚からも骨が見つかっています。東京湾とシーバスの関係は、約9000年も前から続いているのです。

東京湾のスズキ漁獲量の推移

そんな東京湾近辺のスズキ漁獲量ですが、実は2006年をピークに減少傾向にあります。ただ、東日本大震災の影響や漁業者の減少も関係しているため、一概にスズキの数が減ったとは言えません。

遊漁船と水産庁が強力タッグ 東京湾シーバス保護の取り組みを取材海面漁業生産統計調査(提供:水産庁 資源管理部 管理調整課 沿岸・遊漁室)

しかしスズキは決して成長速度が早い魚ではありません。ランカークラスと言われる80cm以上になるまで約10年ほどの時間が必要だと言われています。そのため、行き過ぎた量の漁獲・釣獲を繰り返すとスズキの減少に繋がる可能性もあるのです。

遊漁船と水産庁が強力タッグ

このような現状の中、「2019年11月から水産庁と東京湾の遊漁船が新たな連携を開始した」というニュースが入ってきました。

あまり聞いたことがないタッグの組み合わせなので筆者としてはびっくり。そこで、具体的な取り組みについて水産庁の「沿岸・遊漁室」に電話取材を行いました。

釣魚量の把握が重要

担当者の話によると、現在シーバスの資源量を把握することができるのは「漁獲量」のデータしかないとのこと。上述したとおり、漁獲量は震災や漁業者の減少が大きく影響します。つまり漁獲量のデータだけでは東京湾のシーバス資源量をこまかく把握しているとは言えません。シーバスの資源量をより正確に把握するには、東京湾の遊漁船が知ることができる「釣魚量」がとても有益な情報になるわけです。

全国初の取り組み

何より重要になってくるのがシーバスに最も近い距離にいる遊漁船や釣り人の協力。このような試みは「全国的に見ても初」とのことです。

具体的な連携内容

まず、協力を申し出た遊漁船が「釣れたシーバスの数」、「時刻」、「エリア」、「表面水温」を記録、日ごとのデータが蓄積されていきます。この釣獲データを3ヶ月ごとにまとめて水産庁と遊漁船団体で構成する「海面遊漁意見交換会」に報告するとのこと。【担当窓口:NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)】

本調査では東京湾を7海域にエリア分けし、どこでどの程度の数のシーバスが釣れたのかデータを整理していきます。具体的には「Aの海域ではセイゴ40cmが▲匹、Bの海域ではフッコ50cmが◎匹」といったように各エリアの釣果情報が集約されていきます。

次のページでデータの活用方法について紹介

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