11月30日早朝、釣り仲間8人で兵庫県姫路港から船で姫路・坊勢島の「釣堀海恵」へ向かった。約5年ぶりの海上釣り堀釣行。今回は当日の模様に加え、初心者が失敗しない釣り堀攻略7ヶ条も紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・辻原伸弥)
海上釣堀「釣堀海恵」
釣堀海恵は、いくつかの港から専用の高速船で坊勢島沖に設置されたイカダへと移動する珍しい釣り堀施設。ブリ、カンパチなどの大型の青物からマダイ、シマアジ、クエと放流される魚のバリエーションも豊富で、放流される魚の味にこだわっているのも魅力のひとつだ。
今回は事前に予約し、貸し切りのイカダで釣り仲間だけで楽しむ。早速エントリーして、タックルをセットする。たまにイベントに参加する程度で、本格的に釣り堀で釣りするのは5年ぶり?今回もご一緒させていただいた中谷夫妻と、毎年恒例イベントとして通っていた当時が懐かしい。今回の釣り堀企画、実はTVでその釣りを見て「やってみたい!」となったハッちゃんのリクエスト。初挑戦の彼女に釣り堀の楽しさをぜひ味わってもらいたい。
朝一はマダイ狙い
まずは、朝イチ活性が高いマダイ狙いからスタート。ダンゴをエサに指定の水深へと仕掛けを投入する。するとすぐにウキに変化が現れ、次々と友人たちのロッドが曲がっていく。一方、初挑戦のハッちゃんはウキが少し沈むとアワせるが、もちろんフッキングには至らない。
通常のウキ釣りでは、ウキが沈み込んだり浮き上がったりしたらフッキングチャンスなのだが、釣り掘の魚でも特にマダイはウキが水中に消し込み、見えなくなるぐらいでフッキングするのがベスト。エサの種類にもよるが、エサをくわえたまま水中へ潜りそれから捕食し始める。ウキが少し沈んだぐらいでアワせてしまうと、ハリが魚の口の中に入り切っておらずバレてしまうのだ。
遅アワセで見事フッキング成功
中谷さんにアドバイスをいただき再チャレンジ!今度は見事フッキングに成功!目の前で暴れる良型マダイの引きに、ロッドを懸命に支えるハッちゃん。彼女にとって初めてのマダイ。その魚の大きさにも、パワフルな引きにも大感動の様子。
釣り堀攻略の7ヶ条
ご存じの通り、海上釣り堀は網で囲われた中に放流された魚を狙う釣り。海上釣り堀での釣りをまだ経験されていない方々なら、「誰でも簡単に釣れるでしょ!」と考えられると思う。しかし、どんな釣りにも必ず奥深さがあるように、海上釣り堀にも「ならでは」の世界が待ち受けている。
ここで、初心者が失敗しない釣り堀攻略方法を紹介してみよう。
初めてでも釣り堀で失敗しないための7ヶ条
1、エサをケチらないこと
2、必ず推奨されたタックル、仕掛けを準備する
3、魚種ごとの時合いを理解して合理的に狙う
4、放送される推奨のタナをまずは攻め、魚の食い気で微調整する
5、魚が掛かれば遊ばせず一気に巻き上げ、素早くネットですくう
6、自分のウキだけに集中せず、常に周囲の状況も確認する
7、クーラーは必ず大きめを準備する
エサについて
海上釣り堀では、エサのバリエーションを用意しておくことが重要。定番のダンゴでも内容物や色の違いでも状況によっては魚の食いが違ってくる。活きアジや川魚、サンマの切り身やイワシのぶつ切り、キビナゴや色付けされた鶏のササミなどなど、常連さんになるほどエサのバリエーションで魚に飽きさせず食い気をコントロールして釣果を伸ばしている。
仕掛けについて
閉ざされた空間であるイケス内を釣るため、ハリに掛かった魚を極力バラさないように努めたい。推奨された釣りザオやイトの太さ、仕掛けのハリの大きさやハリスの太さなどはオーバースペックに思われるかもしれない。
実際、時間を掛ければライトタックルでも獲れないこともないが、大型の青物とのバトル中は当然のことながら魚をコントロールできない。周囲の方に仕掛けを一旦上げてもらわなければならず、時間を掛けてのバトルは当然のことながら迷惑となる。
また、自分のウキの動きだけに集中せず、常に周囲の方々動きにも目を配る配慮を心掛けたい。
時合いについて
場所によってイカダのマスの大きさに多少の違いはあるものの、放たれた魚たちはその網の中で独自の生活環境を築き、堤防などの釣り同様に「時合い」と呼ばれる高活性な時間帯が存在し、魚が目の前に居てもエサに反応しない時間があるのだ。
朝イチの時合いでは、通常マダイの活性が高い。このような場合ならマダイをまずはターゲットにするのが賢明。この時合いに青物を掛けてしまうと、マダイは青物を怖がり、ネット際に回避して釣りにくくなる。イケスの中の魚だが、不思議に「弱肉強食」自然の摂理は形成されている。
女子チームが奮闘
潮の動きで、同じイカダでも多少釣り場の良し悪しは存在するが、誰にも平等にチャンスは訪れる。10kgのブリがヒットすることだって決して珍しくない。掛かってからの行動もある程度予測しておき、焦らず慌てず慎重なやり取りを繰り返せば必ず魚は弱る。くれぐれも、魚を無理に暴れさせないように注意したい。
ハッちゃん念願の釣り堀初釣行は、見事マダイを数匹ゲットすることに成功した!中谷さんの奥様はマダイにブリと大活躍!男子チームは釣りたいオーラが出過ぎのためか?なぜか女子の釣果がいい釣り掘り釣行である。今回も、笑顔いっぱいの女子チームの活躍で、12時30分満足の納竿となった。
有料だがレンタルタックルも常備し、ウロコ取りや内臓抜き、三枚におろすなど釣れた魚の処理もしてくれる。仲間と気軽に釣り掘り忘年会なんて企画はいかがだろう?
<辻原伸弥/TSURINEWS・WEBライター>