【東日本編】11月に旬を迎える美味しい海の幸5選 アンコウにアワビ

【東日本編】11月に旬を迎える美味しい海の幸5選 アンコウにアワビ

日本は四方を海に囲まれた島国であり、季節や場所によってスーパーに並ぶ魚介類も様々。特に秋は、産卵や冬に向けて、脂が乗り太った美味しいサカナがたくさんいます。今回は、なかでも11月に旬を迎える東日本のサカナを紹介します。

(アイキャッチ画像作成:TSURINEWS編集部)

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11月の北海道地方の旬『カレイ』

冬の寒い時期のカレイは、脂がのりつつ、身が引き締まって非常に美味しいサカナになります。

中でも「マツカワ」という種類のカレイは【幻のカレイ】とも呼ばれており、淡白で上品な味わいです。

高級魚のヒラメと同じくらい美味しいということから「冬はマツカワで、夏はヒラメ」という言葉があるほどです。

代表的な食べ方

マツカワの刺身は、白身魚の刺身のトップに君臨するヒラメの刺身と同様、いやそれ以上に美味しい刺身と評価の声が上がります。

エンガワは脂が多く、上品な甘みのある脂で、食べた時の食感も良いため非常にオススメ。特にエンガワの握り寿司は酢飯との相性も抜群です。

漁獲量があまり多くないので、なかなか出会うことが出来ませんが、産地である北海道なら新鮮なマツカワに出会えるかも?

その出会いを絶対に逃してはいけません。

【東日本編】11月に旬を迎える美味しい海の幸5選 アンコウにアワビエンガワの握り(出典:PhotoAC)

11月の東北地方の旬『アワビ』

日本一の生産量を誇る岩手のアワビ。他県産のアワビの多くが夏に旬を迎えるのに対し、岩手県に生息するエゾアワビはの旬は11月と12月。

11月に漁が解禁になり、天然のアワビが多く市場に出回る時期です。震災後、値段が高騰したアワビも少しずつ値段が下がり、サイズも安定してきています。

水温が低く、流れの強い海流に鍛えられて身がしまっているのことが、三陸沖のアワビの特徴です。

代表的な食べ方

新鮮なアワビの食べ方といえばやはり「踊り焼き」でしょう。

アワビから溢れる海鮮の香りと、凝縮された旨みが味が口の中に広がります。醤油やバターとも相性が良く、香りはもう最高!匂いだけでご飯が何杯でも食べれてしまうはずです。

【東日本編】11月に旬を迎える美味しい海の幸5選 アンコウにアワビ踊り焼き(出典:PhotoAC)

11月の北陸地方の旬『ブリ』

冬といえばやはり「寒ブリ」。中でも富山県の氷見(ひみ)で漁獲されるブリは脂のノリが最高です。

氷見は定置網漁法発祥の地で、その歴史は安土桃山時代に遡ります。定置網で捕獲したブリはストレスが少なく、鮮度もバツグン!

この時期、春の産卵のために北海道から九州へ南下をしているブリですが、氷見を通過する頃はまだ卵を抱えていないため、身に栄養と脂がぎっしり詰まってる状態です。

代表的な食べ方

寒ブリは身に脂がノリノリのため、濃厚な旨味としっかりとした食べ応えをしています。

煮ても、焼いても、どんな食べ方でも美味しく頂けますが、お刺身だとあまり量が食べられないのも事実…、

そこでオススメなのが【ブリしゃぶ】。

薄めに切ったブリのお刺身を、鍋に煮立たせたたっぷりのだし汁にさっとくぐらせ、しゃぶしゃぶにします。

刺身の表面の余分な脂や臭みが抜け、生魚が苦手な人でも食べやすくなります。

ミディアム・レアの状態で、たくさんの薬味とともにポン酢にサッとくぐらせて食べれば飽きずに丸々一匹食べられるかもしれません。

【東日本編】11月に旬を迎える美味しい海の幸5選 アンコウにアワビブリしゃぶ(出典:PhotoAC)

11月の東海地方の旬『ホウボウ』

見た目は鮮やかな朱色と柔らかい肌色の入り混じった美しい魚体に、ひときわ深い緑色にトルコブルーの宝石がちりばめられた翼のような胸びれを持つ美しい魚です。

ホウボウを主とした漁はなく、他の魚を狙った延縄漁や定置網、底引き漁にかかることが多いです。

余談になりますが、ホウボウの面白い生態としては、胸鰭の一番下の3対が太く発達しており、これを脚のように動かして海底を「歩く」ことができます。

代表的な食べ方

白身ながらしっとりとした味わいが特徴。新鮮なものよりも、数日熟成させたり、【昆布締め】で食べるのがおすすめです。

また、煮付けや塩焼きにしても美味しく、どんな調理でも美味しく食べられるのもホウボウのいいところ。

肝や心臓、発達した浮き袋も湯がくなどして食用とすることができ、骨からも上質な出汁が取れるので、是非余すところなく食べてみてください!

【東日本編】11月に旬を迎える美味しい海の幸5選 アンコウにアワビ美しいホウボウ(出典:PhotoAC)

11月の関東地方の旬『アンコウ』

冬の味覚を代表する魚介類といえばアンコウも忘れてはいけません。

特に茨城県はアンコウの国内随一の名産地です。

アンコウは身、皮、水袋(胃)、キモ(肝臓)、ヌノ(卵巣、えら、トモ(ヒレ)が食用部位となっており、「あんこうの七つ道具」と呼ばれ、骨とあご、眼球以外は余すところなく食べることができます。

そしてアンコウが美味しい最大の理由は、海のフォアグラとも例えられる「あん肝」でしょう。

代表的な食べ方

アンコウといえば【アンコウ鍋】を想像する人も多いと思いますが、茨城ではより濃厚な食べ方が好まれています。

それが【どぶ汁】。

一般的な鍋では、野菜や身を入れて出汁をはった所から煮立てますが、 どぶ汁では基本的には出汁を使いません。

そのため、とにかく風味が濃厚。

その分クセが強く、人を選ぶ料理かもしれませんが、旬のアンコウを最大限に味わえる料理と言えるでしょう。

【東日本編】11月に旬を迎える美味しい海の幸5選 アンコウにアワビアンコウのどぶ汁(出典:PhotoAC)

<近藤 俊/TSURINEWS・サカナ研究所>