10月20日、秋磯のグレを狙いに和歌山県串本の出雲へ単独フカセ釣行へ。刻々とかわる海の状況にうまく仕掛けを合わせていき、コンスタントにグレの釣果を上げることに成功。尾長33cmを頭に数釣りを満喫することができた。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・児玉卓郎)
谷口渡船で「サバ壁」へ
この日お世話になったのは谷口渡船で、いつものように明るい船長が出迎えてくれた。連日台風の影響でなかなか磯へ渡ることができない日が続いていたが、当日は波も安定し天気は曇りと久しぶりの出船となった。ただし、前日の雨とうねりが残っているため、磯は湾内が中心で沖磯は大サバまでしか行けないとの船長判断。私は沖磯のサバ壁へ渡礁させてもらった。
前日の雨の影響からか海の色は青白く、表層は水潮であったため深めを釣ることを考えながら、最初は状況を見るため7mのハリスに0号のウキで表層から丁寧に探ることにした。
当日の仕掛けは、ロッドがトーナメントAGS1.2号5.3m、リールはトーナメント競技、ウキがGTEX-R0~B、ミチイトはラプター1.5号、ハリスはセンガ1~1.5号とした。
3ヒロのタナで尾長コッパ
水温は23度と高水温で、まずは少量のまきエサを手前に2発打って仕掛けも投入して様子を見るが、視認できる範囲に魚は確認できず、エサも残ってきた。
次も同じようにまきエサを打ち、仕掛けは少し沖へ投入して徐々に入れていくと、3ヒロほど入ったところで一気にウキが消えていった。すかさずアワセを入れると、手のひらサイズの尾長コッパグレが掛かってきた。
コッパにしてはタナが深いが、魚がいることは分かったのでまきエサは先ほどと同じ位置に打ち、仕掛けの投入だけさらに遠くへ入れていくと、今度は23cmの尾長とサイズアップする。
3ヒロの固定仕掛けで連発
タナが同じであるため3ヒロほど入れたところの水温が今の彼らにとって居心地がいいのだろうと踏み、表層の潮がすべりだしたのを機に仕掛けを0からBへ変更し、3ヒロの固定仕掛けにかえた。すると、25~28cmまでは連続して食ってくる状態になった。
まきエサとさしエサをあえて離して流していくと、ウキが消えて手元のラインまで引っ張っていくアタリが出た。アワセを入れてからは手応えもあり、手前に突っ込んでくる引きから尾長のサイズアップではないかと期待が膨らむ。慎重にやり取りを行い浮かせたのは、33cmの尾長グレだった。
午前10時、満潮を迎え潮が止まり反応もなくなってきたので、次の潮が動きだすまで谷口渡船に朝お願いしたお弁当を食べ、しばし休憩。
休憩後は状況一転エサ取り乱舞
釣りを再開しようと手前にまきエサを入れると、今度はすぐさまエサ取りが乱舞する状態になり、朝とは打ってかわって活性が上がってきている様子。そこで朝よりも遠投をしてみるも、今度はエサが残ってくる。
活性が上がってきているためタナを3ヒロから2ヒロへ変更して遠投すると、仕掛けがなじまないうちにサオをひったくるアタリが出た。よく暴れて走るのでグレではないと思いながらやり取りしていると、上がってきたのはカンパチの幼魚だった。小さいわりによく引き楽しませてくれた。
青物が回ってきたのだと思い、先ほどよりも少し潮上に仕掛けを入れ直すと、またなじむ前にアタリが出る。今度は先にアワセを入れると、先ほどとは比べものにならないスピードで手前に走ってきた。何とかサオで耐えたと思いきや、今後は沖に向かって勢いが増し、止めることができずラインブレイクとなった。
イスズミ連発するも尾長30cm手中
正体は不明だったが、ここでハリスを1号から1.5号へ上げて、仕掛けもBから0へ変更して浅ダナにも対応ができるようにした。しかし、ここからはイスズミのオンパレード。時折尾長の30cmが交じる釣況のまま終了となった。
出雲の磯はもちろん、ほかのエリアでもこれから水温が下がれば、さらに楽しい釣りができるようになると思う。ぜひシーズンを迎えたフカセ釣りのグレに挑戦してほしい。
<児玉卓郎/TSURINEWS・WEBライター>