「風が心配だけど青物の活性はいいので、行きましょう!早上がりでも釣果は期待できそうです」浜栄丸の船長・浜谷彰さんからの連絡で、9月19日の出船が決まった。今年は非常に調子がいいと評判。当日も明石海峡の青物ジギングでハマチが大漁だった。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・中西)
明石海峡『ジグの墓場』
本州と淡路島に挟まれた明石海峡は、その幅およそ3.6 km。この狭い海峡筋に、潮の干満によって瀬戸内の海水と大阪湾の海水が集約されて流れ込むことで、日本有数の激流ポイントが形成されている。速い時には5kt以上で流れる潮がジギンガーを翻弄する難所であるが、この速潮にもまれて育った魚はいずれも美味!難所攻略のご褒美ということかもしれない。
この日のフィールドとなったのは、そんな明石海峡を代表する通称「ジグの墓場」。明石海峡大橋の東に位置する激流カケアガリポイントだ。ジグの着底を常に意識し、刻々と変化する水深にアジャストしていかなければ、魚が釣れないのはもちろん、ジグがいくらあっても足りない難所だ。
浜栄丸にてジギング
兵庫・高砂の荒井港を5時過ぎに出船した浜栄丸は、約1時間かけてポイントに到着。例年なら出船してすぐの鹿の瀬でもよく肥えたハマチが釣れる時期なのだが、今年はツバスが多すぎるため、先にヒットして型が出ないのだとか。
僚船からの連絡で、青物の活性はかなり高いとのこと。ポイントに到着する前から、すぐに投入できる準備をするよう船長からアナウンスがある。
ポイントには6時20分ごろに到着。乗船客6人がすぐに思い思いのジグを投入する。まだ下げの潮が残っている状況で、西から東へ2ktほどで流れている。潮が止まるまでがチャンスなので、皆さん真剣な表情で送り出されるラインを見つめていた。
一流し目からハマチが連発!
流し始めてすぐ、左舷胴の岩佐さんがアタリをとらえたが、抜けてしまった。悔しそうな声があがるが、船中ますます集中力が高まるのが感じられた。
一流し目の終盤、右舷ミヨシの谷口さんにヒット!ぐいぐいサオ先を曲げ込む引きを見せ、ハマチというにはちょっと大きい、よく肥えたサイズが上がった。みるからにおいしそうな海峡のハマチだ。
二流し目、今度は先ほど悔しい声を上げていた岩佐さん、続いて左舷ミヨシの伊原さんが連発でいい型のハマチをヒットさせる。周りの船でも頻繁にサオが曲がり、青物の活性はまだまだ高いようだ。
3流し目。流し始めてすぐに左舷トモの久角さんにヒット。流しの序盤、まだ水深のある場所でのヒット、さらに速潮に乗った魚の引きは型以上で、強烈!しばしのやり取りの後、姿を見せたのはこれまたよく肥えたハマチだった。
着底後10回ほどワンピッチで誘い、最後にポーンとジグを跳ね上げてからのフォールに食ってきたとのこと。ヒットジグはポキスラ200g。
船長の神経締め&血抜きサービス
その後はひと流しに一回誰かにヒットするといった状況が続いたが、1時間半ほどすると潮が緩んで青物の反応がなくなってきた。そこで今度は垂水前へ移動してサワラを狙うことに。皆さんタックルをスピニングに持ちかえ、キャストして広範囲を探る作戦に切りかえた。
この時間に、船長は釣れた魚を1匹ずつ丁寧にしめてくれる。神経締めの後しっかり血を抜く徹底ぶりで、常連からは「船長がしめた魚は味が全然違う」と評判のサービスだ。
船中全員ヒット!
ここでは数回流し直したが、ツバスがヒットしたくらいでサワラはお留守。転流して上げ潮が動き出したタイミングで、再び海峡筋に戻り青物を狙う。
今度は潮の向きが反対になっていて、船は東から西へ流れていく。
一流し目、「水深70m、始めてください」船長のアナウンスで一斉にジグが投下される。着底して巻き始めた途端、左舷ミヨシの伊原さんにヒット!続いて左舷胴の間の岩佐さん、そして左舷トモの久角さんもサオを曲げた。さらに、右舷側も次々にサオが曲がり、船中全員ヒットのお祭り騒ぎに!
右舷胴の間の中尾さん、右舷トモの西尾さんもこの時合いにしっかりお土産をゲットしていたが、潮が4ktを超えるようになると流し直しのスパンが短くなり、青物の反応も悪くなったので、再び垂水前でサワラ狙い。
しばらく狙ったが、岩佐さんがジグを切られたのと、久角さんのジグにそれらしい歯形が付いただけでヒットには至らず。最後に海峡筋を数回流し、予報通り風が強まったため早上がりとなった。とはいえ、最終的には船の船尾に備え付けの超大型クーラーはハマチでいっぱいになり、氷の入ったお客さんのクーラーにも入れなければならない釣れっぷりであった。
この日のパターンと今後の展望
久角さんにこの日のヒットパターンを聞いたところ、「ジグはシルバーの長めのロングジグがよく、1匹目以外はすべてサウリーの250gでのヒット。タチウオパターンに入ったようで、ふわふわ誘うワンピッチにロングフォールの組み合わせで、食いの渋かった時間もヒットに結び付けることができた」と当日を振り返ってくれた。
なお、船長によると、そろそろ型のいい青物が海峡の西側にも入ってきて、鹿の瀬でも釣れるようになるとのこと。そして、メジロ、ブリクラスも狙える盛期に突入するそうだ。ぜひぷりぷりに肥えた明石の青物を狙いに出かけてみよう!
<中西/TSURINEWS・関西編集部>