神奈川県西部にある相模湖が春の好機。歴史のあるダム湖なので大型はウヨウヨいる。しかし、ベテランでさえも釣るのは難しいと言われるほど難易度が高い。だが春のこの時期だけは、魚が接岸し中短竿で舟から手軽に狙える。同湖上流域にある舟宿・天狗岩釣り案内所なら引き舟&ポイントガイドなど初心者でも釣れるように手厚く手伝ってくれる。新元号になって最初の大型狙いは相模湖に照準を合わせてみてはいかがだろうか。
人造湖の相模湖の歴史
1947年に完成した相模ダムによって相模川がせき止められてできた人造湖。水利は上水道、工業用水、水力発電、洪水調整、かんがい用などさまざま。歴史が古いダム湖なので多数の大型ベラが生息し、それを狙って多くの太公望たちが訪れる。
地形的に陸釣りポイントが限られるので、舟から狙うのが一般的。なお全国的にも珍しい舟の夜釣り(一部の舟宿に限られる)が可能なのも同湖の大きな特徴だ。舟の固定は、舟宿が用意した水棹を利用するのが一般的。
「相模湖の釣りは難しい」とはよく聞く言葉だが、こと乗っ込みシーズンと重なるこの時期は、初心者でも比較的容易に狙うことができる。夜釣りは難易度が増すので、今回は日中の釣りに絞って紹介する。
とても親切な天狗岩スタッフ
まずは天狗岩の公式ホームページ、または電話で釣況を確認する。天狗岩のスタッフはとても親切なので、初心者でも分かりやすく釣況を説明してくれるはずだ。そしてスタッフからGOサインが出たなら、できるだけ指定された日に釣行したい。
たとえば「明日はきっとチャンス日だよ。」と言われたのに「三日後じゃないと行けない。」では釣果を得るのは難しい。それほど同湖の日並みはピンポイントなのだ。いいと勧められた日の前後二日程度が限度と覚えておけばいいだろう。
出舟時間の30分前には到着し、釣り道具のチェックをする。ポイントは引き舟で向かうことが多い。舟宿から遠距離なので、忘れ物をしても戻ってくるのは難しい。さらに同湖のヘラ釣り専用舟は大型タイプなので、手漕ぎでは容易に前へ進めない。
ポイントはスタッフに任せよう
ポイント(エリア)の指定はスタッフに一任しよう。豊富な経験値と魚群探知機などを駆使して当日のベストポイントに引き舟してくれる。もちろん自力で舟を漕いで自分の目でポイントを探すことも可能だが、初心者には勧められない。
推薦エリアで引き舟のロープをほどいたら、竿を出すポイントまでは1本オールで近づく。舟着けは水棹。すでに刺さっている場所があれば、新規に刺す場合もある。水棹が不慣れならスタッフが刺してくれるので心配はいらない。着舟が完了したらいよいよ実釣だ。
狙うポイントはさまざまだが、この時期の定番はアシやヤナギの近くを沖から狙う岸向きスタイル。できるだけアシにウキを近づけるのか、それともやや離すのか。釣況次第だが、竿がなければそれもできないので、ロッドケースには7~15尺までを1尺飛びずつ準備したい。2尺飛びでは、微妙な修正が効かない。
釣り方とエサ
釣り方はおもにバランスの底釣り。天候風向きに関係なく発電による水位増減や流れが発生するので、小まめなタナ調整と流れ対策(ハリスオモリ・ドボン釣り)の準備は整えたい。
エサは両グルテンか両マッシュだがビギナーなら前者がオススメ。集魚力の強い両ダンゴなどはよけいな魚が寄って釣りづらくなるだけ。ブレンドは好みで構わないが、気を付けたいのがエサ持ち。待ち気味の釣りになるので、時間が経っても塊が崩れない(水を含んでもすぐに膨らんで溶解しない)ようにする。
さらに塊が小さくならないように大バリ(最低でも10号前後)を使う。エサの塊が小さく残ると、マブナやウグイなどのジャミ類が多くなる。もし早いアタリで釣りたいなら、ほぼナジミ切りを前提にボソっ気のグルテンを使うと面白い。
春はビギナーにもチャンス十分!
底の状態はいい悪いさまざま。魚がいるのにアタらない、アタってもスレ。これらは底の悪さが起因している場合もあるのでエサ打ち点を変えるとか、ナジミ底と呼ばれる(両エサを付けてナジみきったら下エサが底に着く)タナにしてみるのもいいかもしれない。
なお、ハタいている時の魚はなかなか口を使わない。アシ(ヤナギ)近くにウキを立たせてスレばかりなら、少しだけ離してみるといいだろう。
<週刊へらニュース版 熊谷充/TSURINEWS編>