8月17日、鹿児島県肝属郡肝付町・船間漁港の沖磯へ単独夜釣りに出かけてみることにした。
シロシブダイ、それは最高に美味しい高級魚
午後3時、渡船の加奈丸で出港。
10分ほど北上し、上げてもらったのは鳥島4番。
今回のターゲットはシブダイ(クロホシフエダイ)。
この魚はオレンジ色の体に黄色いヒレを持つ。
背ビレの下あたりに一つだけ斑点があり、その色によって白点シブダイ・黒点シブダイと呼ばれている。
地域によってはヤマモチ、フエダイ、ホシタルミなどの呼び名もある。
白点・黒点どちらも食べられるが、白点シブダイは最高においしい高級魚で、引きも強くて釣り応えがある。
黒点シブダイに比べて白点シブダイは希少で、漫画『奨太の寿司(著:寺沢大介/講談社)』では作中で神の魚とも呼ばれていた魚。
シブダイは夏になると産卵のために磯の浅場に接岸してくる。
夜行性で光を嫌う性質があり、昼間の猛烈な暑さをさけて涼しい夜釣りができるので、釣り人にとっても都合がいい。
長丁場の夜釣り、じっくり腰を据えて
暗くなるまで時間があるので、ゆっくりとまきエを作る。
バッカンに海水を張り、オキアミボイルまきエ用を2角入れる。
海水に浸すことで海面に浮き上がらず沈むので、海底付近に居るシブダイまで届いてくれる。
別のバッカンには集魚材の制覇マダイ2袋に海水を少量混ぜ合わせる。
制覇マダイはマダイ用の集魚材だが、配合されたBigキラリが海中で光を反射し、夜の魚の視覚を刺激する。
シブダイが好むエビ、カニ、イカゴロ成分が効果的だと思う。
つけエサは真空パックで鮮度抜群のサシエサPROのボイルLLサイズとキビナゴを用意。
日陰で休憩し、暗くなった8時から釣りを開始。
足元のサラシにまきエ用ヒシャクでオキアミボイルと集魚材を入れる。
サオ先に仕掛けを入れるとマツカサなどのエサ取りが釣れる。
今度はエサ取りをさけてサオ3本先に仕掛けを入れると、つけエが残るようになった。
シブダイの食いダナは海底付近なのでウキ止めイトを付けた半遊動仕掛けで底取りをし、海底から50cmぐらい上につけエがくるようウキ下を小まめに調整する。
当日は長潮。
潮の流れに勢いはなく、左右にふらふらと流れは一定しない。
干潮の9時ごろ、ウキのLEDライトが勢いよく消し込み、40cmぐらいのイサキが釣れた。
連発するかと思われたが後が続かず、時間だけがすぎていく。
10時、ウキがゆっくり根掛かりのように沈んでいく。
サオを立ててアワセを入れると結構な重量感が返ってきた。
シブダイは根に入るのでリールをゴリ巻きして波打ちギワまで寄せ、磯にずり上げる。
キャップライトをつけて確認すると50cmオーバーの黒点シブダイだった。
午前0時に再びアタリがあり、サオを立ててアワせるとゆっくり下に潜ろうとする変な引き。
上がってきたのは50cmオーバーのクロ(メジナ)だった。
昼間のクロはスピード感があるが、夜のクロはあまり引かない。
夜明け前、ウキ動く
満潮前の3時、つけエをキビナゴにして流すとスパッとウキが消えた。
アワせるとスピード感あふれる力強い引きで海底を這う。
サオを曲げて魚を浮かせようとするが、簡単には浮いてこない。
仕掛けはデカいので思い切りサオを絞り上げると魚が浮いた。
キャップライトで確認すると白点シブダイだ。
大事にタモですくって、メジャーを当てると45cmだった。
「白点シブダイ取ったでごわす!」雄たけび一発。
今年の夏1尾目の白点シブダイが釣れ、とてもうれしい。
すぐに仕掛けを入れて次を狙ったが、やはり潮はふらふらでアタリがこない。
鳥島2番方向に流れる本命の潮が動きだしたのは東の空が明るくなってからだった。
残念。
磯に付いたまきエを洗い流し、納竿した。
結果、白点シブダイ45cm、黒点シブダイ52cm、クロ52cm、イサキ40cm、カマス各1尾ずつにアラカブ2尾だった。
今夏1尾目の白点シブダイをゲットできて良かったが、次回は白点シブダイの数釣りじゃっど!
<週刊つりニュース西部版 APC・新増初生/TSURINEWS編>
加奈丸
TEL:090-1878-7204