「タチやで、タチウオパターン。シルバーのロングジグしかいらん!」と電話口でささやいたのは、釣友の峯卓君。聞けば三重県・鳥羽沖でブリやワラサがエライことになっているらしい。
タチウオ食べてる青物を狙う
この時期の青物は小型のタチウオを飽食することがあり、フルシルバーのロングジグが絶大な威力を発揮するのだ。
200gのロングジグを詰め込んで、ずっしり重くなったタックルケースを抱え込み勇んで向かったのは、本浦から出船している山洋丸。
大型船2隻を有して、ジギングの他にウタセマダイやヒラメにも出船している老舗の船宿だ。
今回乗船したのは第二山洋丸。
戸羽一美船長の指示でタックルを積み込んでいざ出船。一路鳥羽沖のポイントを目指す。
30分足らずでポイントに到着し、いよいよ実釣開始だ。
開始早々にHIT!
情報通りタチパターンを想定し、懐かしのヒラジグラロング200gのフロントにバーチカルヘビー5/0をセット。
他の同船者はロングはもちろん、スロー系、タングステンなどさまざまなパターンを想定しているようだ。
そう簡単には食ってこないだろうとのんびり構えていたが、いきなり隣からヒットコール。
朝日がまぶしいなか、日進市の田中さんのロッドティップが海面に突き刺さる。
慎重かつ大胆なファイトで浮かせてきたのは、80cmクラスのよく肥えたブリだ。
三重県ではこのサイズのブリをケンカブリと呼ぶ。
釣った人はブリ、周りはワラサだと言い合ってケンカになるぐらい微妙なサイズのブリ…のことらしい。このタイミングで反対舷でも、同サイズのブリが上がる。
田中さんが釣ったブリの口についていたのは、ロングではなくクイックゼロワン。
平型のジグだ。
「話が違うやんけ…」と心の中でボヤくが、すぐジグをTGベイトの付いたライトタックルに持ち替える。
これが奏功したのか、早々に70cmほどのサワラをキャッチできた。
そのサワラが吐き出したのが、なんと指1.5本ぐらいのタチウオ。これで頭の中は大混乱。タチパターンかイワシパターンか…。
タチパターンで時合い突入
取りあえず再びロングジグに切り替え、ボトムから丁寧に探る。
そしてやや沈黙の時間はあったものの、11時すぎに待望の時合いが到来。
左舷ミヨシに座を構えていた森村さんが丸々の極太のサワラをキャッチし、続けて丸々太ったワラサもランディングする。
さらに右舷ミヨシの藤井さん、中浜さんも続けざまにワラサをゲットしていき、戸羽船長はタモ入れに大忙し。
時折ハマチも交じり、船中あちこちでヒットコールが響き、バラシはあるもののワラサが次々ランディングされていった。
皆ヒットジグはシルバーのロングジグ。
見れば鳥までタチウオをくわえて飛んでいる。峯君、疑ってごめんなさい。
昼すぎに祭りは一段落したが、その後も流すたびにポツポツヒットは続き、終わってみれば船中ブリ2匹、ワラサ8匹、サワラ2匹とまずまずの釣果となった。
鳥羽沖のジギングはまだまだこれからが本番。
10kgオーバーが狙えるこの海域、パターンは変わることがあるので、ライトからヘビーまでのタックルとさまざまなジグを用意して挑んでいただきたい。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>
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山洋丸