今月のテーマは「戸張誠の釣り談義」。間もなく当企画300回目に達するのを機に戸張は当コーナーから引退する。そこで最終章はハウツーなど語らず、ヘラブナ釣りについて戸張に好きなだけ自由に語ってもらうことにした。最終回はいつの時代になっても取沙汰されるマナー問題について考えてみた。ゴミや駐車場問題、そして舟上での用足しなど少し突っ込んだ話もしてみた。
釣り場のゴミ問題について
300回に渡って発信してきた当企画もいよいよオーラス。
最終回はヘラ釣りのマナーについて考えてみたいと思う。
とかく取沙汰されるのが野釣りにおけるゴミと駐車場の問題だが、これについて戸張の考えは?
「どうでしょうか、依然と比べたらゴミを放置していく人は少なくなったと感じます。とくに人気釣り場ほど、釣り人のゴミは減っている気がするのですが」
それは記者も感じています。
ただ依然として家庭ゴミなどの釣りとは関係ないものを捨てる人が後を絶たない。そこに少しでも釣り関係のゴミが交じっていると、関係のない人が見れば釣り人が捨てたとなってしまう。
「はい。ですからもはや自分が出したゴミだけは持ち帰ろうだけでは済まなくなってきているわけです。釣りには関係なくともゴミを見つけたら可能な限り拾って、適正な場所に処分する。私たちにできることは限られますが、できることから始める。こういうスタンスで徐々にゴミ問題を解決するしか方法はないと思うのですが」
駐車問題はどうでしょうか。
「そこに釣り場があり釣れるなら釣り人が来るのは当然のことです。止めてはいけない場所に止めるのが問題なわけですから、解決策は駐車可能な場所を分かりやすく提示して、そこへの駐車を釣り人に促すしかないと思うんですよ。釣り場を閉鎖(釣り禁)にするのは簡単なことですが、それでも金網などを破って釣りをする人もいるので、いたちごっこになりかねない」
あと、とくにヘラ釣り人は歩くのを嫌います。
「そうなんです。少しでもポイントの近くに車を止めたい。ゆえにトラブルが起こるケースが少なくないので、解決策としてはカートなどの推進しかないでしょう。ヘラ釣りに適したサイズ・形状のカートを用意し歩いて釣り場へ向かう。
そういう紹介を業界は今までやってこなかったので、今後はメーカーなどが積極的に推し進めることも必要でしょうね。」
釣り人の安全面とマナーについて
近年はライフジャケットの着用も義務化の方向に向かいつつあるようですが、この点についてはいかがですか?
「人命事故が起きると釣り場閉鎖など、自分だけでは済まされない問題に発展しかねないのですから、命を守る行為は必要不可欠であり、もはや必須の事項とも言えますよね。飲酒運転と同様に『着ないなら舟に乗らない・乗せない』。
このことを徹底するしかないでしょうね。」
舟と言えば〝用足し〟の問題もあります。とくに観光地でのトイレ問題は切実ですよね。
「これは難しい問題ですね。出物腫物所構わずではないですが、大ならともかく小は舟上で済ませる人がほとんどです。私も含めてですが。」
何か解決策はないものでしょうか?
「立ち上がったり堂々と前を向いてせず、面倒でも後ろを向いたり舟底の低い所に移って見えないように用を足すなどするしかないでしょう。あとはスカートを履くなども効果的な対策ですね。」
用足し用のスカートですか。確かにいい方法ですね。
でも冬場ならともかく、暑い時期にスカートは持っていかない人が大多数でしょう?
「生地を薄くして携行性をよくして、上部のゴムも緩めにするなど専用のスカートを自作するかすればいいのではないでしょうか。まあ単なる思い付きですけど。」
マナー問題は今に始まったことではない。今後も永遠のテーマとして語りつがれるだろう。
最後に戸張は「子どもたちや孫たちが、私たちヘラ釣り人を見て、大人ってだらしないねとは思ってほしくない。」と言っていたのが印象的だった。
これを読んでハッと我に返ったそこのアナタ。
今からでも遅くはないので、マナー向上に努めていきましょう!
「戸張誠・上達への道しるべ」は以上を持ちまして終了です。
長期にわたりご愛読下さり誠にありがとうございました。
次回からはマルキユーインストラクター・伊藤さとし氏による新企画がスタートします。
<週刊へらニュース 戸張誠/TSURINEWS編>