市場に出回ることがなかなか無い高級根魚オニカサゴ。カンタンには釣れるとは言えないが、基本さえ理解すれば釣れるチャンスは誰にでもある。今回はオニカサゴ釣りを道具、釣り方、更にはオススメの料理を紹介しよう。
オニカサゴは「イズカサゴ」?
毒を持つトゲが特徴的な「オニカサゴ」。標準和名は「イズカサゴ」。30~40cm超えの中~大型は主に岩礁帯の水深80~200mに生息。
ややこしいことに標準和名でオニカサゴと呼ばれているのは別種。こちらは浅い岩礁帯に生息。
主な釣りエリア
関東では、外房の大原や南房の布良、伊戸、洲の崎などでは1kg級がコンスタントに上がり、東京湾では金沢八景からも出船。
相模湾の片瀬で冬季を除いてほぼ周年出船中。
静岡では土肥、大井川で受け付けている。
関東・東海の釣況
南房洲の崎出船の勝丸では11月24日、1.2kg頭に1~4尾。ゲストにキダイ1~2尾など。例年1kg超え交じりで堅調。同船ではオニカサゴのほか活イワシの泳がせで狙う根魚五目のほか、コマセマダイなど先着希望順で出船中。
仕立専門の静岡富戸・ひろし丸でもアカムツと並んで人気の釣り物。2kgにも届こうかという大物も射程圏。
駿河湾にも好釣り場が多数。静岡大井川港の喜久丸では、いい日1kg超えをトップ1束以上といった釣果も珍しくない。
どのエリアでも通年狙えるが、基本的には冬季に人気の釣り物。
オニカサゴ釣りタックル&仕掛け
●竿…手持ちが基本なので軽量。中深場からの魚信は小さく、感度のいい穂先が理想。
●リール.ミチイト…リールは、PE4~6号が300m以上巻ける中型電動。誘い続けることを考えると、軽量コンパクトが望ましい。
●天ビン.オモリ…片天ビンを使用した吹き流し式の2~3本バリ仕掛け。オマツリ防止のためハリ数やオモリ号数は予約時に確認しよう。
●仕掛け…ミキイト7~10号、枝ス6~8号。サメなどが交らないようなエリアでは、4号を使うこともある。
ハリは期待できる魚のサイズに合わせる。
また、水深200m以上のポイントや、曇天時などには水中ライトも有効。サメを寄せるので禁止している船宿もあるので事前に要確認。
カラーバリや、チモトに夜光玉やタコベイト、チューブワームを付けてアピール度を上げるのも有効だ。
●エサ…一般的に船で支給されるのは、サバの切り身。ほかに、イカやシャケ皮。シイラやアナゴなどを使う。
1~1.5cm幅、長さ7~12cmほどにカット。海中でひらひらと漂わせるためには身は薄く削ぐ。逆に動きを抑えたい場合は身を厚めに残す。付け方は皮側からチョン掛け。エサが海中で回らないように、先端中央部に刺す。
オニカサゴ釣りのタナ取り
オモリが着底したら、素早くイトフケを取る。
タナは底からハリスの長さ分を目安で50cm~2m前後。
潮が速ければ低め、緩ければ高めに。下バリが底スレスレになるようなイメージ。
船が流れていくと、水深は刻々と変化する。急なカケアガリだったり、潮流が速いときは、より早いペースで底を取り直す。
図にあるように、これを怠ると、エサが底から離れすぎたり、根掛かりが多発してしまう。
オニカサゴ釣りの誘い方
竿先をゆっくりと大きく上下。大流しで狙う場合は、10mくらい巻き上げてから再び落とし込む。
エサが新しいところに入ることで、魚に遭遇する確率を高める。釣果に大きな差が出るので、1つの誘いに固執せず様ざまな誘いを試そう。
アタリ~取り込み
意外と小さいアタリが多い。
アタリがあったらゆっくりと聞き上げ、ヒットしたら低~中速くらいで巻き上げる。水圧に強く、海面に上がるまでに強い抵抗をみせるので引きや波の動きに合わせて対応。
ハリを外し、船縁などに置いてしまうと口を閉じてしまうので、ハリスをもって逆の手で下あごをつまむ「バス持ち」をしてしまえば手を離さない限り安全。ただし、歯が細かくザラザラしているので、タオルなどでつかむといい。