アジングロッドを、どう選ぼうか?迷ったら、自分の釣りの性分や、釣り場の条件から考えて選ぶといいだろう。特に注目したいのは、レングス(長さ)と、サオの重さである。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
アジングロッドの世界観
まずは、アジングロッドの調子、というか全体的な世界観を確認しよう。
今のアジングロッドは、ピーキーなショートロッドが主流である。サオそのものは細身だがメバル感覚で触るとビックリするくらいシャキッとしていてハリがあり、サオ先までパッツンとしている。いわゆる「パッツン系」が、どのメーカーでも多い。ただ、最近では若干ティップからベリーにかけて軟らかい味付けの、乗せ掛け、やり取り時のしなり、飛距離などを追求した製品も出てきている。
しかしまだまだアジングというと「乗せ」か「掛け」かで言うと、おそらくほとんどのアングラーが「掛け」でやっている。アジは非常にアタリが小さい。それを道具面の工夫で相対的に大きく感じられるようにするには、ティップまでシャキッとハリを持たせて反響感度を上げなければならない。パッツン系ロッドは、アタリ即アワセが効く。
まとめて言うと、まず、サオの調子として、掛けの釣りを展開するメインストリームは「パッツン系」(エクストラファストテーパー)、乗せの釣りをするサオはティップがやや軟らかめ(ファストテーパー)、という2種類がある。
自分が掛けの釣りをしたいか、乗せの釣りをしたいか。悩む場合は、ルアーフィッシング歴で考える。ルアーフィッシングに習熟しているなら、掛けの釣りの方が楽しめるだろう。不慣れな人は、乗せの釣りを推奨する。ちなみに、筆者はアジング歴が5年程度だが、実は今もそんなに掛けの釣りが得意でなく、「乗せ掛け」のような中間的な釣り方をしている。
ロッドのレングス(長さ)
アジングロッドの選択基準において、最重要なレングスと自重について解説しよう。
4ft台~7ft台
長さの幅は、最近では4ft台も出てきているが、ジグ単の釣りで主となるのは5~6ft程度。キャロライナリグやショアバチコンなど特殊な釣りをする際に7ft台の選択もある。
この中でさらに絞り込むならば、場所の条件を考える。アジは重い魚ではないので、高さ5mくらいでも、たとえば手前に何も入っていない護岸ならば25cm級でも問題なく抜き上げられる。5ftちょっとあれば十分だ。
しかし消波ブロック沿いなど、根周りを釣る場合には、ある程度の長さがある方がやりやすい。足場がややこしい分、取り回しのいいショートロッドの方が釣りやすいこともあるのだが、沈み根周りには藻が生える上、カサゴやメバルといったゲストも多くなる。このような条件をクリアするためには、6ft以上がレングスの基準だろう。
アジングロッドの自重
続いてもうひとつの重要要素であるロッドの「重さ」について解説。
理想的な重さは「50g」
アジングロッドは軽ければ軽い方がいい、と一般的に言われている。リールもそうだ。これは間違いではないのだが、何もかも軽くしようとすると、たとえばリールが145gと超軽量でロッド50gならば重い。サオをもっと軽くしなくては…となる。
基準として、ジグ単の釣りならば、「50g」が理想的な軽さ。これに前後するサオは、5ft台ならば、わりとエントリーモデルから出ている。ただサオの重量というのはメーカーとしては結構「見られる」ポイントなので、あえてスペック表に記載していないことが多い。
あまり神経質になりすぎないことだ。アジングはサオを立ててやる釣りなので、何よりも大事なのは、サオにリールを装着したとき、つまり実際にタックルを組んだときに、「フロントヘビー」にならない、サオ先が重くなるような設定にしないことだ。アジング専用メーカーの製品はそのあたりのことも考えて、あえてグリップ側に重心を残し、「持ったときの軽さ」を追求しているものもある。
釣具店でリールを装着してもらい、手元側に重さがくるか、「バランスポイント」を見てみるのもいい。
「ガイド」も大事なロッド要件
レングス、自重が、アジングロッドの何よりの選択基準だと筆者は考えている。しかし、細かいことをいえば、もっと求めたい部分もある。
たとえば、ガイドだ。高感度ガイド、小口径ガイド、やはりイトが直接触れるガイドの品質が高いというアドバンテージ。魚のアタリだけでなく、ボトムや潮流なども感じ取れる場所なので、「自分に合ったサオ」にプラスワンで追求するならガイドの品質を見たい。