外出自粛要請により長引く自宅生活だが、皆さんいかがお過ごしだろうか。我慢だけではいずれ限界がきてしまう。そこで、今回は自宅生活にちょっとした「粋」を持ち込むべく、川魚での『骨酒』作りを紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・松浦)
アユの『骨酒』作りに挑戦
渓流釣りシーズンが始まる春。だが、同時に新生活の始まりで忙しかったりとなかなか釣りに行けないこともあるだろう。その結果、川魚と関わることが少なくなってしまった人も居るはず(筆者もその1人)。
そんな人に朗報だ。
普段生活している上で関わることが少ない川魚だが、実は意外とスーパーの鮮魚コーナーに行くと売っているのだ。近所のスーパーを回ってみると、アユ、ニジマス、ヤマメを確認できた。筆者が住む群馬という地域柄もあると思うが、探してみればきっとみなさんの近所のスーパーにも売っているだろう。
今回はそんなスーパーで仕入れたアユを使って、自宅生活をちょっと粋にするプチイベント『骨酒』作りに挑戦してみた。
骨酒に合う日本酒
骨酒とは熱燗にした日本酒に炙った魚の骨を入れてダシを取ったものである。日本酒に移った魚の香味がたまらなくうまい。
一般的にはマダイやアマダイを使用するが、これがイワナ、ヤマメ、アユなどの川魚を使用してもとてもうまい。使用する日本酒は、言い方は悪いが上等な酒よりは大衆向けの物の方が良い。
元からとても美味しい酒だと日本酒の旨みと魚の旨みが喧嘩してしまう。なるべく自己主張が少ない日本酒を選ぶのがオススメだ。
骨酒の作り方
それでは、具体的に下処理から作り方を解説していこう。
1、アユの下処理
買ってきたアユの鱗と内臓を取る。今回は身ごと酒に浸すのできれいに取り除こう。鱗や内臓が残っていると、臭みの原因になってしまう。アユのような鱗が細かい魚はペットボトルキャップを使用すると簡単に鱗を取ることができる。
2、アユのから焼き
本来は炭火を使って遠火でじっくりと水分を飛ばし、その後、数日干した後に炙るのだが、家庭でそんなことをするのは難しいので簡略化して行う。
具体的にはガスコンロの魚焼きグリルを使用し、弱火でじっくりと水分を飛ばしていく。カリカリになるまで焼ければこれで十分だ。背鰭、尾鰭は焦げてしまうので日本酒につける前に取り除こう。
3、アユを熱燗に漬ける
湯煎にて60~70度に熱した熱燗に焼いたアユを入れて、5分ほど経てば完成。
飲んでみた感想
今回使用した日本酒は「榛名山」。ぐんまちゃんデザインのカップ酒を使用した。アユの旨みとも相性抜群で、とてもうまい。酒を口に入れるとアユの旨みが口に広がり、その奥に酒の旨みが鎮座している。
何度も言うが実にうまい。この記事を読んでアユが食べたくなったそこのあなた、朗報だ。夏になると群馬県にくればアユのフルコースが食べられる。アユが名産である利根川沿いに梁と呼ばれるアユ料理屋が夏季限定でオープンするのだ。
骨酒以外のオススメ料理
料理屋で食べられるアユ料理のオススメは刺し身である。他所ではなかなか食べられないアユの刺し身。食味はカワハギとイワシの刺し身のいい所取りをしたような美味しさだ。
また、捌いた時に残った骨を素揚げにして出してくれるのだが、これがめちゃくちゃうまい。骨酒の記事を書いておいておかしな話だが、酒に浸すより素揚げにした方がいいのではないかと思えてくる。
塩焼き、釜飯、刺し身とアユ料理に舌鼓した後、デザインが可愛いぐんまちゃんワンカップをお土産に。自粛期間中は家で骨酒を楽しみ、終わった時はぜひ、本場のアユを味わいにお出かけしてみてはいかが。
<松浦/TSURINEWS・WEBライター>