できれば初釣りのオデコは避けたいところだ。であれば、放流が行われていて魚影が濃い釣り場がいい。埼玉県本庄市にある間瀬湖なら魚影が濃いうえに浮き桟橋があるので入釣も楽々。底釣りでも超長竿不要で楽しめるのはありがたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
間瀬湖の概況
12月10日時点で、水位は超満水。2日前に放流された新ベラが激しく口を使っていた。
盛期に人気だった舟釣りだが、冬はワカサギ釣りにとって代わりヘラの人は少ない。逆に桟橋釣りに人気が集中するのも毎年の恒例行事だ。とくに日当たりがよく適度な水深がある一力桟橋は休日ともなるとかなり混雑するので、狙いたい水深があるなら早めの到着が無難だ。
なお近隣住民の迷惑になるので早朝に大声で話したりエンジンのかけっぱなしなどは節に慎みたい。
間瀬湖のポイント
同湖には一力桟橋をはじめ複数の浮き桟橋がかけられている。夏場に人気(日陰になる)だった東家桟橋だが冬は逆に寒く、底を取るにしても超長竿が必要なので人気薄となり、メインは一力、山水、カワセミになる。
陸釣りも可能だが、現在のような高水位だと入釣場所が限られる。今回は一力桟橋をメインに紹介しよう。
釣り座番号15番を境に桟橋が木製から鉄製に変わる。水深は1番が19尺前後、15番が17尺、30番で15尺ほど(いずれも水位により変動)。つまり1番から徐じょに浅くなり手前から沖へも深くなる、いわゆる複合カケアガリの地底だ。
底釣りの場合、どちらに流れが発生するかで対応が変わる。右流れ(浅いほう)への流れならともかく、左流れだとエサが底を切ってしまう。
釣り座正面で測った水深はあくまで目安として、流れきった位置でもエサが底を切らないようなタナ合わせを行いたい。とくに下バリしか底に着かない段差の底釣りは、バランスよりも流れやすいので要注意だ。
一力桟橋は朝から日が当たるが午後は背後の山影に入る。ウキが見づらいのは朝の一時。その後は終始クリアな視界なので底釣り特有の極小アタリも取りやすいだろう。
釣り方とエサ
実釣時のように新ベラが荒食いするなら釣り方は両グルテンの底釣りが王道だが、今号発売のころは、食いはひと段落するだろう。そうなると厳寒期なりの食い渋り対策が必要不可欠だ。
お勧めは段差の底釣りで、これを終日通すのがもっとも安定感がある。ただし間瀬湖の特徴として、水温が上がる午後は底から魚が離れてしまい宙釣り有利になる場面が少なくない。よって段底とセットの宙釣りの2本立てでプランニングするといい。
段差の底釣り
固形物(感嘆や力玉)を食わせに用いるのが一般的だが、放流ベラがメインならグルテンも面白い。アルファ21やわたグル単品を標準よりやや硬めに作り、小さくハリ付けする。この時期の大エサ・大バリは百害あって一利なし。
また季節風(流れ)対策も必須だ。できるだけライン関係は細くして、水の抵抗を受けづらくしたい。そうでなくとも冬場の底釣りは極小アタリになりやすい。
流れでラインが湾曲状態では、出るアタリも出なくなってしまう。よってラインのハリを確保するため、ウキの浮力は安易に軽くせず、しっかりオモリを背負うサイズにしたい。ただしトップに浮力を持たせる必要はない。
極小アタリをアタリとして認識しやすくするには細めのPCムクまたはグラスムクを使う。またこうすることで地底の変化(傾斜や凹凸)も読み取りやすくなる。
オモリ負荷の目安だが竿16尺いっぱいで約2.5g、19尺で3g程度が適している。なお3gとは0.3mm厚の板オモリで約3cm分。
宙釣り
チョウチンがメインだが、午後の高活性時なら沖め狙いの浅ダナも可能性大。前者ならスタート時は底から2尺程度切ったタナで始めて、様子を見ながら可能なら竿を短くする。
後者は11時過ぎからが本番になるはず。すると朝は静かだった風が吹き始めているころだろう。風力と相談しつつ、可能な限り沖めを狙える竿を出す。
あくまで傾向だが沖宙狙いは良型がそろうことが多いので、可能ならぜひチャレンジしてもらいたい。ただし、あとから入釣して両隣よりも長い竿を出す場合は、声をかけてトラブルがないようにしたい。
エサ使いは両者ともウドンセットが定番だが、沖宙に限るなら高活性が前提なのでグルテンセットや両グルテンも視野に入れる。タナは1本半前後が目安だろう。
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>
入釣料:¥1400(入釣料含む)
問い合わせ:釣舟一力TEL0495(72)1314