林良一が解説するエリア別カワハギ攻略法の最終回。今回は、千葉北部の竹岡エリアおける、カワハギ攻略の特徴と釣り方を解説する。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 林 良一)
林良一プロフィール
2012・2019DKO優勝。カワハギはもちろんのこと、アナゴやフグ、タチウオなど東京湾のテクニカルな釣り全般に精通。
数々の経験と独自の理論を基に「RYO‘S METHOD」を確立。釣り教室や、仕掛け作り教室、実釣会などを多数開催し、メーカーなどの垣根を超え多くの釣り人が訪れる。
千葉北部・竹岡エリアの特徴
東京湾のカワハギ船が集う大場所、竹岡沖のカワハギ攻略の特徴と釣り方を解説する。
ポイント
竹岡沖のポイントから千葉県側を見やると、丘陵の上方にはゴルフ場があるので分かりやすい。
夏の終わりには、それより北側に位置する大貫沖の浅場がいいポイントになり、湾フグ釣りをしている時などに大型カワハギが掛かることがある。掛けた直後のパワフルな瞬発力でカットウバリのステイトを切っていく。
開幕直後には大型が多く、水温が下がり始め盛期を迎えながら、徐々に水深は深くなっていき、コッパの群れが固まりだすと数釣りになる。
海底は沖に向かってなだらかな砂地にツブ根が多く「甚九郎根」や「ゲバチ根」(ゲバチとはカワハギのこと)などの好ポイントもあり魚礁もある。浦賀水道航路のフチや駆け上がりも好ポイント。
竹岡沖での釣り方
ここでは、今年トレンドとなっている釣法を紹介したい。
関東ではDKO(ダイワ カワハギオープン)を始めとして、名だたる大会が竹岡沖を舞台として開催される。その最たる理由をご存じだろうか?
例えば根回りのポイントでは、根に魚が付いている状況が考えられ、船が流れる方向がフレッシュな場所に入って行くため、どうしても釣り座の有利不利がでてしまう。
魔物が住む竹岡沖
一方、広大な砂地の竹岡沖では、カワハギの群れが縦横無尽に遊泳している様が想像でき、釣り座の優劣が緩和されると考えられる。
また、根掛かりの少ない同地では、ミキイトやラインを張っている状態の「縦の釣り、ゼロテンション釣法」、中オモリや集寄で仕掛けを倒し込んでいく「たるませ釣り、はわせ釣り」や、仕掛けを斜めにしての「キャスト釣法」など、あらゆる釣法を駆使できる。
ただ「魔物が住む竹岡沖」と称されることがあり、広大で平らなエリアは魚が隠れられる大きな根が少なくなく、濁りなどの水質や水温の変化などに対してピタッとエサを食べなくなってしまうことがある。名手を翻弄させるエリアといった一面を持ち合わせているのだ。
釣り方
今季、そんな竹岡沖で釣っていると、カワハギはエサを吸い込むことはあまりせず、噛みちぎるように食べていく場面が続くことがあり、クチビル1枚をすくうように掛けてのバラシや、仕掛けを上げて来るとアサリのワタだけ無いなど、ついばむような捕食をしているのがうかがえる。
そこで、たるみが出るように細くて長いハリスを用い、吸い込み系の軽くて小さなハリで仕掛けを構成するといい。
中オモリや集器を付けた仕掛けをキャストし、若干、サビキながら中オモリを揺らして誘う。ミキイトを張ればハリスが引っ張られ、逆にゆるんだ時に、同様にハリスにもたるみができる。
具体的には、キャストした仕掛けを引っ張っている時は、ミキイトとハリスはほぼ平行になっているのに対し、止めた時やゆるめた時に、ゆっくりと落下するエサによってハリスにたるみができるイメージだ。
その「ハリスのたるみ」がカワハギに違和感なくエサを食べさせ、ハリ先をより口の中へ誘うキモになる。くり返し誘いをかけることにより、連続したたるみをハリスに持たせ、エサを仕込んだハリを、カワハギの口の中深くまで入れ込む確率が高まるのだ。
<週刊つりニュース関東版 林 良一/TSURINEWS編>