昨年のスズキ釣行を思い出すと、1mを超えるスズキに名刺を渡し損ねた悔しさが込み上げてくる。これが原因か、今年の初夢は堤防先端でエラ洗いをしまくるスズキと戦い、ハリが外れたところで目が覚めた。なんとも悔しい思いが残る。そこで1月15日、夢にリベンジしようと仕事終了後、そのままエビを採取して帰宅、釣り道具を愛車に乗せて出発した。
愛知県常滑市の大野漁港へ
釣り場は愛知県常滑市の大野漁港だ。
釣り場に向かう途中、高砂屋に立ち寄り、新年のあいさつをして情報収集、エサのアオイソメを購入した。
ちょうど干潮時間ということもあり、睡魔に襲われて交通事故を起こしては元も子もないので、途中のコンビニの駐車場で仮眠を取った。
寒さに目が覚めると、日付変更線を越えているではないか。
シマッタ!でも目はパッチリ覚めていて気分爽快。
お世話になったコンビニでホットコーヒーを購入して大野漁港へ直行した。
到着後、釣りの準備を始める。
防寒着をしっかり着込んでいても寒さが伝わってくるが、海は冬期には珍しく風が弱いナギの状態。
堤防先端と水門前に釣り師が陣取っていたので、今回は漁港側で釣ることにした。
テナガエビのしっぽをハサミで切ってハリに付ける。
午前4時30分が満潮なので、ウキ下1mほどでスタートした。
仕掛けを潮に乗せて流していくがウキに変化はない。
3時間ほど繰り返すが、寂しいものでウキは少しも動かない。
エサをアオイソメにすると、堤防手前でタケノコメバルが遊んでくれた。
満潮止まりが近づいてきたので、家内が用意してくれた私好みのアツアツのお茶を飲んで気分転換。
体はポカポカ、眠気も飛んでヤル気満々のスイッチオンだ。
独身の皆さん、優しい奥さんをもらおう(笑)。
ウキが海中に消し込まれ、バトル開始!
そんなことを思っていると、流していたウキが海中に消し込んだ。
一気にイトが張ってバトルスタート。
このワンチャンスを逃がしてたまるか!
イトは30mほど出ているので、これ以上出ないようにやり取りしなければ「正夢」になってしまう。
釣り番組の中で、ある大学教授が「魚は海中の地形を記憶し、どこへ逃げればラインが切れるか知っている」と話していた。
魚をバカにする私たちが愚かなのか。
また当然PEラインは絡みやすい。
絡んだら勝負にならないのでピンと張っていないといけない。
どうやって手繰り寄せるか考えなければゲットできないが、その余裕も全くない状況だ。
今回の獲物も重いと言ったら重い。
強烈な引きで、サオはこれ以上曲がったら折れてしまうというほど弓なりだ。
さらにエラ洗いをしてハリを外そうとする。
敵は賢いが、ここが踏ん張りどころだろう。
自慢のサオを信じて思い切りイトを巻き上げると、やっと巨大魚の姿が見えてきた。
最後の難関は堤防から10mほど沖に向かって転がっている大小の石。
擦れてライン切れにならないように慎重に引き寄せる。
最後まで気が抜けない。
右手にサオ、左手にタモを持って対応。
一進一退が続いたが、最後は運良くタモに飛び込んでくれた。
両手でタモを持って「よっこらしょ」と堤防に引き上げる。
堤防の幅は狭いので、海へ落ちないように気をつけながら無事取り込んだ。
検寸すると……
道具を片付けて検寸すると、なんと久しぶりのメーター級。
101cmの立派なスズキだった。
今回も釣友の木内君に記念撮影をしてもらい、帰宅途中に高砂屋へ立ち寄って大将に釣果報告。
先ほど釣り場で撮影してもらった写真と元気のいいスズキをお土産として渡して帰路についた。
刺し身は包丁の切れ味で舌触りが格段に変わるため、私は昨日丹念に研ぎ上げておいた。
そのせいか家内の調理した刺し身の切り口は角が立っている。
さらにおいしくなった夕食で、家族みんなで今年初の超ビッグな釣果に乾杯できた。
また、翌朝は週刊つりニュース中部版に掲載された12月23日のスズキ92cmを見
ながら、「めでたいタイ飯」ではなく、「ぜいたくでめでたいスズキ飯」を楽しむことができた。
<週刊つりニュース中部版 APC・永井博文/TSURINEWS編>
国道155号の矢田川橋南信号を西進。