ボートフライ釣りで台風被害後の芦ノ湖を調査 62.5cmコーホー登場

ボートフライ釣りで台風被害後の芦ノ湖を調査 62.5cmコーホー登場

関東を通過した台風19号は、神奈川県箱根町に観測史上1位となる降雨をもたらした。中央部に位置する芦ノ湖では越水して湖畔は水浸。強風がボート小屋や桟橋に大きな被害をもたらした。バス釣りの聖地であり、トラウトファンにとっては、関東では数少ない釣り場の1つである。台風後の復興状況と釣況について報告したい。

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(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)

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トラウト ルアー&フライ

芦ノ湖ボート店が営業再開

12日(土)の夜には、芦ノ湖の水位が満水比85cm高まで上昇。それが満水水位まで下がったのは、18日(金)朝のことだった。19日(土)に、比較的被害の少なかった湖尻のボート店が営業再開。21日(月)から元箱根でも順次営業再開。

ボートフライ釣りで台風被害後の芦ノ湖を調査 62.5cmコーホー登場タックル例(作図:週刊つりニュース関東版 編集部)

しかし、まだ復旧の見通しが立たないボート店はある。また、営業を再開したボート店でも、かなりの数の備品が消失しており、ライフジャケット、クッション、レンタル品など提供できない店がある。

釣行の際には、状況を問い合わせるとともに、できる限りタックルや仕掛けを持参すること、ゴミは自宅へ持ち帰ることをお願いしたい。

ボートフライ釣りで台風被害後の芦ノ湖を調査 62.5cmコーホー登場尾びれの大きなニジマス(提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)

直近の釣況

次に、釣況について。ワカサギ、ヒメマス、コーホーサーモンは変わらず好調を維持している。台風のあと、3回釣行した。水が変わり、魚の着き場は変わったものの、釣況はそのままだ。

ワカサギ

10月20日(日)は、湖尻から出艇。まず、ワカサギ釣り。台風前までは水深14~15mのポイントでよく釣れていたが、この日は水深20~21mとやや深い場所へ移動していた。釣果は実釣2時間で100尾超え。今年のワカサギは5~7gと型がよく引きが強い。電動リールでは巻き取れないことが多いので、手巻きタックルの持参をお勧めする。

トラウト

ボートフライ釣りで台風被害後の芦ノ湖を調査 62.5cmコーホー登場53cmのニジマス(提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)

9時からは箱根園から樹木園にかけてをダウンショットゾンカーとムーチングで探っていく。トラウトは水深20mほどのポイントの中層で食ってきた。35cm前後のニジマスと40cmクラスのコーホーがポツポツ。

14時すぎには、DSゾンカーのロッドにガツン。ヒレが大きく発達したパワーのあるニジマスで、53cmあった。総釣果は、33.5~53cm20尾。水温は18.5度まで下がっていて、そろそろキャスティングでも釣果が出そうな予感。

10月26日はコーホー&ニジマスで14尾

ボートフライ釣りで台風被害後の芦ノ湖を調査 62.5cmコーホー登場トリカブトの様子(提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)

10月26日(土)は、元箱根から出舟し、箒ヶ鼻からトリカブトを探る。この日はショートバイトが多く、なかなかフッキングまで持ち込めない状況からのスタート。それでも、小型のコーホーと40cm級のニジマスが散発。このあと、45cmのコーホー、46cmニジマスとサイズアップ。

待望のヒットは11時すぎ、場所はトリカブト。水深25mの底から5m辺りでヒットしたのは、54cmのコーホー。銀ピカのきれいな魚体だ。14時頃ごろにもトリカブトで50.5cm。これも銀毛個体が美しい。納竿直前には40cmに少し足りないサイズだったが、少し婚姻色の出始めた、いかつい顔のオス。小さくても、オスが成熟するとかっこいい。総釣果は、ニジマスと合わせて14尾。数年ぶりのポイントだったが、まずまずの釣果。

10月31日はヒメマスも登場

ボートフライ釣りで台風被害後の芦ノ湖を調査 62.5cmコーホー登場紅葉で色づき始めた芦ノ湖(提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)

さらに、10月31日(木)は、再び元箱根より出艇。朝は濃霧でボートの方向が定まない。そこで、スマホのGPS機能を使って位置を確認しながら百貫の鼻を目指す。

前回より広く、百貫の鼻から三ツ石までをゾンカージギングで底層から中層を探っていく。まずは、45cm級のニジマス、次に40cm級のコーホーサーモン。3尾目は少し小ぶりだが、久しぶりのヒメマス。国内の淡水魚のなかで最も美味しいとされる魚の1つだ。小さくても嬉しい。

ボートフライ釣りで台風被害後の芦ノ湖を調査 62.5cmコーホー登場コーホーサーモンの50㎝オーバーが2尾(提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)

62.5cmコーホーもヒット

9時半ごろ、平岩の水深27mの底付近でガツン。一度フックアウトしたようで、上がってきたときには胸ビレに掛かっていた。大型であることを目視していたので、恐る恐るのファイト。10分以上かけて何とかランディング。後検で55.5cmのメスのコーホー。午前中さらにもう1尾、トリカブトの水深28mの底でヒット。

フライが着底し、シャクり上げたと同時にドンの重量級のアタリ。重量感からニジマスと思っていたが、上がってきたのは今期最大62.5cm。

午後は、トリカブトから三ツ石にかけて探っていったが、40cm級のニジマスが1尾のみ。15時50分に納竿。釣果は、ニジマス、コーホー、ヒメマスを合せて10尾だった。

ボートフライ釣りで台風被害後の芦ノ湖を調査 62.5cmコーホー登場今季最大のコーホーサーモン(提供:週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也)

今後の展望

管理釣り場のような釣果は望めないが、自然のフィールドでこれだけ釣れればまずまず。今年はなぜこんなにコーホーが釣れるのか。昨年から漁協による同魚の放流実績はない。一昨年の4月に20cm級の試験放流があるのみだ。

これらが釣れているなら3~4年もの個体だ。35~60cm超級まで、かなり個体差はあるが、金ピカでヒレピンの魚体には大満足。これだけ楽しませてくれるのであれば、今後は定期的な稚魚放流をしてくれると、釣り人として嬉しい限りである。

ボートフライ釣りで台風被害後の芦ノ湖を調査 62.5cmコーホー登場ポイント図(作図:週刊つりニュース関東版 編集部)

<週刊つりニュース関東版 APC・藤崎信也/TSURINEWS編>

▼この釣り場について
芦ノ湖
場所:神奈川県足柄下郡箱根町
この記事は『週刊つりニュース関東版』2019年11月15日号に掲載された記事を再編集したものになります。